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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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27-May-2017

アプリケーション・ノート#32
バイオ・化粧品:界面活性剤とハンセン溶解度パラメータ(HSP):界面活性剤の重要な指標であるHLBは、HSPとは全く相関がなく、logPと同様に単なる体積を示す指標だ。臨界ミセル濃度(CMC)や会合数もHSPとは関係ない。界面活性剤が安定なミセルを作った後に、そのミセルに何かが溶解する、その時にこそHSPが関与してくるのだろう。

2011.01.31

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

 

CMC以下 界面活性剤がミセルを作り始める
臨界ミセル濃度(CMC)

臨界ミセル濃度Critical Micelle Concentration (CMC)

Name

C#

cmc(mmol)

melting point

logP

logS

butyric acid Na salt

4

-5.15

0.79

0.778

pentanoic acid Na salt

5

-33.95

1.39

0.3802

hexanoic acid Na salt

6

-3.85

1.92

-0.014

heptanoic acid Na salt

7

-7.27

2.42

-0.611

octanoic acid Na salt

8

360

16.55

3.05

-1.167

nonanoic acid Na salt

9

12.45

3.42

-1.75

decanoic acid Na salt

10

95

31.65

4.09

-2.44

undecanoic acid Na salt

11

28.53

4.42

-2.55

Lauric Acid Na salt

12

27.5

44.2

4.6

-3.318

tridecanoic acid Na salt

13

41.91

-2.57

myristic acid Na salt

14

7.2

54.4

6.11

-3.971

pentadecanoic acid Na salt

15

52.58

palmitic acid Na salt

16

1.9

62.9

7.17

-5.398

heptadecanoic acid Na salt

17

61.15

Stearic acid Na salt

18

0.5

69.6

8.23

-4.224

nonadecanoic acid Na salt

19

68.13

Oleic acid Na salt

18

1

13.4

7.73

-6

linoleic acid Na salt

18

2

-5.1

7.05

-5

Acid form

Acid form

Acid form

そこで手始めに界面活性剤のCMCのデータを収集した。その際に、たまたまであるが、カルボキシル化合物(酸の形)のlogCMCをlogPに対してプロットしてみた。
すると非常に見事な相関があった。

このことから、臨界ミセル濃度(CMC)はlogPの値で決まってくることがわかる。他の検討でlogPは分子の体積で決まっていることが明らかになっている。そこで、さらにCMCのデータを集めこの現象が正しいかどうか検証を行った。

集めたデータを分類すると以下のようになった。

logPの時と同様に、logCMCは、どの親水部分とくっついた場合でも、分子の体積と見事な相関があることが分かった。親水性部分の構造によって傾きが異なるので、重回帰計算を行った。

上の図に示すように、分子の体積と親水部分の構造だけでCMCを予測することが可能であることが分かった。この場合、非常に重要であるのは、疎水部分は、含フッ素アルキルであろうが、芳香族であろうが、ただ分子の体積だけで決まっていることだ。

親水部分の重回帰の係数は(エチレンオキサイドを除いて)ほとんどの場合、2であった。したがって、全体としてはlogCMCは疎水部分の分子体積だけで決まっていると言える。

そこで、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)という指標とlogCMCという指標は同じことを言っていることがわかる。

グリフィン法はHLB値=20×親水部の式量の総和/分子量で定義する。すると、フッ素化合物は重いのでHLBの値は小さくなり、上の左の図のように2本の線が現れる。しかし、HLBを分子の体積ベースで計算すると、上の右の図のように二つの線は完全に重なる。

対応するブラウザーをお使いなら、上のキャンバスに分子を描けばCMCの値を得る事ができる。親水基が付加する位置にはX原子を置く。親水基としてエチレンオキサイド連鎖は想定していない。それらは全く異なる直線上にのる。詳しい描き方はPower ToolsのSmilesを参照して頂きたい。 他の原子を使いたいという要望が多ければ考えます。

それでは、次に、界面活性剤は何個集まってミセルを作るのだろうか?

ミセルの体積は界面活性剤の体積と会合数をかけたものになる。そのミセルの体積からミセルの表面積が計算できる。そして、そのミセルの表面積を会合数で割ってやると、界面活性剤1分子あたり、どの位の表面積を覆えるかの指標が得られる。上の表から明らかなように、疎水部の大きさにはよらずに、SO4Na一つあたり46ぐらいになる。

同様にして他の親水部分がどのくらいの面積を覆えるかを計算してみた。

ベンゼン環に直接SO3Naが付いているものを除き、他の親水部分は皆46になった。

エチレンオキサイドの連鎖がついたタイプの界面活性剤はEO一つあたりで覆える面積はEOの数が増えてくると逆に減ってくる。

このようにEOの覆える面積の効率が減少するのは模式図に書いたように、EOが伸びてくると効率的にミセルの表面を覆えなくなってくるからではないかと考えられる。

ここまでのところ、ハンセンの溶解度パラメータは何も役に立っていない。

水に溶解しない疎水性の溶質を界面活性剤の溶液に加えたときに、”似たものは似たものを溶かす”の原理で、HSPが重要な役割をはたすのであろう。しかし、溶質がミセルに溶解すると、疎水場の体積が増える。すると表面積が増えるので新たに界面活性剤が来て、その表面を塞がなくてはならない。すると、また界面活性剤の疎水場が増えるので、収束計算が必要になる。

また、あるところまで大きくなると、2つに分裂するが、ミセルが小さくなるということは、表面積が増えると言う事で、より多くの界面活性剤が必要になる。

HLBとlogPは非常に良く似た概念であるが、どちらも溶解性を表す指標ではない。そこでHSPとは相関がない。

sulfosuccinates系の界面活性剤のCMCに関するメールを頂いた。スルホサクシネート系の界面活性剤には2本の尾がある。もし、同じ疎水場の体積なら、CMCの値は10倍くらい大きくなる。例えば、C6H13OOCCH2CH(SO3Na)COOC6H13は体積が296でCMCが12である。C17H35So3Naは体積が301でCMCは0.21だ。そして、C14H29-Ph-SO3Naの場合には体積は315でCMCは0.66だ。そこで、同じ疎水場の体積なら、10倍のミセル体積になり、洗浄剤には適していると言えるだろう。

 

Sulfosuccinates系の界面活性剤の会合数をしらべたが見つからなかった。もし、所在を知っているかたがおられましたら、お教え願えれば幸いです。

以上のように、ある界面活性剤を使った場合、どのくらいのサイズのミセルが、どのくらい存在するかは見積もることができた。次はこのミセルにどのくらいオイル成分が溶解するかだが、それはHSPが大きく関わってくると思われる。

具体的には、液液抽出の記事で説明したような分配係数になるのであろう。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

 

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

このように、HLB自体はHSPと相関が無いが、EACN (アルカン炭素数との等価性)は、界面活性剤/オイル/水(SOW)システムから形成されるエマルジョンのタイプと安定性を決定する重要なパラメータだ。こちらはHSPと高い相関がある

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