Pirika logo
JAVA,HTML5と化学のサイト

Pirika トップ・ページ

Pirikaで化学
 物性化学
 高分子化学
 化学工学
 分子軌道
 情報化学

 その他の化学
 アカデミア
 MOOC講義資料
 プログラミング

ハンセン溶解度パラメータ(HSP):
 HSP基礎
 HSP応用
 ポリマー
 バイオ・化粧品
 環境
 物性推算
 分析
 化粧品の処方設計
 その他
 自分でやってみよう

雑記帳

代理購入?
英語で諦めていませんか?HSPiPの代理購入なら映像工房クエスチョンへ。すぐにお見積りします。
(日本語ドキュメントサービス中)。Mail

 

Ad Space for you

 

 

 

Last Update

25-May-2017

MOOC: 食品、医薬品、サプリメント

講義資料 非常勤講師:山本博志  2012.1.12

2012年1月7日

ポリフェノール:

食べて大丈夫なのはどれ?
薬なのはどれ?
触ってはいけないのはどれ?

左から、エピガロカテキン:お茶の渋み成分、ゲニステイン:豆類に含まれるイソフラボン、NDGA:食用酸化防止剤、クレオソート:主成分、一番右は漆の主成分だ。もともとポリフェノールには酸化防止機能がある事が知られ、お茶やワインではその機能が強調される。従って3番目のNDGAが食用酸化防止剤として機能するのは当たり前のように思えるが、化学的に合成されたものはそれだけで危ないものと嫌がられる。

食品用に認可されている酸化防止剤には以下のようなものがある。

 

name

CAS#

RT

PG

Propylgallate

149-91-7

2.8

THBP

2,4,5-Trihydroxybutyrophenone

1421-63-2

3.8

BHA

Buthylated Hydroxyanisole

25013-16-5

7.6

HMBP

4-Hydroxymethyl-2,6-di-tert-buthylphenol

XX-XX-X

8.8

OG

Octyl gallate

1034-01-1

9.4

BHT

Buthylated hydroxytoluene

128-37-0

13.2

2DG

Dodecy lgallate

1166-52-5

13.5

TBHQ

tert-Bubylhydroquinone

1948-33-0

4.3

NDGA

Nordihydroguaiareticacid

500-38-9

6.6

これらのHPLCの保持時間は上のテーブルのようになる。YMBで分子を組みモデル式を構築すると下図のようになる。

食品中の酸化防止剤が何を使っているか、天然物と保持時間がどのくらい違うか? モデル式は有用に使える。

対応するブラウザーをお使いなら、上のキャンバスに分子を複数描けばRTがどのくらいかを得る事ができる。

ペットボトル入りのお茶:

ペットボトルはポリマーの講義で触れたように酸素のバリアー性は低い。つまり内容物が酸化されやすい。上記のお茶の成分自体も酸化防止機能があるが、有効成分が失われる、変色してまずそうになるので、さらに還元力の強いビタミンC(L-アスコルビン酸)を入れ、カテキン類を保護する。天然のビタミンCは合成物の50倍以上高価なので、このような用途にはブドウ糖から化学合成されたビタミンCが使われる。何故、同じく化学合成された酸化防止剤化合物ではなくビタミンCが使われるかというと、ビタミンCは化学合成品であっても、食品添加剤として記載するときに、栄養強化の目的で使用されるビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類については、用途名の表示が免除されているからだ。

つまり、

L-アスコルビン酸を
栄養強化の目的で使用する場合 → 表示免除
酸化防止剤として使用する場合 → 「酸化防止剤(ビタミンC)」と表示

しなければいけないが、お茶に入れているビタミンCは栄養強化の為に入れていると主張できるので、消費者受けを考えると、食品用に認可された酸化防止剤を使う事はしないのだろう。でも化学合成品は化学合成品だ。

ビタミンC:

Solubility prediction of bioantioxidants for functional solvent by group contribution method. Journal of Industrial and Engineering Chemistry Vol.16, No.3, 490-495, 2010 にビタミンCの各種溶媒に対する溶解性のデータが記載されている。

Name

溶解度

Heptane

5.50E-15

Hexane

2.55E-15

Pentane

1.42E-15

Cyclohexane

2.18E-13

Toluene

7.42E-16

Xylene (meta)

4.47E-14

Benzene

2.30E-14

Diethyl ether

2.65E-14

Butyl acetate

1.90E-12

Tetrahydrofuran

7.27E-12

n-Propanol

1.93E-08

Ethyl acetate

1.51E-11

Acetone

2.49E-11

Methanol

1.85E-05

Ethanol

2.42E-07

Acetic acid

2.14E-04

Methyl hydroperoxide

7.56E-04

Acetamide

2.74E-04

Ethyleneglycol

1.65E-04

UREA-R

1.01E-03

溶媒の物性をYMBで計算し、溶解度のモデル式を構築してみよう。

log(溶解度)= A*HansendP +B*HansendH  -C

VSMRでA-Cの係数を定めてみよう。

対応するブラウザーを使い、上のキャンバスに分子を描けばどのくらいの溶解度かを得る事ができる。
このように、一旦モデル式が作成できれば容易に新しい溶媒を使った時の溶解度を推算できる。それをバッチで走らせて一番いいものを探すなども簡単にできてしまう。Web版は制限があるが、それはハンディだ。同じ機能のソフトを使ったら学生に勝ち目は無い。学生はダウンロード・バージョンを使って色々な溶媒の溶解度を計算してみて欲しい。トップデータの溶解度を見つけた学生にはAを上げよう。
社会に出てからも、こうしたサイクルをまわせば他所(先輩)に負けない研究ができるだろう。しかし、コンピュータだけに頼らず”何故”を考えるのは非常に重要だ。

 

燻製:

香りの良いサクラなどの木材を高温に熱した時に出る煙を食材に当てて風味付けをすると同時に、煙に含まれる殺菌・防腐成分を食材に浸透させる食品加工技法のこと 
アルデヒド類:甘い焦げたような匂い(着色と殺菌作用)
酸類:刺激臭(殺菌作用)
フェノール類:燻煙臭(殺菌、抗酸化作用)
この燻煙のフェノール類は、医薬品のクレオソートの主成分。

殺菌剤、抗菌剤なので毒性は高い。

 

LD50

guaiacol

725

4-Methylguaiacol

740

p-cresol

207

phenol

384

o-cresol

121

4-ethyl guaiacol

 

YMBを使って計算し、4-ethyl guaiacolのLD50(文献値なし)を予測してみよう。

Guaiacol 誘導体の出所(植物)を調べてみよう。殺菌、抗菌作用はあるだろうか?

 

イブプロフェンの再結晶:

非ステロイド系消炎鎮痛剤で、リウマチ性の疾患や腰痛、関節痛、神経痛、腱鞘炎、月経痛などに効果的、風邪にも使用される。

J. Chem. Eng. Data 2002, 47, 1379-1383に溶解性のデータがある。

溶媒をYMBで計算し、さらに温度の情報を加えたテーブルを作ろう。

VSMRでモデル式を作ろう。

エタノールの35℃でのデータ以外はよく再現するモデル式が作れる。

そこで、メタノールに45℃で溶解し、それを20℃に冷却した時にどれだけイブプロフェンが再結晶されるかモデル式から計算する事ができる。副生成物、原料などの残りは20℃で再結晶しない量以下で無くてはならない。

医薬品の世界でも、化学工学にできる事はいっぱいある。

 

自分でやってみよう(MOOC)トップページへ戻る。

 

メールの書き方講座