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02-Jan-2013

育 て る

 職場懇談会の冒頭、T・Mさんの挨拶。成るほどいい話だと、そのまま消えてしまうのが惜しいので、断片的ながら思い出しつつ掲載させていただく。

 ーーー「間もなく新年度を迎える。会社が年々発展し、四月になると毎年新入社員を迎えるほか、人材を育てるために、適材適所・・・転勤を含め相当な数の社員を配置換えする。
 何ヶ月か経って、その配属先の上司に ”新人はどうですか?”と尋ねると  ”はい、育っています”という答えはかえってくるが、ついぞ”育てています”という答えに会ったことがない」。
 ーーー「教育はOJTというけれども、新入りを職場に置いて、何か適当な仕事を与えておけば自然に ”育つ”というものではない。人は ”育てる”ものだと思う」。

 ーーー「自分は園芸が好きで、いろんな植物を植え、素人ながら努力しているが、その園芸で一番気を遣うのが水やり。ーーーそれも、いくらでも水さえやればOKというのなら簡単だが、水は多すぎても少なすぎてもいけない。これが難しい。一番いい方法は、土に手を触れ指を中に入れて、土の湿り具合を確かめることである」。

 ーーー「植物は人の ”まなざし”を滋養にし、その”足音”を聞いて育つという。人がどれだけその植物のところに足を運んだか、どれだけ沢山の時間その植物に接したか?。要するにどれだけその植物に関心を持ったか・・・の深さに比例して育つ」。

 ーーー「人間も同じ、その人に十分な関心をもち、その人の到達している現状を知り、何を、いつ、どのように与えながら成長させていくか?。その加減を真剣に考えることが ”育てる”ということではないか?」。
  *          *
 この話を反芻していて、若い頃上司Y・Tさんに、教育の担当を与えられた時に諭された言葉を思い出した。
「なあおい、人を育てる要諦はな ”つかず離れず”ということやで・・・。。

 ”水をやりすぎず、少なすぎz、適当な水加減”・・・の話じゃないが、実際には、”くっつき過ぎず、そうかといって離れすぎず”というその兼ね合いが難しい。
 とどのつまりは、相手に「関心」を持つこと、よく観察することにつきるのだが。

          桃 太 郎

 誰でも知っている桃太郎の話には、おなじみの犬と猿と雉が登場する。
 あれは、桃太郎が、犬の「行動力」、猿の「知恵(企画力)」に「情報」の収拾を空とぶ雉に託して「悪(鬼)」に立ち向かう。しかも”犬猿の仲”に代表される犬と猿を、あえて部下にして使いこなした「長」の統率力を暗示した意味深い話なのだそうだ。
 昔の人が、童話の中に密かに教訓を織り込んだ知恵に感心する。

          待  つ

 あの世界的大打者・王貞治はプロになってから二十六打席ノーヒットだった。そして打った二十七打席目の初ヒットがホームランだったが、最初一年目の打率は一割台だった。

 ”巨人軍は永遠に不滅です”の、あの長嶋茂雄のプロ入り初打席は、金田投手に対して四打席、四・三振。十九球のうちバットに当たったのは、よけたバットのファール一本だけだったそうだ。

          葷  酒

 お寺の入り口に「不許葷酒入山門」”葷酒山門に入るを許さず”・・・と彫りこんだ石標が立ててある。
 酒を提げてきた坊主がこれを見て立ち止まり「ナニ?、葷は許さず、酒は山門に入る」・・・か、とつぶやきながら堂々と中に入って行った。
 次に酒と肴を提げてきた坊主は、これを見て「許さずとも、葷酒山門に入る」と読みながら中に入って行ったそうな。

(90・H・2・3)