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ピリカで化学工学

2011.5.12

非常勤講師:山本博志 講義補助資料

Coxの蒸気圧線図

横軸の温度が均等でないCox温度にすると、蒸気圧曲線は直線になる。そのことが非常に明確に理解できるチャートだが、最近はこうした作図法は廃れてしまった。残念なのでここで紹介しておく。

各番号がなんという溶剤なのかは、原本、The Technology of Solvents and Plasticizers, Arthur K. Doolittle; Tbbn & Sons. Inc. N.Y.を参照いただきたい。

このCox線図の説明は佐藤一雄の”物性定数推算法”、丸善、が最も詳しい。

しかし、この本も入手が難しいので、簡単に引用説明しておこう。

蒸気圧対温度の関係を図示するには、Cox線図が最も優れている。
それはこの線図がAntoine式に基づく3定数式で表され、温度の広い範囲で直線になるからだ。

ただ2組の蒸気圧データがあれば、工学的に十分な精度で内挿、外挿ができる。

log(P[mmHg])=A-B/(T[℃]+C)

この定数Cの値は、標準沸点が0-150℃の物質では230として良いと言われているが、実際には標準沸点の値によって変わるので、高い精度を望むのであれば、正しいCの値があったほうが良い。

そこでCox線図を作る要点は、正しいCの値を知ることと、特殊な温度目盛を作ることにある。

Gutmann-Simmons(1950)はVan der Waals式とEinsteinの振動子模型を使って次の形のAntoine式を理論的に導いている。

log(P[mmHg])=A-B/(T[K] - 3θ/8)

θ:液体の固有振動数と関係ある特性温度[K]

したがって、C=273.15-3θ/8 となる。 (2016.8.19 式中の温度の単位が間違っていました。Y様ご指摘有り難うございます)

Dreisbach(1951)は実測の蒸気圧から、θと標準沸点との間に次の関係があることを見出した。

θ/Tb = a + b*tb

Tb: kelvinで表した沸点、tb:℃で表した沸点

そして、定数、a,bを同族列によって次のように定めた。

これを使うことによって、Cの値は求まる。

ざっくり見てみると、芳香族系は脂肪族よりaが0.1ぐらい大きい。

アルコールや酸など水素結合が大きなものはaが小さくなる。

つまり、水素結合を起こして会合するものは、すんなり蒸発しないことを示している定数なのであろう。

特殊な温度目盛の作成に関しては、こちらを参照して頂きたい。

こうしたCox線図の蒸気圧直線を延長すると、Cox点という一点で交わる。

このCox点は佐藤一雄の著書に次のようにまとめられている。

のCox線図を描くソフトウエアーをHTML5+CSS3+JavaScriptで作成した。プログラムは対応するブラウザーでのみ動作します。説明も含めこちらから使ってください


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