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27-May-2017

物性化学:ダイポールモーメントの計算

2011.6.28

非常勤講師:山本博志 講義補助資料

 

ダイポールモーメント(DP)の値が化学工学上重要になるケースはあまり多くないだろう。マイクロウエーブを使った合成などの時に、DPの値が必要になるかもしれない。また、Hansenの溶解度パラメータの分極項を決定するにはDPの実験値が必要になる。

このDPの実験値はあまり多くないし、そのデータが増えているようにも見えない。そこで、最近ではDPは分子軌道計算や電荷計算で求めてしまうことが多いようだ。しかし実測のDPと計算で出す、真空中の1分子の計算から出すDPは似ているようで大きく異なっている。どのように注意しなくてはならないか説明しておこう。

データベースにある1852化合物の実測のDPに対して、MOPACを使って構造を最適化し、ダイポールモーメントの計算値を得て、プロットしたのが下の図だ。お世辞にも精度が高いとは言えない。

だから、分子軌道法の計算値は使えないと言ってしまうのは簡単であるが、科学的ではない。どんなものがどうだめなのか見ておこう。MOPACで分子を計算すると、その化合物がどのPoint Groupに所属するのかが計算される。これは自分の最も不得意な群論の問題になる。

C1グループだけを抜き出すと次のようになる。

ここで直線から外れるものは、次のような化合物になる。

 

C2グループでは次のようになる。

官能基が両脇にあるような、対称性の化合物で合わない。計算上は対象なのでDPは打ち消しあうのだが、実際の分子では対象が崩れているのだろうか。

 

C2v, C3vの化合物は計算値は比較的よく合う。

これらの化合物で合わない。

 

Csグループ

これらの化合物で合わない。

 

Ci, D*h, D2, D2d, D2h, D3, D3d, D3h, D4h, D6h, Oh, Td,C3, C2h, C3h, C*vでは使えないと思ったほうが良い。

 

以上のように、2官能以上の物、その官能基が対称性を持つものの計算値は信用しない方が良い。そして分子が大きく、伸びきった安定構造以外の構造を取れるものも値がおかしくなる。こうしたもの以外は、そこそこ計算値でも使えるのではないだろうか?

QEQ(電荷平衡法)を使ってもダイポールモーメントは計算できる。最新の研究はPowerToolsのプログラムで紹介している。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみて欲しい。

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