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HSPiP Hansen Solubility Parameter in Practice(HSPiP)HSP統合ソフトの本家HP

ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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27-May-2017

アプリケーション・ノート#26
HSP基礎YMB:Y-MB 3.0.x の推算精度

2010.3.21

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

Y-MBのバージョンアップに合わせて、HSPiP ver. 3.0.1に搭載のY-MBのハンセン溶解度パラメータ(HSP)の推算精度を示しておく。Ver. 2 アップデートからの変更点として、官能基の定義が変わり、新たな官能基も増えた。特に前バージョンで精度の出なかった化合物群に対して、変更を行った。また、分子の認識を誤る部分を書き直し、安定性と精度がかなり改良された。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

 

HSPのオフィシャルの値がある化合物とそれを構成する原子団によって、推算式を構築した。分散項(dD)に関しては、±2の範囲に入る精度で推算することが可能になっている。

次のような化合物ではdDの値が大きめに推算される。
3-Fluorooxetane, Chloromethylsulfide, 1,2,3-Benzotriazole, 1-butene, 1,1-Dibromoethylene, Furan, 2,2,3,5,5-pentafluorotetrahydro-, 1-Methyl Imidazole, hexafluorobenzene, bromotrifluoromethane, Myristicin

また、次のような化合物ではdDが小さめに推算される。
Di-(2-Chloroethyl) Ether, methyl trichlorosilane, pyrocatechol, Propylene Carbonate, 3-Methyl Isoxazole, 1,2,3-benzenetriol, Dimethyl Sulfone, Acetylfluoride, Adrenalin, 2-Chloropropenoic Acid

極性項(dP)の値についてはY-MBの推算結果のばらつきは非常に大きい。dPの値は分子のダイポールモーメントに依存する。したがって、官能基がどこに付いたか(分子の端か、中央か)でダイポールモーメントは大きく異なるが、分子を原子団に分割してしまうと、その情報は失われるため推算精度が低下する。

次のような化合物ではdPの値が大きめに推算される。
Succinaldehyde, Fumaronitrile, Butadione, Ethylene Methyl Sulfonate, Oxalylchloride, N-Ethyl Formamide, 4-Ethyl-1,3-Dioxolane-2-One, N-AcetylMorpholine, 2,4,6-trinitrotoluene, trichloroethylene

また、次のような化合物ではdPが小さめに推算される。
Nitrosobenzene, Nonyl Phenoxy Ethanol, Dichloromethyl Methyl Ether, 1,1,1-trifluoroethane, 2-Nitrothiophene, trans-crotonitrile, Acetylfluoride, 1,2,3-Trichloro Propene, Thiazole, 4-Aminopyridine

これを回避するには、より大きな原子団を定義する必要があるが、原子団の数が飛躍的に多くなり、現実的ではない。分子の対称性などを考慮するように改造が必要であるが、その構築には時間がかかりそうである。

水素結合項(dH)の推算はこのバージョンで飛躍的に向上した。これは含窒素化合物の官能基を増やしたことによる効果が大きい。

次のような化合物ではdHの値が大きめに推算される。
glycerol, Adonitol, 1,2,3-benzenetriol, ethylene glycol, 1,2-propanediol (propylene glycol), monoethanolamine, diethylene glycol, diethanolamine, 1-Ethoxy Ethoxy-2-Propanol, 1,3-propanediol

また、次のような化合物ではdHが小さめに推算される。
Isooctyl Alcohol, methylacetylene, Methyl Cedrylone, Tetrahydrothiapyran, succinic anhydride, indene, Hexafluoro Isopropanol, tetrahydrofuran, ethylene oxide, Methyl Eugenol

オフィシャルなデータベースの値の見直しも行った。例えば、データベースの中からエステル化合物を抜き出し、dPの値でプロットしてみる。ラクトン類のdPの値は非常に大きく、他のエステルとは明らかに異なっている。また、通常のエステルでもアセテートの場合は他のものと異なっていることが下の図から明らかになっている。したがって3つの化合物(青ひしがたが重なっている)については、オフィシャルDBが間違っている可能性が高い。このような化合物を、ハンセン先生たちと議論した後、修正し、また新しいY-MBをつくるという作業を繰り返している。

アビエチン酸

ある化合物にはオフィシャルなHSP値がない。そのような場合にはY-MBを使って推算を行う。例えば、アビエチン酸のSmilesの構造式はC[C@](C(CCC(C(C)C)=C3)C3=CC1)(CCC2)C1[C@@]2(C)C(O)=Oであるので、これを使って推算をしてみると、 [17.9, 3.2, 5.2]という値が得られる。

また、アビエチン酸の実際の溶解度のデータから、HSPを決めてみると、[17.71, 3.49, 4.32] 相互作用半径 5と求まる。そこで、Y-MBのHSP値と溶解試験のHSP値が一致しているので、この値はオフィシャルなDBに登録するという作業が行われる。このように、中ー大分子のような蒸発潜熱が利用できない化合物についてはこのようなやり方でHSPが決定され、DBの拡充が図られている。

YMBの物性推算機能:

このHSPiPのY-MB画面で分子の構造をSmilesの構造式で入力すると、プログラムが原子団に分割され、様々な物性値が計算される。

dD dP dH dHD/A :ハンセンの溶解度パラメータ
MVol :分子体積
SMILES :Smilesの構造式
Formula :分子式
MWt :分子量
Density :密度
MPt :融点
BP :沸点
RI :屈折率
VP@25°C :25℃の蒸気圧
RER :相対揮発度
ExpA ExpB :膨張係数
LogOHR :OHラジカルとの反応性
MIR :カーターMIR
LogKow :オクタノール/水分配比率(logP)
LogS :水への溶解度
LogKsoil :土への分配係数
AA AB AC:アントワン定数
Tc Pc Vc :臨界定数
Visc@25°C:粘度

計算結果はクリップボードにコピーされているので、スプレッドシートなどにペーストして利用する事ができる。

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