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悲しき酒(片々草抜粋)

 

 

 

 

 

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02-Jan-2013

 黄檗山 万福寺に「忙中間」という山田玉田大師の額が掲げてあるそうだ。生半可に学のある人は、 ”何だこりゃ「忙中閑」の間違いではないか?。と首を傾げるが、さにあらず、これは山田禅師が敢えて「閑」と言う字を「間」に置き換えて「忙しいからこそ、その中に ”間”をおきなさい。そこでひと呼吸いれなさい」と諭した教えなのだそうだ。

 確かに我々は忙しくなると、目は血走り息も上がって,かえってそのこと自体で上ずってしまい結局は失敗して、余計な手間をかけてしまうことが多い。
 ナニ”忙しい?”・・・じゃあここらで一番 ”深呼吸”といこうか。それとも、もう一息 ”しばし美人のひざまくら”・・・とでもいきましょうか。

          情  報
 
 ついこの間までTVで「天気予報」といっていたのが、いつの間にか「気象情報」という表現に代わっていた。
「情報」とはーーー辞書によれば ”判断を下したり、行動を起こしたりするために必要な知識”とあるが、これをそのまま「天気情報」としないで「気象情報」としたところが憎いなあーーー。そしてなるほど近頃は ”天気”だけでなく、地方地方の風向きから波の高さ、ゴルフ場の様子まで知らせてくれるようになっていた。

 ーーーところで辞書にいう、その”情報”についてこんな話をご存知か?。
 時は永禄三年五月の十九日。梁田四郎左衛門政綱が織田信長に「今川殿は只今桶狭間に着し、昼げを開いて盛んなる酒宴の最中に候」という「情報」をもたらした。
 信長は、この ”情報”をもとに、篠つく雨をついて直ちに出陣。 ”お昼ごはん真っ最中”の今川勢を奇襲,、義元の首汲をあげて大勝、天下統一の基盤を築いた。
 このときの軍勢、信長勢三千、今川勢二万五千だったという。

 戦国時代の戦いでは、勝ち戦の後、その戦いの最中に誰が命がけで闘ったか、誰の活躍が一番目覚ましかったか、を吟味して恩賞を与えるのが常であった。
 ところが信長はこの戦いの後の論功行賞で、意外にも一番槍や義元の首級をあげた武将をさしおいて、この政綱に最高の恩賞を与えたと言う。
 作戦指導のための重要な「情報」をもたらした行為を最高としたところに、信長の指導者としての先進性があった。

            箸

 ぼんやりTVを見ていたら何と ”お箸の持ち方”というのを教えていた。TVに習わなければ箸が上手に持てないというのも情けないが、確かに最近箸や鉛筆をまともに持てない人が多くなった。何故か親指をおっ立ててしまうのである。原因はどうやら学校給食の先割れスプーンにありそうだという。

 ところで洋食は食材をナイフとフォークで食するが、何よりもナイフで切ったものをフォークに突き刺して口に入れる動作と、箸で口に運ぶ姿を比較すると、箸で食する姿の方がどうみても上品である。食文化としては、和食の方が一枚上であるな。
 それにライスはフォークの背中に乗せて食せ・・・なんざあ”ショクスアル ハラスメント(食?的嫌がらせ)”いじめ以外の何ものでもないな。

 箸と言えば、子供の頃読んだ本。出雲神話の ”やまたのおろち”の話。 ”すさのおのみこと”が、その ”大蛇”を退治しようと、川沿いに歩いていたら箸が流れてきた。これを見て 「ああ、この川の上流に人が住んでいるな。と分かった」という話で、”なるほど、箸を見てねえ”と何故か子供心にいたく感銘を受けたことを覚えているが、だとすれば、日本人は神代の昔から箸を使っていた訳。日本の食文化というものは、大変なものだなあ。
(90・H・2・2)