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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

アプリケーション・ノート#65
ポリマー:ハンセン溶解度パラメータ(HSP)と固有粘度:Mark-Houwink parametersの値を収集した。このパラメータとHSPの関係を検討した。ポリマー溶液の粘度は、接着剤に使う場合、インクジェットのインクに使う場合、ポリマー膜のキャスト溶媒、化学工学上のプロセスデータなどに非常に重要な物性値である。これが構造のみから予測できると応用は広がる。

2010.12.13

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

Mark-Houwink parameters(WikiPedia) の値を収集してデータベースを作成した。

このパラメータを使うとポリマー溶液の固有粘度が計算できる。
[η] = KMa
そこで、Kの値、aの値と溶媒の種類、使える分子量の範囲、測定温度を様々なポリマーについて集めてみた。
このaの値は、
シーター溶媒(Theta Solvent)の時には0.5になる。
典型的な良溶媒では0.8、フレキシブルな高分子では0.5から0.8の間、剛直になると0.8以上になるとされている。
このデータを集めている時にたまたま、Kとaの関係を調べてみた。

ポリスチレンの例で示そう。
データ数、121のKとaの値を33種類の溶媒について集めた。
(測定温度と式の使える分子量範囲は系によって異なる。)
そしてそれをプロットしてみると下のようなグラフが得られた。

数点、(特に分子量のとても小さな系や、測定温度がとても高いデータポイントなどで)おかしな点もあるが、とてもきれいな相関が得られた。
つまり、分子量がある程度大きな、ちゃんと溶解している高分子溶液なら溶媒の種類、測定温度に依存しないでKの値はaの値から推算することができるという事をこの図は示している。

そして、これはポリスチレンに限った事ではない。

Ethylcellulose Poly(methyl acrylate)

Polycarbonate Poly(methylphenylsiloxane)

Poly(vinyl acetate) Polyacrylamide

多くのポリマーと溶媒の組み合わせでKとaには同じような関係がある事が分かる。
温度の効果を見てみると、温度が高くなると、aの値が少しだけ大きくなる事が下の表から解る。
しかし、温度の効果は余大きくない。

Solvents Temperature C MW 10^-4 MW 10^-4 K 10^3 a
Carbon tetrachloride 10 1.8 180 12.6 0.717
Carbon tetrachloride 20 1.8 180 12 0.72
Carbon tetrachloride 30 1.8 180 11.4 0.724
Carbon tetrachloride 40 1.8 180 11.2 0.725
Carbon tetrachloride 50 1.8 180 11 0.726

 

次にポリスチレンのHSPと溶媒のHSP距離を、aの値とプロットしてみた。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

HSP距離

HSP distance(Ra)={4*(dD1-dD2)2 + (dP1-dP2)2 +(dH1-dH2)2 }0.5

HSP距離が短くなると、aの値が大きくなる事が上の図から解る。
もともと、HSP距離がSphereの半径8よりも短い場合には、その溶媒はポリスチレンの良溶媒である事が分かっている。そして、その相互作用半径8ぐらいの溶媒は、溶解するかしないか境界になるので、 theta solvent (“a” =0.5)の時に、HSP距離が8になるのは非常に理解しやすい。
そして、HSP距離がさらに短い(良溶媒になる)につれ、ポリマー鎖は大きく広がって、粘度が高くなるのでこのような相関は非常にリーズナブルであると言える。

実際にどの溶媒がハンセン空間上でどの位置に来るか見てみよう。

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

もしiPadやChrome、Safari (iPad/iPhoneのMobile Safari)、FireFox4などのHTML5対応のブラウザーをお使いなら、上にキャンバスが現れるだろう。 溶媒をクリックすれば溶媒の名前が現れる。赤い球がスチレンをよく溶解する溶媒。青い球があまりよく溶解しない溶媒だ。大きな球はポリスチレンを表している。緑色と水色、黄色はスチレンのSphereの半径を8,6,4と変えたものだ。粘度を測定する以上全く溶かさない溶媒は入っていない。HSP距離が8に入るような溶媒(theta Solvent)がどんな物かが判るだろう。中心に近い溶媒はよく溶解して粘度が高くなる。

そこで、全く未試験の溶媒や混合溶媒であっても、HSP距離を計算すれば、おおよそのaの値は得る事ができる。そしてaの値が手に入れば、最初の図からKの値が手に入り、固有粘度が予測できる。

ポリマー溶液の粘度は、接着剤に使う場合、インクジェットのインクに使う場合、ポリマー膜のキャスト溶媒、化学工学上のプロセスデータなどに非常に重要な物性値である。
これがポリマーと溶媒のHSP値から予測できる事は非常なメリットであると言える。

HSPiPのver. 3.1.xから定量的なSphere探索ルーチンが搭載された。通常はポリマーの溶解度(g/100ml溶媒)の値を用いて定量的な計算を行うルーチンだが、このaの値を用いてポリスチレンのHSPを決める事もできる。試しに計算してみた所、ポリスチレンのHSPは[18.1, 3.8, 4.0]となった。
aの値をHSP距離で再現したい場合にはこちらの値を使えば、最も再現性が高くなる。

2012.1.9

ニトロセルロース、酢酸セルロースの溶媒設計を自分でやってみよう(DIY)で解説した。それにはこの固有粘度の定量的解析が必要になる。環境問題、シックハウス原因物質について のページを参照してください。

最新の研究はPowerToolsのプログラムで紹介している。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみて欲しい。

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