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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

アプリケーション・ノート#7
HSP応用FFEYMB:ハンセン溶解度パラメータ(HSP)とオクタノール/水分配係数(logP, logKow):医薬品や界面活性剤、リポソーム、いろいろなところでlogPの値が使われている。生体脂質と水で化学品がどう分配するかを知る上で重要な指標だ。しかし、この値は、あくまでも比率で、100/100でも0.01/0.01でも同じ値になってしまう。分子設計が必要ならlogPに加え、ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を併用することの重要さを説明する

2010.5.31

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

logP, logKow推算に関するまとめをこちらに置いたので参照してください。(2012.1.17)

この記事の詳しい内容は化学工業2011年1月号を参照ください。ここには抜粋のみ置きます。

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)はある化合物が溶媒へどのくらい溶解するかを表す指標です。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

それに対して、医薬品などでは、LogP, logKow (オクタノール/水分配係数) が重要な指標になっています。体の脂質へ体の外(水)から医薬品がどのくらい分配するかが重要だからでしょう。
このlogPをHSPを使って理解しようと言う試みは昔からされてきました。

イメージ的には上の図に示すように,ある化合物のHSPのベクトルがオクタノールに近いか,水に近いかで分配係数を予測できないかというものです。ところが,いろいろなQSPRのモデルを作って検討を繰り返したのですが,全て失敗していました。

HSPでは、HSP距離を使って、この距離が短ければ良く溶解する。長ければ溶解しないという、”似たベクトルは似たベクトルを溶解する”という原理を使います。

HSP距離

HSP distance(Ra)={4*(dD1-dD2)2 + (dP1-dP2)2 +(dH1-dH2)2 }0.5

ここでは,このlogPについて詳細に検討しました。

まず,官能基を持たない炭化水素化合物のlogPとHSPの値を取り出しました。
tot HSP = sqrt(dD^2 + dP^2 + dH^2) (ベクトルの長さ)
官能基を持たない場合,dP(分極項),dH(水素結合項)は,ほとんどの場合0ですので,totHSPはdD(分散項)そのものになります。
これとlogPをプロットしたのが上の図になります。

この結果から,logPが大きくなってもtotHSPはほとんど変わらない。
環状の化合物のdDは鎖状の化合物のHSPより少し大きくなる。
大きな分子のlogPは大きな値になる。
事が判ります。

そして,このデータを基にQSPRモデルを作ろうとしました。あまり精度はあがらないのですが,そのモデルを詳しく見ると,HSPの分子体積が重要な役割をしている事がわかりました。
この検討の際,たまたまなのですが,エクセルのファイル上でグラフを書いている時に,logPとHSPで使われるVolumeをプロットしました。

すると,実に美しい相関関係がありました。

そこで他の化合物についても調べてみました。

まず最初に,ハロゲン含有の化合物をHSPiPのデータベースから取り出しました。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

そのlogPと分子体積をハイドロカーボンのlogPに重ね書きして見ると見事に一致しました。
分子体積は, F<Cl<Br<I の順に大きくなります。
しかし,こうしたハロゲン原子がlogPに及ぼす影響など全く考慮する必要は無いのです。単に分子体積だけに依存しているのです。これは自分らのようにHSPをやっている立場から考えると非常に不思議です。しかしlogPに関してはそうなのです。

次に芳香族の化合物を取り出してきて,そのlogPとHSPをプロットして見ると,やはりこれもきれいに炭化水素の線の上に乗りました。

硫黄を持つ化合物の場合には,チオールになると炭化水素の線よりわずかに上に平行移動し,チオエーテルの場合さらに少しだけ上に平行移動します。

含酸素化合物の場合,炭化水素よりも上に平行な直線になりますが,平行移動の量はアルコール,エーテル,ケトン,アルデヒドでどれも同じ値になります。この結果も思いもしなかった結果です。
最初我々はアルコールの線はエーテルの線より上に行くと考えていました。アルコールは水溶性で,エーテルは油溶性という頭があったからです。ところが,アルコールは水にも溶けやすいが,その分オクタノールにも溶けやすく,結果として分配比率で見た時には同じになってしまうのです。
そして,直線が平行ということは,アルコール,エーテル,ケトン,アルデヒドは酸素一つあたりHSP体積を約60減らしていると考えると直線は皆同じになります。

カルボン酸,カーボネート,エステル,含窒素化合物についても全く同様な結果になります。

中略

そこで,体積に加え,官能基特有の一つあたりどれだけ体積を減らして考えればいいかを重回帰法で求めてプロットしてみると,上の図のように非常にきれいな相関式が得られます。これを計算するのに必要なのは単に分子体積と官能基の種類と個数だけです。

そこで、logPは原子団の数を使えば原子団寄与法で推算が可能になります。そこでclogPとかいろいろなソフトが市販されています。このPirikaでも、古いJAVAのアプレットですが公開しています。(古いソフトなので動かなかったらごめんなさい。Macでは動いています。フィードバックを頂けたら嬉しいです。)

2011.6.20

iOSマシンでも動くように、HTML5+CSS+JavaScriptで書きなおした、logPの計算ソフトはこちらから。

 

これは何を意味しているのかと言うと,例えば膜の透過を考えた場合,見かけ上同じ大きさの分子でも,ヘテロ原子を入れる事によって体積の低下が起きているのと同じ効果をもたらすと言うことです。そこでこれまで,膜透過現象などにlogPの値が使われてきたのでしょう。
ただしこれが成立するのは膜材が一定である場合です。膜材の疎水性が変わったりすれば,同じ効果は期待できません。

このように,logPは単なる体積を示す尺度で溶解性を示す尺度ではないのでHSPから推算しようというのは無理があったという結論になります。

もし,logPでは説明できない,"溶解に関する"指標が必要ならHSPを試してみるのもいいでしょう。

最近のlogPの値はHPLCから測定されているという話を聞きました。ODSのカラムを使って、既知のlogPの化合物のリテンションタイムではさみうちにして、logPを決めるというやり方です。HSPを使ったHPLCのリテンションタイムは次のように説明されています。

HPLC & logP (OECD Guidelines for the testing of Chemicals)

クロマトグラフィー

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、3次元のHSPベクトルの類似度で、溶解性を評価します。例えば下の図で、溶質(オレンジ)のベクトルが、有機溶媒のHSPベクトル(青)と水のHSPベクトル(黄色)とどちらに近いかをHSP距離で評価します。HPLCのシミュレーションは、これが横に長くなり、液液抽出が連続的に繰り返されていると考えます。

そこで、溶質のHSPベクトル(オレンジ)が有機相のHSPベクトル(青)に近い場合、なかなか出てこない、つまりリテンションタイムが長くなると判断し、逆に、水のHSPベクトル(黄色)に近い場合、保持時間は短くなると判断します。ここで行うシミュレーションは有機層がオクタデカンとしているので、HPLCカラムとしては、ODSカラム相当になります。また、これまでの検討で、分子の体積の補正が有効であることが解っています。

PirikaのHPLC用混合溶媒を設計するJAVAアプレットのデモ、HPLCDemoはこちら。
HPLC用のパワーツール+はこちらから

原子団寄与法で計算するlogPとHPLCのリテンションタイムの推算値、両方を統一的に扱っているソフトはHSPiPだけだと思います。

HSPiPには分子を原子団に分割し、様々な物性推算を行う機能、Y−MBが搭載されています。
Version 3.1 では5689化合物のlogPの実験値に対して、上図で示す推算性能の式が搭載されています。Smilesの式を入力するだけで予測値が得られるので、logPの値が必要な方は利用してみてください。

Smilesの構造式

分子の水素は書かずに重原子の元素記号だけ線形に表記する。
有機化学用のC, N, O, P, S, F, Br, Cl, Iは角括弧は省略。他の原子には[]をつける。
枝分かれは()を使う。
2重結合は=,3重結合は#で表す。
環状構造は環の結合を一つ切りその両端に1以上の同じ数字をつける。
PirikaのSmiles構造式を得るJAVAアプレットはこちらから
分子の描画によってSmilesの構造式を得るDraw2SmilesがHSPiP Ver.4 パワーツールに搭載されました。

新バージョンのパフォーマンスを環境ホルモンの化合物で試してみた
結果はこちらを参照してください。

最新の研究はPowerToolsで紹介している。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみて欲しい。

対応するブラウザーをお使いなら、上のキャンバスに分子を複数描けばlogPがどのくらいかを得る事ができる。詳しい分子の描き方はPowerToolsのSmilesを参照して頂きたい。 他の原子を使う、原子数の制限をあげたバージョンは要望があれば考えよう。

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