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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

アプリケーション・ノート#63
ポリマー:ニトリル・ブタジエンゴム(NBR)の膨潤性とハンセン溶解度パラメータ(HSP):ニトリルブタジエンゴム(NBR)は主な用途として、オイルや燃料油等に接触する部品として ホース、ガスケット、オイルシール、その他に 製紙ロール、履き物、樹脂改質剤、接着剤などとして使われる。耐油性が極めて優秀であり、加工性が良く、機械的強度も高い。耐油性も高い事から、自動車産業にも無くてはならないゴムである。このNBRゴムの耐溶剤性のデータを入手したのでHSPを決めなおし、混合溶媒に対する耐久性を検討した。またこのゴムに対する可塑剤を溶解度パラメータと分子の大きさから再評価した。

2010.11.16

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

ニトリルブタジエンゴム(NBR)は主な用途として、オイルや燃料油等に接触する部品として ホース、ガスケット、オイルシール、その他に 製紙ロール、履き物、樹脂改質剤、接着剤などとして使われる。耐油性が極めて優秀であり、加工性が良く、機械的強度も高い。
耐油性も高い事から、自動車産業にも無くてはならないゴムである。

2011.4.22
アクリロニトリルとブタジエンをラジカル重合するとどのようなシーケンスのポリマーができるだろうか? 仕込みの組成を変えて試してみて欲しい。この重合は温度が高すぎると、ポリマー中の2重結合が反応し、ゲル化する難しい重合だ。

Acetonitrile mol%
Butadiene mol%



もしラジカル重合に興味が有るのであれば、 Pirika -2005 polymer (JAVAバージョン)かPirika 2011- HTML5 バージョンを御覧ください。

 

No dD dP dH Radius  
382 19.8 17.8 3.2 19 Chemical Resistance of Elastomers
31 18.62 8.78 4.17 9.62 Hycar 1052(BF goodrich chemical co.)

このゴムの溶解性パラメータはHSPiPのデータベースの中にもあり、上のように定められている。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

dPの値や、相互作用半径が大きく異なるのは、ゴムの種類が異なる事、測定法が異なる為である。信頼性の評価はNo.382で2、No.31で1なので、HSPは[18.62, 8.78, 4.12] 相互作用半径R0=9.62が推奨値になる。

ハンセンの溶解球

ある溶質を溶解する溶媒と、溶解しない溶媒のハンセンの溶解度パラメータを3次元空間(ハンセン空間、HSP空間)にプロットすると、溶解する溶媒は似たところに集まっている。そして、その集まっている溶媒はハンセンの溶解球と呼ばれる球を構成する。

その球の中心を溶質の溶解度パラメータと定める。球の半径を相互作用半径(R0)と呼び、半径が長いものは多くの溶媒に溶けやすく、半径の短いものは溶かす溶媒が少ない。溶解球が2個あるとして解析を行うDouble Spheresという拡張機能がV3.1.xから搭載された。

Pirikaの溶解球を見る、HTML5のアプレットはこちら。
このSphereを見るHTML5のプログラム、SphereViewerがHSPiP ver. 4からパワーツールとして提供されている。


今回、新たにデータを収集してハンセンの溶解度パラメータを決定しなおしてみた。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。


データのもとは、パッキンランドというホームページから取って来た。また華揚物産のHPにも似たようなテーブルがあり、両方を合わせて解析用のデータとした。
総数200を超える溶媒に対する溶解性(膨潤性)のデータが得られたが、両者で異なる評価となった溶媒を除いて、以下のようなテーブルをまず用意する。

Hcode Name dD dP dH Vol Score
552 1-pentanol 15.90 5.90 13.90 108.60 0
1156 oxalic acid 17.00 17.00 26.00 61.50 0
1089 2,4,6-Trinitrophenol 19.20 7.00 12.96 130.00 0
92 butanol 16.00 5.70 15.80 92.00 0
569 propyl alcohol 16.00 6.80 17.40 75.10 0
375 2-butoxyethanol 16.00 5.10 12.30 131.80 0
236 dichlorodifluoromethane 14.90 2.00 0.00 81.30 0
7334 linoleic acid 16.24 3.05 5.10 311.16 0
3 acetamide 17.30 18.70 17.00 59.00 0
5355 2-methylheptane 15.09 0.90 2.33 162.68 0
443 diisopropyl ether 15.76 3.20 3.20 135.80 0
326 monoethanolamine 16.80 6.80 20.00 60.30 0
368 ethylene glycol 17.00 11.00 26.00 55.90 0
-
-
-
-
450 mesityl oxide 16.40 7.20 5.00 115.20 1
454 methacrylic acid 15.80 2.80 12.00 85.30 1
53 resorcinol 18.60 8.10 20.30 95.60 1
54 benzoic acid 20.00 6.90 10.80 112.40 1
442 Isopropyl Chloride 15.00 8.00 2.00 91.70 1
683 vinyl chloride 16.00 6.50 2.40 64.70 1
71 bromobenzene 19.20 5.50 4.10 105.60 1
334 bromoethane 16.50 8.40 2.30 74.60 1
237 1,1-dichloroethane 16.50 7.80 3.00 84.70 1

評価が○◎(A,B)のものをScore=0,  △X(D,E)のものをScore=1とした。
評価がCのものは取り敢えず除外した。

652 CFC-113 ×A
650 trichlorofluoromethane ×B
219 dibutyl ether △ C
169 m-cresol △×C
129 chloroacetic acid △×C A
603 octadecanoic acid ○ D
255 diethyl ether ○ E C
615 tetrachloroethylene ○△
234 o-dichlorobenzene ○△ C
120 carbon disulfide ○△C
618 1,2,3,4-tetrahydronaphthalene ○△D
456 methyl alcohol ○C
7032 maleic acid ○E
545 oleic acid ◎, B, C
325 ethyl alcohol ◎,C
930 1-hexanol ◎C
376 2-ethoxyethanol ◎E
305 dioctyl phthalate ◎E

データソースによって評価が異なったのは上記の溶媒である。
残りのデータ(151溶媒)を用いて、Sphereプログラムを使い、NBRのハンセン溶解度パラメータを決定した(GAオプションを使う)。
結果は[20.8, 11.3, 3.7] 相互作用半径は13.92になった。
例外となった溶媒は21種類あった。

実際にハンセン空間で確認してみよう。

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

もしiPadやChrome、Safari (iPad/iPhoneのMobile Safari)、FireFox4などのHTML5対応のブラウザーをお使いなら、上にキャンバスが現れるだろう。 溶媒をクリックすれば溶媒の名前が現れる。

まず、蟻酸やメタクリル酸は例外(HSP距離が長いのに評価がX)となった。
次にHSP距離が短いのに評価が ◯ になったものは、13溶媒あったが、そのうちの10溶媒は分子体積が130以上と大きかった。つまり、HSP的には溶解するのだけど、ポリマーの中に浸透できず評価が ◯ になったと考えられる。これらは,可塑剤としての評価が必要であろう。分子の大きさが130以上のものを除外して計算し直してみても、結果は[19.9, 10.6, 4.8] R=12.25と大きくは変わらなかった。

評価がCになった溶媒は、HSP距離を相互作用半径で割った値が1以下であれば溶解するはずであるが、そのうちの4つは分子体積がかなり大きい。そこで溶解に時間がかかる、加熱しないと溶解しないなどで、中間の評価になったと考えられる。サリチル酸は固体で加熱して液体にしての評価であろう。

このようにHSPを使うと、分子サイズの大きい10溶媒を除き、141種類の溶媒中130種類で溶解性が説明できる。つまり90%以上の確率になる。

NBRは耐油性が高く、アルコールにも強いとされているが、ガソリンにアルコールを混合したガホールには弱い事が知られている。


豊田合成の技報の3次元SP値による膨潤極値解析技術で詳しく触れられている。

NBRのHSPとして何を使ったかは記載していないし、ガソリンとして何を使ったのかも解らないが、ガソリンーエタノールの混合HSPの極値と実験値の膨潤性の極値が一致したと結論づけている。
図中のNBRのdP値はかなり大きな値を使っているようなので、No.382の
[19.8, 17.8, 3.2]を使ったようにも見えるが、それにしてはdDの値が12程度であるのでちょっと判然としない。

今回決定したNBRのHSP [20.8, 11.3, 3.7] に対して、ガソリンの代表として2,2,4-trimethylpentane[14.1, 0, 0]とエタノールの混合HSPからの距離をプロットすると極値の位置は残念ながらずれてしまった。

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

HSPは基本的には定性的な指標である。膨潤度のように定量的な現象とぴったり合うかは疑問ではある。

ガソリンーエタノールの混合液と膨潤度を新開発の定量的解析をすると、ポリマーのHSPとしては[14.5, 2.3, 5]と求まり、膨潤度とはきれいな相関が得られる。他の溶媒の膨潤度の実データが得られればと思う。

 

Data of Seals Eastern, でニトリルゴムのガソリンーメタノールの膨潤挙動が記載の論文がある。

こちらの論文とは随分良く合っていると思う。

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

いずれにせよ、単独ではガソリンにもアルコールにも強いNBRのゴムが、混合溶媒には弱くなる。このような現象はフッ素系のパッキンでも知られているが、注意深く解析する必要がある。

混合溶媒のHSP

[dDm, dPm, dHm]=[(a*dD1+b*dD2), (a*dP1+b*dP2),(a*dH1+b*dH2)]/(a+b)

混合比率は体積で計算する。

Pirikaの混合溶媒を設計するJAVAアプレット・デモ、GSDはこちら。
dHをdHdo,dHacに分割した混合溶媒の探索は最新の研究はPowerToolsのプログラムで紹介している。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみて欲しい

 

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