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Last Update

27-May-2017

分子シミュレーション

非常勤講師:山本博志 講義補助資料2011.11.14改訂

 

ある新規化合物を扱おうとした場合、データベースを叩いてもその物性値が全く得られないことは多々ある。そうした場合、分子の構造のみから物性値が得られる分子軌道法は非常に有用である。しかし、化学工学を学ぶ学生が分子軌道法を学ぶことは殆ど無いのが現状であろう。いわゆる”分子シミュレーション”と呼ばれる分子動力学法と比べ、実際の企業の研究現場では分子軌道法は必須の知識だと自分は思う。

実際にどのような場面で利用できるかについては講義で紹介するが、ツールとしての使い方の説明をここで行っておこう。大事なのは、あくまでもツールとして使いこななしていく事だ。携帯電話の通話の原理がわからなくても、ツールとしては皆(程度の差があれ)使いこなしているだろう。シュレディンガーの波動方程式を全く理解できなくても、全く問題ない。逆に波動方程式からきちんと勉強したい学生は、この先を読むことは無駄だ。その道の専門のページを探して欲しい。

YNU-シミュレータOは3次元の分子構造から分子軌道ベースの情報を取り出すのに使う。授業の最初にパスコードを与えるので、それを入力すればフルに使えるが、無くても機能制限はあるものの、動作する。プログラムはHTML5+CSS+JavaScriptを使って開発している。HTML5はまだ馴染みがないだろう。これはブラウザーのみでプログラムを走らせることのできる、新しい規格で今後のWebページを見る方法の主流になる。Chrome、Safari、FireFoxの最新版をインストールしてあれば走らすことができる。iPadなどのMobile Safariでも動作可能だ。Windowsのインターネット・エクスプローラーはHTML5をサポートしていないので動かない。

YNU-シミュレータ

YNU-シミュレータO

分子の読み込みと表示

 

3次元分子の構造作成:

 

分子構造の最適化(分子力学計算):

 

分子の電荷計算(電荷平衡法):

 

分子の半経験的分子軌道計算(CNDO/2):

まず最初に分子の3次元構造が無いと得られない情報について説明する。ここで利用したい計算可能量は、各原子上の電荷、分子としてのダイポール・モーメント、HOMO(Highest Ocupied Molecular Orbital、LUMO(Lowest Unocupied Molecular Orbital)、分子体積、分子表面積、生成熱などだ。こうした計算可能量を得るための要素技術を以下に説明する。

3次元分子の表示、読み込み

昔は丸善の分子模型やCPK分子模型で分子を組み立てたこととがある化学者は多かっただろが、最近ではほとんどいないかもしれない。しかし、Seeing is Believing = 百聞は一見にしかず。分子を3次元で見ることは重要だ。

分子模型では分子軌道計算を行う3次元座標を手に入れるのは難しい、結合角やねじれ角を得るのは大変なので、ソフトウエアーを利用することが多くなってきた。分子のフォーマットは沢山あるが、まずMOPACのデータを読み込んで表示してみよう。

3次元分子の構造作成:

分子軌道法を用いた計算値を得たい場合には、まず最初の関門は、分子の3次元座標を得ることだ。炭素は手が4本あり、水素は手が1本とかいう化学の基本的知識は必須だ。炭素は2重結合を作った場合には手が3本になり、3重結合を作った場合には手が2本になる。そうしたときには3次元の構造として

のように、ピラミッド(4面対)構造、平面構造、直線構造を取ることが理解できていれば十分である。

YNU−シミュレータを使って3次元分子構造を構築してみよう。

分子構造の最適化(分子力学計算):

おおよその3次元分子構造は上で説明したBuilderの機能を使えば作成できる。しかし、環状構造などを正しく扱うのは専門家でないと難しいだろう。そこでYNU-シミュレータには分子構造を最適化するための分子力学計算(MM計算:Molecular Mechanics)を行う機能を搭載した。MM計算というのは簡単に言えば、結合、結合角、ねじれ角をバネとみなして、標準値より小さければ、バネが反発し、大きければバネが縮む。そうした操作で構造を最適化する手法だ。最も著名なのはアリンジャーのMM2(MM3)であるが、最近はとんと聞かない。しかし計算は速いし便利なので分子力学計算を使って構造を最適化してみよう。

分子の電荷計算(電荷平衡法):

有機反応を行うときなど、有機合成屋さんは、”ここがδ+でここがδ-だから、あーなって、こーなって”という反応式を頭の中だけで自由にやってのける。化学工学の学生でも、酸素や窒素がいっぱい入った分子などはなんとなくでも、ダイポール・モーメントが大きそうだなとか見当がつくだろう。そうした化合物は沸点が高そうだとか、粘度は、熱伝導度は、と、おおよその値(特に自分がよく使う化合物)は見当がつくだろう。その基礎は各原子の電気陰性度だ。フッ素で3.98,酸素で3.44と大きいので、これらの原子の上には電子がいっぱいあり、δ-がある。その分電気陰性度の小さい原子上にδ+がくるとかで判断しているのだと思う。それを定量的に扱うのが電荷平衡法だ。計算は非常にシンプルなので素早く計算できるし、大きな分子にも適用できる。これを使って分子の電荷を計算してみよう。

分子の半経験的分子軌道計算(CNDO/2):

何故今更CNDO/2なのかと聞かれることも多い。原子の電荷は電荷平衡法を使って計算してしまうし、分子軌道法で求めたいのはHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital:最高被占軌道)とLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:最低空軌道)、そして軌道の形ぐらいだから、簡単なCNDO/2ぐらいで良い。(ちなみに、CNDO/2に関しては、WikiPediaの関連する記事からこのHPにリンクが貼られていた。)HOMOとLUMOに関しては”結合性軌道と反結合性軌道、HOMOとLUMO” というページが詳しいのでそちらを参照してもらいたい。

 

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