アプリケーション・ノート#23
HSP基礎:HSPiPのデータベース:Ver.2
からVer.3で、データベースに搭載の物性値の種類、搭載件数がどう変わったかを示しておく。ここで収録件数が多い物性値については徐々に推算精度も向上していっている。また、ここに無い物性値を扱いたいならHSPiPは不適切だ。購入前の参考にしていただきたい。
2010.3.21
HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志
HSPiPのversion 2では、およそ1200化合物から物性推算の推算式を構築した。V.3のHSPiPには10,000近くの化合物が登録されている。
HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。 概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22) |
化合物の増加に伴い、官能基の定義をV2から一部変更した。(V3.0.xからV.3.1.xでは官能基の定義に変更はない。)
V2 | V3 | |
HSP | 1211 | 1512 |
Volume | 1210 | 2567 |
Boiling Point | 1001 | 6938 |
Density | 966 | 8010 |
Melting Point | 921 | 7034 |
Refractive Index | 845 | 8368 |
Surface Tension | 647 | 2037 |
Dipole moment | 613 | 1849 |
Hildebrand SP | 650 | 2103 |
Heat of Vaporization | 421 | 1207 |
Dielectric Constant | 540 | 1399 |
Heat of Fusion | 536 | 1395 |
Antoine constant | 674 | 5359 |
Critical temperature | 490 | 1354 |
Critical Pressure | 472 | 1297 |
Critical Volume | 395 | 1036 |
logP | 801 | 5655 |
Solubility to Water | 740 | 4426 |
Reactivity of OH radical | 380 | 708 |
MIR | 309 | 602 |
Flash Point | 856 | 5247 |
Heat of Formation | 1185 | 2637 |
Bio Concentration Factor | 638 | |
LogKoc | 595 | |
Henrry constant | 684 | |
Thermal Expansion | 572 |
他の物性に興味が有る場合にはご連絡いただきたい。(V.3.1.xでは、ユーザーの求めに従ってRERのデータが付け加わった。)
対応するブラウザーをお使いなら、上のキャンバスに分子を描けばRERを得る事ができる。詳しい使い方はPowerToolsのSmilesを参照して頂きたい。 他の原子を使いたいという要望が多ければ考えます。
V3.1.Xではデータ数には大きな変更は無かった。ポリマー関連のデータ収集と気液平衡関連の2成分系のデータ収集が現在精力的に行われている。
一度、物性推算式が構築されると、推算値も含めた分子の探索を大きなDBに対して行うことができる。
例えばFind Moleculesのメニューで、アレルゲンのHSPを入れて探索を行うと、Ver.2では3化合物しか出てこないが、V3では44化合物Hitする。
ここでは、他のオプションとして、沸点の範囲や、官能基の種類や数を指定できる。
2012.8.3
HSPと化学工学という記事をアップしました。どうデータを集め、どう解析しているのかを紹介しています。
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