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悲しき酒(片々草抜粋)

 

 

 

 

 

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02-Jan-2013

Y ・ M 様

 拝啓 五月も末になり、こちらはもう初夏の彩りです。信玄ゆかりの川中島は如何でしょうか?。いつも片々草励ましのお手紙を有難うございます。
「片々草は、毎月どのようにして出来上がるのか?」とのお手紙・・・思いつくままに、片々草・片ぺんを書いてみたいと思います。

 今朝の新聞で、昨日亡くなられ前検事総長・伊藤栄樹さんが、 ”今年の仲秋の名月は見られないだろう・・・”と、自分の死期を悟りながら、病院へワープロを持ち込んで「秋霜烈日」という回顧録を書かれた。・・・という記事を読んで感激し、そうだ、今時ワープロくらいこなせなければ・・・と、今月から一念発起・ワープロで原稿を打つことにしました。これだと、下手な字に劣等感を持つこともありませんしーーー。

 さて、その原稿ですが、いつもスリーラインの枠にあわせて、十七字詰めで二十行が一ページ。それを五枚・・・というのが制限です。
 それで毎月、内容もさることながら、その内容をこの枠の中に、長すぎず短すぎず、ぴったり収めるのに意外と苦労します。

 ”片々草、よく続きますね”・・・と、内容のことより、ただ続いていることに感心されてがっかりしたりしますが、加藤芳郎さんが、新聞漫画・連載一万回記念の祝賀会で、”毎日・毎日大変でしょう”と言われて、”毎日続けているからこそ出来るんです”と答えていましたが、この片々草も ”書けた時でいいですよ。”では、ずぼらな土筆生のこと、とても続きません。やはり、 ”こんなものでも、毎月楽しみにして、待っていて下さる方がおられるのだ”という一種の義務感がここまで続けさせてきたのだと思います。

 もっとも、苦し紛れに頁をただ埋めて過ごしたこともありますが、野球だって三割打てれば大打者・・・と、力まないで、そこらあたりは ”九州生まれのO型”の得なところ、ヨカ・ヨカとあまり考え込まないで、割合楽に過ごしています。何はともあれ、自分の考えたことの軌跡がこうして毎月活字になって残っていくことに感謝しています。

 この片々草で有り難いのは、誰を対象に、どんなことを書くように・・・といった制限が無く、何でも自由に書かせてもらえることです。・・・と言うわけで、時にいい気分で ”脱線転覆!”するのはご承知とおりですが、そこらあたりも、またヨカ・ヨカ・・・と勝手に自分で自分を許して、とにかく前に進むことにしています。

 さて、本文ですが,文章を書くための構想を練るのに、昔は ”馬上・枕上・厠上ーーー”などと申しましたが、土筆生の場合、読んだ本の中から、これは片々草用にということではなく、面白いなーと思ったところをルーズリーフに抜粋しておきます。例えば ”牛乳を飲む人より、牛乳を配達する人の方が健康だ”。”人の一生は、鎖につながれて、死刑を待つ囚人の行列と同じだ。(パスカル)”といったようなものです。

 これらのものが片々草の材料になることもありますが、一番のヒントになるのは、やはり普段の生活の中でみたり聞いたりしたこと、特に酒間談笑の会話の中にいろんな教訓?がかくれているようです。
 これらを帰りの電車の中や、朝がた酔い醒めにぽっかり目があいたりした時に反芻しながら、三題話みたいにメモっておきます。例えば、先月号でいえばーーー結婚式ー雨ー縁起。考え方ープラスーマイナスと言った風に・・・。

 ”文章とはアメの如きものなり”。(伸ばせばいくらでも伸びる)といったのは,確か夏目漱石だったと思いますが、だらだらと、その見本みたいな文になってしまいました。悪しからずお許しください。
 あなたのS・Sが、ますます繁盛されますように陰ながら祈っております。
敬 具
    長野県 Y・M様
土筆生 拝
(
                            (63・7)