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HSPiP Hansen Solubility Parameter in Practice(HSPiP)HSP統合ソフトの本家HP

ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウエアー(HSPiP)の購入方法とインストール

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Last Update
27-May-2017

医薬品など: 自分でやってみようFFE;ヒスタミン受容体拮抗剤

2012.4.25

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

 

HSPiPのユーザーからおもしろい提案を受けた。辛いもののレセプター匂いのレセプター昆虫のレセプターがHSPと関係があるのなら、ヒスタミンのレセプターもHSPに関係があるのでは無いかというものだ。

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標です。ヒルデブランドのSP値と異なり、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”というのがHSPの基本です。このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表されます。分散項はファンデルワールスの力、極性項はダイポール・モーメントの力、水素結合項は水、アルコールなどが持つ力です。(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)


”似たものは似たものを溶かす”と言う単純な考え方で、ポリマー、医薬品などがどんな溶剤に溶けるか? 高分子の添加剤がどれだけポリマー中に居やすいか? 匂い物質が鼻の嗅覚細胞にどのくらい溶けるか? 医薬品がレセプターにどのくらい溶けるか? ガスクロやHPLCの充填剤にどのくらい溶解しやすいか? 化粧品の皮膚への溶解性は?などを理解するのに役立っています。

PirikaのHSPを計算するJAVAアプレットのデモ、HSPLightはこちらから。
最新の研究はパワーツールで紹介しています。どのような方向に進化しているのか知りたければ覗いてみてください。

 

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、ハンセン先生とアボット先生がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発されました。これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。もちろん材料設計は溶解性だけで決まるほど単純ではありません。そこで、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が付け加えられました。Y-MBはver.4 からはY-Predictというパワーツールとしても提供されています。

概要についてはこちらをお読みください。(2013.1.22)
機能についてはWhat Newをお読みください。
自分が使いたい化合物が計算できるかは使用できる官能基のリストで確認ください。
HSPiPの購入とインストール方法をまとめてあります。
他の会社はどんな使い方をしているのか? 特許をまとめてみました

 

化学増刊No.116の創薬のための分子設計という本のN-カルバモイルアミジン誘導体のH2-遮断活性のテーブルを送って下さった。

右の部分は同じなので、左の部分(Het)の違いによってH2-遮断活性が異なってくる。テレビなんかで宣伝している”先回りしてブロック”をイメージすればいいのだろうか? 先回りするには、Hetの部分が受容体にどれだけ溶けやすいか?が問題になるかもしれない。そこでハンセンの溶解度パラメータ(HSP)が”似たものは似たものを溶かす”の原理が有効に使えないか?という話しらしい。

そこでHetの部分のHSPを計算してみる。活性はlogを取って符号を逆転してある。(活性の高いものは少ない量で効くための補正)そして定量的なSphereを求める。Sphere(球)というのはHansen先生が導いた概念で、ある溶質をよく溶解する溶媒のHSPベクトルを3次元空間にプロットすると、よく溶かすものはHSPベクトルが似ていて、3次元空間(ハンセン空間)で集まってきて球を構成する。未試験の溶媒のHSPベクトルがその球の中に入ってくるなら、それもよく溶解するだろう、という概念だ。その”良く”というのの概念が球の半径を規定する。

そこでHetの部分についてHSPベクトルを計算し、活性が高いものから、低いものまでHSP距離と相関が高くなるように球の中心を定めてあげる。(定量的なSphereのページを参照のこと

すると求まった結果は上のグラフのようになる。球の中心がレセプターのHSPになる。かなり高い相関で、HSP距離の短いもの(よく溶けやすいもの)は高活性であることがわかる。 それではHSP以外ではどんな項目が活性に影響を与えているのだろうか。例えば下のグラフのように分子体積も相関がある。

そこで、大学での講義に使った変数選択重回帰法を使って、変数を選択してQSARモデルを作成してみる。一番重要なのは溶解性を表すHSP距離だが、分子体積、logBCF(生物濃縮性)、表面張力であった。その4変数を用いて重回帰式を構築すると下のように結構な精度で活性を予測できる。(logBCFについてはpirikaのこちらの記事を参照表面張力についてはこちらの記事を参照

それでは、HSPiPのデータベースの中にある化合物でこのレセプターに近いHSPを持つものはどんなものがあるだろうか?検索してみた。

分子体積、logBCF(生物濃縮性)、表面張力は別途計算しなくてはならないが、リード化合物としては面白いかもしれない。

日本での医薬品開発にはHSPはほとんど見向きもされていないが、欧米では急速に利用が進んでいるのはこうしたことが簡単にできるからであろう。自分は奥さんと子供がアレルギー体質なのでいい薬がどんどん開発されることを願ってやまない。

ハンセンの溶解球

ある溶質を溶解する溶媒と、溶解しない溶媒のハンセンの溶解度パラメータを3次元空間(ハンセン空間、HSP空間)にプロットすると、溶解する溶媒は似たところに集まっている。そして、その集まっている溶媒はハンセンの溶解球と呼ばれる球を構成する。

その球の中心を溶質の溶解度パラメータと定める。球の半径を相互作用半径(R0)と呼び、半径が長いものは多くの溶媒に溶けやすく、半径の短いものは溶かす溶媒が少ない。溶解球が2個あるとして解析を行うDouble Spheresという拡張機能がV3.1.xから搭載された。

Pirikaの溶解球を見る、HTML5のアプレットはこちら。
このSphereを見るHTML5のプログラム、SphereViewerがHSPiP ver. 4からパワーツールとして提供されている。

 


Drag=回転, Drag+Shift キー=拡大、縮小, Drag+コマンドキーかAltキー=移動。

もしiPadやChrome、Safari (iPad/iPhoneのMobile Safari)、FireFox4などのHTML5対応のブラウザーをお使いなら、上にキャンバスが現れるだろう。 小さな球をクリックすればHetの番号が現れる。

ここで大きな球はレセプターを示している。Hetが球で表されているものは溶解度が大きなもの。立方体で表されているものは溶解度が小さなもの。色はdHdoとdHacを表している。赤色はdHdo性が高いもの。青色はdHacが高いもの。色の強さはdHの絶対値を示している。

このdHdo, dHacを含む4D HSPの取り扱いにはHSPiPだけでは不十分だ。PowerToolsのプログラムで扱っているのでご覧頂きたい。

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