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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

アプリケーション・ノート#18
バイオ・化粧品:タミフルのハンセン溶解度パラメータ(HSP):H1N1の抗ウイルス薬の溶解度パラメータをまとめてみた。これらの抗ウイルス薬が、もしウイルスの特定部位に溶解しやすいから何かしらの作用を与えているのなら、意外にも多様性は低いようだ。HSPが似たものは似た溶解性を示す。逆も真なりで、薬剤耐性を持ったウイルスは、似たようなHSPをもつ薬剤にはやはり耐性を持つ?? こうした抗ウイルス薬と同じHSPを持つ化合物をデータベースから探してみた。

2010.2.1

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

タミフルの溶解度パラメータ
先日、ChemSpiderのHPを見ていると、H1N1の抗ウイルス薬が4化合物ほどトップページにあった。(このChemSpiderは化合物のSmilesをゲットする時など重宝するサイトだ。)

非常に興味深かったのでこれらの化合物のハンセン溶解度パラメータ(HSP)を計算してみた。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。


タミフル ザナミビル(リレンザ):第一三共   ペラミビル:塩野義

ハンセンの溶解度パラメータは蒸発潜熱に基づくエネルギーを、dD(分散項)、dP(分極項)、dH(水素結合項)に分解し、それを3次元ベクトルとして捉え、このベクトルが似たものは、似たものを溶解するという理論である。
Hansenの言葉によれば、"Like Seeks Like" (似たものは似たものを探す)である。

分子の構造をSmilesの式で書き、テキストフィールドに入れてBreakすると分子を構成する官能基に分解し、その化合物のHSPを計算する。

Smilesの構造式

分子の水素は書かずに重原子の元素記号だけ線形に表記する。
有機化学用のC, N, O, P, S, F, Br, Cl, Iは角括弧は省略。他の原子には[]をつける。
枝分かれは()を使う。
2重結合は=,3重結合は#で表す。
環状構造は環の結合を一つ切りその両端に1以上の同じ数字をつける。
PirikaのSmiles構造式を得るJAVAアプレットはこちらから
分子の描画によってSmilesの構造式を得るDraw2SmilesがHSPiP Ver.4 パワーツールに搭載されました。

開発バージョンのHSPDV3beta3を使った所、テーブルのような結果になった。 
(Ver.3に搭載されました。)

結果を纏めると下の表のようになった。

dD dP dH Volume
1 16.7 7 10 287
2 18.1 10.1 18 220.9
3 17.6 10.4 15.8 249.4
4 17.2 8.3 12.8 270.7
Average 17.4 8.95 14.15 257

自分は薬学に対する知識は正直余り無い。
従ってタミフル(Tamiflu)がどのようにウイルスに作用するかは知らない。
しかし、ウイルスには目も、耳も、鼻も無い。
そこで単純な指標"Like Seeks Like" (似たものは似たものを探す)を使ってみる事にする。上記のHSPを見る限り、1と4、つまり、タミフルと ペラミビルのHSPはかなり近いと言える。また、2と3も非常に似ている。

2011.4.25

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

 

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)がどのくらい離れていたら、似ていなくて、どのくらいなら似ているのかは初心者には判断が付きにくいだろう。もし、iPadやHTML5対応のブラウザー(Chrome, Safari, FireFox4など)でこのページをご覧であるなら、上にキャンバスが現れるだろう。 溶媒をクリックすれば溶媒の名前が現れる。溶媒はHansen博士が最も広くHSP空間にちらばるように選定した85溶媒を3次元にプロットしてある。その一番広い空間上に目的の化合物がどこにプロットされるかで判断してほしい。

 

http://www.thedailystar.net/newDesign/swine_flu/news7.php

つまり、似たベクトルのものは一緒に居たがっている。
そうだとした場合、4つの抗ウイルス薬のHSPは
dD=16.7〜18.1
dP=7〜10.4
dH=10〜18
の範囲に入るので、HSPのデータベース(約10000化合物)から、この範囲に入る化合物を検索してみた。

全部で93化合物が候補としてあがった。
構造は全く違うが、溶解度は似ていると我々は信じている。

ハンセンの溶解球

ある溶質を溶解する溶媒と、溶解しない溶媒のハンセンの溶解度パラメータを3次元空間(ハンセン空間、HSP空間)にプロットすると、溶解する溶媒は似たところに集まっている。そして、その集まっている溶媒はハンセンの溶解球と呼ばれる球を構成する。

その球の中心を溶質の溶解度パラメータと定める。球の半径を相互作用半径(R0)と呼び、半径が長いものは多くの溶媒に溶けやすく、半径の短いものは溶かす溶媒が少ない。溶解球が2個あるとして解析を行うDouble Spheresという拡張機能がV3.1.xから搭載された。

Pirikaの溶解球を見る、HTML5のアプレットはこちら。
このSphereを見るHTML5のプログラム、SphereViewerがHSPiP ver. 4からパワーツールとして提供されている。

つまり、上でいう溶解球の中心がウイルスのレセプターのHSPに近いという考え方だ。そして、レセプターのHSPに近い化合物はレセプターに溶けこんでくる。この場合の近いというのはHSP距離のことで、これは以下の式で計算する。

HSP距離

HSP distance(Ra)={4*(dD1-dD2)2 + (dP1-dP2)2 +(dH1-dH2)2 }0.5

どんな化合物が候補として出てくるのかはHSPiPを実際に購入して試してもらうことにして、いくつかの例を示そうと思う。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

このHSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

 

候補の1番目はカプサイシンだ。


Hcode 17337 ChemSpider ID 1265957
dD=17.6, dP=7.6, dH=10.9, Volume=290.6

脂溶性の無色の結晶で、アルコールには溶けやすいが冷水にはほとんど溶けない。摂取すると受容体活性化チャネルのひとつであるTRPV1を刺激し、実際に温度が上昇しないものの激しい発熱感をひきおこす。この機構はメントールによる冷刺激と同様である。また、痛覚神経を刺激し、局所刺激作用あるいは辛味を感じさせる。体内に吸収されたカプサイシンは、脳に運ばれて内臓感覚神経に働き、副腎のアドレナリンの分泌を活発にさせ、発汗及び強心作用を促す。(WikiPedia)

自分の家族は全員インフルエンザにかかった。しかし自分だけはとうとうかからなかった。
自分は辛いものが大好きで、庭で唐辛子を育て、ラー油やタバスコを作って食べている。もし、そんな統計があるなら、家族がインフルエンザにかかって本人だけがかからなかった人に、唐辛子の消費量を聞いてみたいものだ。

 

候補の2番目は香料に使われる化合物だ。

Hcode 17034  ChemSpider ID 82714
dD=17.4, dP=8.1, dH=10.2, Volume 211.4

ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド(Hydroxymethylpentylcyclohexenecarboxaldehyde)は合成香料の一つで、Lyral, Kovanol, Mugonal, Landolalの名称で販売されている。ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒドは、石鹸、香水、アフターシェーブローション、そして制汗剤に含まれている。(WikiPedia)

このにおいが好きな人とそうでない人で、感染率に差があるのだろうか?

 

3番目の候補はまだまともだ。

Hcode 21360  ChemSpider ID 9085
dD=18, dP=8.4, dH=12.8, Volume 162.2

塩酸エフェドリンは、交感神経興奮効果を利用した様々な用途に使われている。現在では、主に感冒薬(風邪薬)を中心として、薬効をよりマイルドとした誘導体である dl-塩酸メチルエフェドリンが、気管支拡張剤として使用されている。(WikiPedia) これは漢方薬で風邪に使われる。Ephedra herba(麻黄)から抽出されるらしい。
中国での感染率と死亡率はどうなんだろう?

 

最後の候補は、ほうれん草やにんにく、グリーンピースに含まれるという化合物だ。

Hcode 21272  ChemSpider ID 853
dD=17.2, dP=9, dH=13.3,  Volume 125.8

メチオニン(methionine, メサイオニン)は必須アミノ酸のひとつで、側鎖に硫黄を含んだ疎水性のアミノ酸である。血液中のコレステロール値を下げ、活性酸素を取り除く作用がある。ピルビン酸へと代謝する経路が存在するため、糖原性をもつ。(WikiPedia)
この食材をよく食べる人はどうなんだろう?

 

ChemSpiderにも類似化合物を検索する機能はついている。しかし、これは官能基の種類と数によるもので、HSPiPの多様性は非常に興味深い。

 

 

最近の新聞にでていたが、ネギも効くらしい。
ネギに含まれる成分の一覧は無いのだろうか?計算してみたら良いと思う。
(HSPiPの最新版は、今日現在まだ、version 2 updateなので計算結果、データベースサーチは同じになりません。)

もしかしたら、HSPがパンデミックを救うなんて事になったら面白いのに!

http://organicooking.blog68.fc2.com/blog-entry-5.html

ネットを見ていたら,こんな構造もいいらしい。
T-705の溶解度パラメータ知りたくないだろうか??

第一三共のCS-8958の事が新聞に載っていた。(2010.2.27)
この構造はこういうものらしい。なんだ ザナミビル(リレンザ) にエステル,エーテルつけたのか。確かにもとの構造はdHが18と大きすぎる。一つエステルでつぶし,ひとつエーテルでつぶしたのか。HSPはタミフルに近づくに違いない。新聞によると,タミフルの耐性ウイルスが出た時に,多様性のある薬をもつ事は重要だとか書いてあった。でも,CS-8958のHSPがタミフルに近づいてしまったら,タミフルの耐性ウイルスはやっぱそれは嫌いなんじゃないか? "Like seeks like" は逆も真なりで,結果が楽しみだ。

講談社の「分子レベルで見た薬の働き」平山令明著を読んだ。タミフルとはずいぶん細かい設計をしたもんだと思う。ここまでぎちぎちに設計してしまうと多様性が無くなってしまう。(皆似たような構造に落ち着く。)全く新しいリード化合物を探すならHSPぐらいがいいように思える。

Chem-Station の記事より

 

(4月12日)今日は新聞の休刊日。ネットで新聞(朝日)を見ていたら、帝京大医学部の新見正則・准教授が補中益気湯がインフルエンザの予防に役立つという記事が載っていた。
これはある病院の職員358人の半数に補中益気湯を飲んでもらい、残り半数は飲まなかった。8週間後までに飲まなかった人が7人新型インフルエンザにかかり、飲んだ人でかかった人は1人だけだったそうだ。これは、まさに、カプサイシン、麻黄とかメチオニンを飲んだらどうなるか?自分が知りたかった事を地でやってくれたようなものだ。
あながちむちゃくちゃではない証拠にちゃんとした医者でもこういうことする人が居るので安心した。

どんな構造なのか調べたら、カンゾウ由来のGlycyrrhizic acidやチンピ由来のHesperidinが効くらしい。Hesperidinとカプサイシンの構造を比べてみてほしい。

HesperidinのHSPは配糖体の部分をMeエーテルで計算すると、[19.2, 8.4, 15.5]になる。これは塩野義の ペラミビルに非常に近い。
エフェドリンやメチオニンにも非常に近い。
もし左側のフェノール性の水酸基が無ければ、[19.5, 9.0, 11.8]ならもっと近い。

 

ツムラのHPでこんな発表もある。麻黄は体を温めるのでいいとある。暖めるに関してはこちら
それならカプシエイトを飲んだ人の新型インフルエンザの感染率も知りたくなる。
漢方薬のHSPも面白いものだ。

Glycyrrhizic acidは興味があれば自分で計算してみてください。

こうした医薬品の設計にはlogPの値が欠かせない。興味があればlogPの記事も参照

 

2010.9.23

国立感染症研究所の発表で,タミフルに耐性をもつものは,ペラミビルにも耐性をもつ事が明らかになった。タミフルが[16.7, 7, 10] ペラミビルは[17.2, 8.3, 12.8]だからこの2つは非常に近い。だが,タミフル耐性菌はリレンザ[18.1, 10.1, 18]には耐性をもたない。これは距離が遠い。CS8958はリレンザの構造にエステルをつけた物だ。従って構造的にはリレンザに近いが,HSP的にはタミフルに近い。 タミフルに耐性をもつウイルスがCS8958にも耐性をもつなら,HSPが効いているという論拠につながる??面白くなってきた。

何故だか知らないが,日本の製薬メーカーはHSPに興味を持たない。(日本の製薬メーカーの購入実績は無い。)まー、どこが購入しても、購入は購入。西欧の製薬メーカーが興味を持って、HSPiPを購入して、いい薬を作って、世界中に輸出してくれればそれでOKだ。さー,いそがしくなるぞ。HSPの推算ルーチンがver. 3.1で大きく変わるからな。計算結果次第で開発方向を左右してしまう。責任重大だ。

 

HSPiPの使い方その3:反応の副生成物を抽出除去する溶媒を探索する。使い方が分かりづらいというユーザーにハンズ・オンで説明した。その説明の改訂版。

豚は鳥インフルエンザにも人間のインフルエンザにも感染する。
そして、強毒性のインフルエンザが豚の体内でできあがって、それを蚊が媒介するかもしれないと言われている。蚊を家畜に近づけない為には

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