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ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

医薬品など: FFE;インドメタシンの共結晶形成剤

2012.4.22

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

HSPiPのユーザーから非常に興味深い文献を送って頂いた。

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

インドメタシンと共結晶を作って融点を下げるような組み合わせをハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を使って検討した文献だ。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

 

International Journal of Pharmaceutics 407 (2011) 63–71
”Hansen solubility parameter as a tool to predict cocrystal formation”

自分は薬学は門外漢なので、EutecticとCocrystalの区別がついていない。
(もし親切な方がおられたら説明して頂けると幸いです。)
自分が理解した範囲は、インドメタシンのHSPと近いHSPを持つCoCrystal Formerを使った時にCoCrystalとなる。DSCで調べるとEutectic melt onset temperature はCoCrystal FormerによってもとのCoCrystal Formerの融点よりも低下する。と言いたいらしい。そこで、HSPiPを使ってこの現象をもう少し詳しく見てみた。(内容に間違いがあったら訂正していただけるとありがたいです。)

Hcode Name T1 T2 dT(T1-T2) Cocrystal
20359  indomethacin 
22358  4,4-bipyridine  111.5 96.3 15.2 Yes 
22359  4-aminobenzamide;  182.4 132.6 49.8 No 
8965  4-aminobenzoic acid;  187.7 133.7 54 No 
9456  4-hydroxybenzoic acid;  214.9 141.4 73.5 No 
54  benzoic acid;  122.1 102.2 19.9 No 
10808  cinnamic acid;  133.3 110.9 22.4 Yes 
7123  citric acid;  155.2 149.8 5.4 No 
22361  cyclamic acid;  179.3 152.5 26.8 No 
7116  glutaric acid;  95.5 92.3 3.2 No 
10415  malic acid;  130.2 102.7 27.5 No 
8201  malonic acid; MPdec 134.5 128.1 6.4 No 
22362  neotame;  75 72.1 2.9 No 
8421  nicotinamide;  128.4 98.8 29.6 Yes 
1156  oxalic acid; MP dec 189.5 139.3 50.2 No 
1196  saccharin; MP dec 228 147.7 80.3 Yes 
5157  succinic acid;  187.8 148.5 39.3 No 
860 urea;  134.3 123.1 11.2 No 
10819 vanillic acid;  209.3 144.6 64.7 No 

(分からないのが最後のカラムのCoCrystalの部分で、4つの Crystal FormerがCoCrystalを作るとある。他のCrystal FormerがCoCrystalを作らないのなら、 Eutectic meltは何を意味しているのだろう?)

ここで、T1は Cocrystal former onset melting temperature(℃)と記載されている。これは実験値の融点とプロットしてみるときれいな直線になるので、Crystal Former(共結晶形成剤) の融点である。いくつかの化合物で融点を持たずに分解するとDBにあるものがDSC的には融点として記載されているので注意が必要だ。まずはこの共結晶形成剤の融点をHSP的に見てみよう。融点は分子同士の相互作用のエネルギーを打ち消すほどのエネルギー(熱振動エネルギー)が与えられた時に分子が自由運動を始める温度と考えることができる。それでは分子同士の相互作用のエネルギーはどう評価することができるだろうか? 分子同士のパッキングなども大きく寄与するため精度よく推算する方法は知られていないが、一つには凝集エネルギーで評価することができるだろう。ポリマーの研究者であれば凝集エネルギー(Cohesive Energy)は馴染みが高いだろう。高分子鎖が融解するガラス転移温度(Tg)や溶融粘度を理解するために各原子団に凝集エネルギーが割り振られている。著名なのはVan krevelenのものであろう。この凝集エネルギーを体積で割った値、凝集エネルギー密度のルートを取ったものがSP値と定義される。このSP値を分散項(dD)、分極項(dP)、水素結合項(dH)へ分割したものがハンセンの溶解度パラメータ(HSP)になる。従って凝集エネルギーは次式で表すことが出来る。
Cohesive Energy = (dD^2+dP^2+dH^2)*Volume
共結晶形成剤の融点が高分子のガラス転移温度と同じ意味合いを持つのであれば、融点と凝集エネルギーは相関を持つはずであるが、プロットしてみると下図のようにあまり相関は認められない。


それは何故だろうか?
おそらく高分子では鎖の自由度が低くdD,dP,dHの相互作用の自由度が低く有効に使われないのに対し、低分子では配置の自由度が高くdD,dP,dHのエネルギーが有効に使われているためと考えられる。そこで重回帰式を使って融点の推算式を検討してみる。


上図に示すように融点の推算式を
melting point = 38.55*dD-2.55*dP+3.21*dH-617.77
とすると、融点とHSPは高い相関があることがわかる。
融点を決める一番大事な項は係数の一番大きいファンデルワールス力に基づく分散項(dD)であることが示される。ファンデルワールス力は原子同士が近い時に働く近接力で距離が離れると急に低下していく力である。そこで低分子の結晶中では大きな力として働くが、高分子になると値が小さくなってしまうと考えられる。芳香族系の耐熱性ポリマー等の場合、パッキング性が良くなるとこのdDの影響が非常に大きくなるのだろう。分極項(dP)はダイポールモーメントなどに基づく力で、近-中距離で働く力である。dDやdHと異なり温度の影響を余り受けないという特徴を持つ。この係数がマイナスで有ることは非常に興味深い。



自由混合の場合ダイポールモーメントは正負逆に相互作用して強い結合を作るが、結晶中では自由な配置を取れず、逆に反発力として働き融点を下げているのかもしれない。
水素結合項(dH)はハンセンの溶解度パラメータ的には水素結合に加え、dD, dPに分類されないエネルギーもこの項の中に押し込まれる。温度により低下するエネルギーである。

HSPに加え、卵型度(Ovality)を入れるとさらに結果は良くなる。結果としては球から外れるに連れ融点は高くなる。

卵型度は完全な球状を1として、球から外れるにつれて値が大きくなる指標だ。Pirikaでは簡易的に分子の表面積と体積がから計算しているが、本来は分子の3次元構造から計算するべきである。

次に、共結晶形成剤とインドメタシンのT2を見ていこう。
T2は Eutectic melt onset temperatureとなっている。 Eutecticは共結晶という意味なので、インドメタシンと共結晶を作ると、融点が共結晶形成剤の融点から低下する事を意味しているのだろう。論文ではこのHSPベクトルが近いものは、”似たものは似たものを溶かす”の原理で共結晶を作りやすいのでは無いか?としている。HSPではベクトルの類似度をHSP距離と呼び、
HSP距離=sqrt(4*(dDtarget-dDsolvent)^2+(dPt-dPs)^2+(dHt-dHs)^2)
で計算する。dDの前に4という係数がつくことに注意して頂きたい。

このHSP距離をEutectic melt onset temperatureに対してプロットすると以下のような図になる。CoCrystalを作るものを赤四角で示しているが、HSP距離は10近辺以下である事が分かる。HSP距離が短いもの、HSPベクトルが似ているものは共結晶を作りやすいというのは、この結果からも分かる。しかし、HSP距離が短くてもCoCrystalを作らない例外もある。

そこで、横軸をEutectic melt onset temperatureからdT(=T1-T2)に変更してみる。
この図は、HSP距離が短いと融点低下効果がどのくらいあるかを示している。あまり明確な相関は無い。

そこで、dTを予測するQSAR(定量的構造活性相関)式を構築してみた。
YMBを使って様々な識別子を発生させ、dTを決定する識別子を選択した。
dTを推算するのに有効な識別子は、最初の融点の推算と同じくHSPの値と分子体積、分子の卵形度であった。

QSAR式中のdD, dP, dH の係数は、 26.8728*dD-1.7991*dP+1.4572*dHとなる。つまり、融点の時と同様に、dD(分散項)、dH(水素結合項)の値はdTを大きくするのに働く。dP(分極項)は逆にdTを小さくするのに働いている。つまり、dTを大きくしたいのならdD、dHが大きく、dPが小さな化合物を選択すれば良い事が分かる。

この結果から考えると、HSP距離の似たものはCoCrystalを作りやすい。しかしそれが結晶になるかどうかは、分子体積や卵形度などパッキングに基づく相互作用がありHSP距離だけでは決まらない。インドメタシンとCrystal Formerの相互作用はファンデル・ワールスの力に基づくdDと水素結合のdHに基づく力が支配的で、Crystal Former自身の融点に相当する凝集エネルギーがインドメタシンに割り振られ融点が低下するということなのだろう。

それでは、他にどんな共結晶形成剤があるのかを調べてみた。
トランスフォーム・ファーマシューチカルズ・Inc.が出している特許(JP 2008-503495)に非常に良くまとまっている。HSPiPのデータベースは溶媒などが主体なので、固体の化合物はそれほど多くない。特許に出てきた構造のうち62個がDBにある。残りの27個の化合物については、DBにないので、ご興味があれば構造式は特許に書いてあるのでご自分でやられて見てはいかがだろうか?

Hcode name CAS Name2 MP
54 安息香酸 65-85-0  benzoic acid 122
603 ステアリン酸 1592-23-0 octadecanoic acid 70
860 尿素 57-13-6 Urea Dec
917 ヒドロキノン 123-31-9 p-hydroquinone 170
1052 ピペラジン 110-85-0 piperazine 106
1152 アジピン酸 124-04-9 adipic acid 152
1156 シュウ酸 144-62-7 oxalic acid 189Dec
1163 アスコルビン酸 50-81-7 ascorbic acid 190
1196 サッカリン 81-07-2 Saccharin 228
1200 カフェイン 58-08-2 Caffeine 238
1204 サリチル酸 147-93-3 salicylic acid 159
1205 4-アミノピリジン 504-24-5 4-Aminopyridine 158
1225 セバシン酸 111-20-6 sebacic acid 134.5
1232 チロシン 60-18-4 l-Tyrosine 342
1243 アデニン 73-24-5 Adenine 220昇華
5157 コハク酸 110-15-6 succinic acid 185
6094 酒石酸 147-71-7 tartaric acid 205
7024 グリコール酸 79-14-1 Glycolic Acid 80
7031 フマル酸 110-17-8 fumaric acid 287
7032 マレイン酸 110-16-7 maleic acid 138
7101 グルタミン酸 617-65-2 l-glutamic acid 160
7105 リシン 56-87-1 lysine 225Dec
7116 グルタル酸 110-94-1 glutaric acid 98
7123 クエン酸 77-92-9 citric acid 153
7299 カプリン酸 334-48-5 decanoic acid 31.4
7315 ラウリン酸 143-07-7 dodecanoic acid 44
7331 パルミチン酸 57-10-3 palmitic acid 63
8112 トリプトファン 73-22-3 L-TRYPTOPHAN 289Dec
8190 グリシン 56-40-6 Glycine 182
8201 マロン酸 141-82-2 135
8213 システィン 52-90-4 L-CYSTEINE -
8246 アスパラギン 70-47-3 L-ASPARAGINE 234
8290 バリン 72-18-4 Valine 315
8396 ロイシン 61-90-5 Leucine 145昇華
8418 ニコチン酸 59-67-6 Niacin 236
8421 ニコチンアミド 98-92-0 Niacinamide 128
8657 馬尿酸 495-69-2 HIPPURIC ACID 187
8965 4-アミノ安息香酸 150-13-0 p-aminobenzoic acid 187
8967 イミダゾール 288-32-4 imidazole 90
8984 桂皮酸 140-10-3 trans-cinnamic acid 133
9053 フェニルアラニン 150-30-1 DL-Phenylalanine 283Dec
10151 ゲンチシン酸 490-79-9 2,5-DIHYDROXYBENZOIC ACID 199
10163 ベンゼンスルホン酸 98-11-3 BENZENSULFONIC ACID 43
10415 リンゴ酸 6915-15-7 malic acid 131
11417 マンデル酸 611-71-2 mandelic acid  119
16524 P-トルエンスルホン酸 104-15-4 p-TOLUENESULFONIC ACID 106
16721 キシリトール 87-99-0 Xylitol 93
17155 D-リボース 50-69-1 dextro-ribose 87
17158 アスパラギン酸 56-84-8 laevo-aspartic acid 270
17159 グルタミン 56-85-9 laevo-glutamine 185
17161 メチオニン 59-51-8 dextro,laevo-methionine 280Dec
17167 ヒスチジン 71-00-1 laevo-histidine 287Dec
17168 アルギニン 74-79-3 laevo-arginine 244Dec
17259 アラニン 107-95-9 beta-alanine 289
21229 セリン 56-45-1 Serine 228Dec
21249 ジメチルグリシン 1118-68-9 N,N-Dimethylglycine 178
21254 トレオニン 72-19-5 Threonine 255Dec
21296 イソロイシン 73-32-5 Isoleucine 168昇華
21930 プロカイン 59-46-1 Procaine 61
22142 ケルセチン 117-39-5 Quercetin 314Dec
22195 クリシン 480-40-0 Chrysin 285
22200 レスペラトロル 501-36-0 Resveratrol (trans) 253
1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸 86-48-6 191
4-クロロベンゼンスルホン酸 98-36-2 67
4-エトキシフェニル尿素 150-69-6 173
7-オキソ-DHEA 190
アセサルフェーム 55589-62-3 123
アセトヒドロキサム酸 546-88-3 89
アロプリナオール(Allopurinaol) >350
ショウノウ酸 124-83-4 186
クレミゾール CLEMIZOLE 167
シクラミン酸 Cyclohexylsulfamate 169
ガラクタル酸 D-Galactarate 255Dec
ゲスティン 297
グルカミン、N-メチル 6284-40-8 128
グルコン酸 526-95-4 131
グルコサミン 3416-24-8 88
グルクロン酸 6556-12-3 165
イプリフラボン 35212-22-7 115
ラクトビオン酸 96-82-2 128
オロチン酸 65-86-1 345
パモ酸 130-85-8 280Dec
プロリン 609-36-9 220Dec
ピリドキサミン 524-36-7 193
ピリドキシン 65-23-6 160
ピログルタミン酸 149-87-1 162
4-アミノサリチル酸 65-49-6 150
TRIS 77-86-1 Tris (Hydroxymethyl) Aminomethane 171
ビタミンK5 130-24-5 280Dec

それでは、これらのうち、インドメタシンと共結晶を作るものはどれだろう? HSP距離が12以下が条件なので、以下のものが候補となる。(必要条件ではあるが十分条件ではない。)

HSP距離

HSP distance(Ra)={4*(dD1-dD2)2 + (dP1-dP2)2 +(dH1-dH2)2 }0.5

 

8984 桂皮酸
8112 トリプトファン
21930 プロカイン
9053 フェニルアラニン
1200 カフェイン
22195 クリシン
1052 ピペラジン
17161 メチオニン
1205 4-アミノピリジン
54 安息香酸
22200 レスペラトロル
11417 マンデル酸
7299 カプリン酸
7315 ラウリン酸
1225 セバシン酸
21296 イソロイシン
7331 パルミチン酸
8396 ロイシン
7105 リシン
603 ステアリン酸
8290 バリン
8418 ニコチン酸
17168 アルギニン
1204 サリチル酸
1232 チロシン
8967 イミダゾール
8657 馬尿酸
21249 ジメチルグリシン
8213 システィン
8421 ニコチンアミド
17167 ヒスチジン

dTを大きくする共結晶形成剤は以下のものが良いだろう。

Hcode name
22142 ケルセチン
1163 アスコルビン酸
22195 クリシン
22200 レスペラトロル
1243 アデニン
10151 ゲンチシン酸
1196 サッカリン
17155 D-リボース
16721 キシリトール
8965 4-アミノ安息香酸
917 ヒドロキノン
8112 トリプトファン
1232 チロシン
8657 馬尿酸

T2が小さくするものを選びたいのなら以下のものが良いだろう。

ベンゼンスルホン酸
D-リボース
キシリトール
P-トルエンスルホン酸
カプリン酸
プロカイン
グリコール酸
イミダゾール
アスコルビン酸
ラウリン酸
グルタル酸
ニコチンアミド
マレイン酸

実際に試すのであれば上の方の化合物ほど可能性が高い。化合物全てを確かめるのは手間ひまかかることなので、HSPが優先順位をつけてくれるだけで非常に有意義であると言える。

ハンセンの溶解球

ある溶質を溶解する溶媒と、溶解しない溶媒のハンセンの溶解度パラメータを3次元空間(ハンセン空間、HSP空間)にプロットすると、溶解する溶媒は似たところに集まっている。そして、その集まっている溶媒はハンセンの溶解球と呼ばれる球を構成する。

その球の中心を溶質の溶解度パラメータと定める。球の半径を相互作用半径(R0)と呼び、半径が長いものは多くの溶媒に溶けやすく、半径の短いものは溶かす溶媒が少ない。溶解球が2個あるとして解析を行うDouble Spheresという拡張機能がV3.1.xから搭載された。

Pirikaの溶解球を見る、HTML5のアプレットはこちら。
このSphereを見るHTML5のプログラム、SphereViewerがHSPiP ver. 4からパワーツールとして提供されている。

インドメタシンはバンテリン・コーワなど肩こりの薬などに使われている。

Hcode Name dD dP dH Score RED Mvol
7107 ジイソプロパノールアミン 16 19.2 21.2 1 - 131.8
585 プロピレングリコール 16.8 10.4 21.3 1 - 73.7
58 ベンジルアルコール 18.4 6.3 13.7 1 - 103.8
18210 アジピン酸ジイソプロピル 16 4.2 6 1 - 237.7
570 イソプロパノール 15.8 6.1 16.4 1 - 76.9
20359 インドメタシン 20.5 9.4 11 283.1
1132 l-メントール 16 4.7 9 177.5
皮膚 17.12 3.03 13.89

有効成分はインドメタシンとl-メントールだ。これと皮膚、溶媒のHSP位置の関係を見たいならSphere View Makerにデータを入れれば次のように3次元で見る事ができる。

Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

もしiPadやChrome、Safari (iPad/iPhoneのMobile Safari)、FireFox4などのHTML5対応のブラウザーをお使いなら、上にキャンバスが現れるだろう。 溶媒をクリックすれば溶媒の名前が現れる。

赤い小さな球は溶媒、皮膚は黄色の大きな球、緑色がインドメタシン、水色がl-メントールになる。l-メントール、皮膚、アジピン酸ジイソプロピルは良く重なっている事が分かる。l-メントールが皮膚のHSPに近いのが面白い。l-メントールを皮膚に塗るとす~とする清涼感があり、薬理作用としては血管を広げるとかあるらしい。それもこれも皮膚の表皮を透過しての話だろう。そのあたりはこのHPに詳しい。これらの化合物の皮膚透過性を知りたいものだ。

2012.8.18
フランスのAutomaxionという会社からメールが来た。共結晶形成剤のキットを販売しているそうだ。現在Kit1-4,Xを販売しているが、HSPを使ってHSP距離が短い共結晶形成剤の組みを自動的に提案できないか?というのが相談の趣旨だ。そんな事はPowerToolsのプログラムを使えばHSPiPユーザーなら誰でもできる、と紹介したがついでなので詳しいやり方を説明しておこう。

もし、HTML5対応のブラウザーを使っているなら、CCF Designerのプログラムが走るだろう。そしたら、インドメタシンの場合、 [20.4, 6.7, 4.7, 5.7] を入力してサーチボタンを押す。プログラムには148種類のAutomaxionが提案するCo-Crystal Former(CCF)が内蔵されている。ターゲットのHSPとCCFの距離を計算した結果を吐き出すので、コピーして表計算ソフトにペーストし、distanceでソートを掛ける。距離の短いものが共結晶を作る候補になる。CCFの名称の後ろにある()の数字はCCFの融点を示している。

CCF1 distance
P-PHENYLBENZOIC ACID(228) 2.733391157
O-PHENYLBENZOIC ACID(114.3) 2.751498068
4-Biphenylylacetic acid(160.5) 3.649500577
Acetyl Salicylic Acid(135) 3.99386958
P-NITROBENZOIC ACID(242) 4.087376811
benzoic acid(122.4) 4.310990679
2-naphthol(123) 4.314851992
1-Naphthol(95) 4.336105098

従ってインドメタシンの場合はAutomaxionに上のような化合物を発注すればいいだろう。

CCF1 Volume1 CCF2 Volume2 distance
P-PHENYLBENZOIC ACID(228) 71 6-Nitro-1H-indazole(182) 29 0.747
4,4′-bipyridine(111) 62 4,4'-DIHYDROXYBIPHENYL(283) 38 0.824
4,4′-bipyridine(111) 47 1-Naphthol(95) 53 0.842
P-PHENYLBENZOIC ACID(228) 86 Saccharin(228 dec) 14 1.000
4,4′-bipyridine(111) 67 2,7-Naphthalenediol(193) 33 1.064
isophthalic acid(347) 41 4,4′-bipyridine(111) 59 1.174
4,4′-bipyridine(111) 71 resorcinol(111) 29 1.345
1-Hydroxy-2-naphthoic acid(195) 40 4,4′-bipyridine(111) 60 1.350
P-PHENYLBENZOIC ACID(228) 78 p-benzoquinone(115.7) 22 1.407
P-PHENYLBENZOIC ACID(228) 78 Phthalimide(238) 22 1.539
4-HYDROXYBENZOIC ACID(214.5) 33 4,4′-bipyridine(111) 67 1.554
4,4′-bipyridine(111) 73 p-hydroquinone(172.3) 27 1.555
P-PHENYLBENZOIC ACID(228) 84 succinic anhydride(119) 16 1.583

2成分の混合系についても出力される。これは全くの憶測であるが、我々はポリマーの溶媒を探索する時に混合溶媒のHSPがポリマーのHSPに一致する時には、個々の溶媒が貧溶媒でもポリマーを溶解する事がある事を知っている。そこでCCFを2種類混合した時に混合HSPが一番ターゲットのHSPに近くなる体積比率を計算し結果を表示する機能を付け加えた。だまされたと思って試して頂けたらと思う。この混合系の探索には48種類の代表的なCCFだけを使っている。フルバージョンは要請が多ければ提供されるかもしれない。

 

インドメタシンとインドのどうでもいい関係。面白い記事があった。

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