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MAGICIANとは、材料ゲノム(Materials Genome)、材料情報学(Materials Informatics)、情報化学(Chemo-Informatics)とネットワーク(Networks)を結びつけて(Associate)いかれる人材です。
2021.6.18
国立情報学研究所の新井紀子先生はとても面白い研究をしている。
東ロボくんという、人工知能を大勢の専門家と鍛えて東大の入試を突破させようと頑張っていたんだ。(ロボットは東大に入れるか?新曜社)
「AI vs. 教科書が読めない子供たち(東洋経済新報社)」によると、2016年進研模試、5教科8科目では偏差値57.1を取ることのできるAIに育ったって。さらに「東大入試プレ」では数学の偏差値は76.2だというから驚きだよね。
ひとたび、そんなAI-ロボットができてしまえば、いくつでもコピーすることができちゃうんだよ。偏差値57.1以下の人間に対して「コンピュータが仕事を奪う(日本経済新聞)」、そのような時代は来るのかな?
偏差値57.1というと、MARCHにも入れる、受験生のトップ20%に入れるレベルなんだ。
日本の会社も偏差値が高い学生を採用したいだけなら、AI-ロボットの方がまだマシになる時代ももうすぐだ。
トップ20%に入れる子供は、記憶力を更に高めて、来るべきAIとの決戦に備えるのも良いかも知れない。(東ロボくん・プロジェクトは終了してしまったけど、同じようなプロジェクトが中国とかで始まっているし。)
残りの80%の子供は戦略を考えよう。
新井先生たちは、東ロボくんの偏差値を上げるために、色々な戦略を立てているんだ。
例えば古文は捨てるとか。
古文の文章は、ビックデータなど無いし、今後増える見込みもない。一口に古文と言っても、時代によって使い方も異なるので、機械学習はうまくいかない。
そうした戦略が新井先生の著書にいろいろ書かれている。
この戦略、人間も使わない手は無いよね。苦手の克服のために膨大なエネルギーが必要なら、他に割り振った方が得なこともあるだろうし。
AIが得意な数学で偏差値76.2ということは苦手な英語リスニングは偏差値38でも、平均すれば偏差値57になるのだから。
逆に人間は、将来は、AIの得意なところはAI-アシストしてもらう(他の人とは差別化されない)という前提なら数学の偏差値が35でも60でも人の価値は変わらないことになると思わない?
英会話ができることが、国際人として大事な資質のように言われているよね。
英語ができればXXX国際大学に合格できるかも知れない。
でもアメリカ人なら皆英語を話すし。
それならどんなアメリカ人でもXXX国際大学を出て国際人として活躍できるって言える?
みんなが(車の力を借りて)同じように早く走れるようになれば、早く走れることに価値はなくなるんだ。ごく特別な人はオリンピックに出て頑張れば良いけどね。
みんなが(自動翻訳機の力を借りて)同じ様に会話できるようになれば、会話の中身を持ってる人の価値が高くなるんだ。
昔は、化学なら「これこれを学んで社会に出れば、40年安泰」と言えるような技術があった。それがどんどん短くなり、分野もどんどん狭くなっているんだ。
人生は、大学や就職で終わりでは無いので、先を読んだ戦略は大事ってことだ。
「AI vs. 教科書が読めない子供たち(東洋経済新報社)」によると、(平均偏差値を高くするに、嫌いな学科は勉強しないのもありだけど)国語だけは勉強した方が良いらしい。
それは問題文の意味を理解するには、問題文が書かれている言語を理解できなければならないからなんだ。理科のできない子供は、そもそも理科の教科書や問題の日本語が読めていないから、解けないことも多いのだとか。
昔こんな議論があった。
「太陽が西から登る」
こうした文章を子供が書いたときに、理科の先生はXつけても良いけど、国語の先生はXをつけてはいけない。文法的には間違っていないから。
でも、地球の自転より早い飛行機なら、「太陽が西から登る」こともあるよね。
こうした文章の中には、さまざまな常識が隠れている。
太陽が地球を回っているのではなく、地球が太陽の周りを回っているとか。
空気(や海の水)は地球と一緒に回っているとか。
長い年月かけて人間にとって常識になった事も、生まれたての赤ん坊のようなAIにはちゃんと教えなくてはならないんだ。
しかも、根源的な常識ほど教えるのが難しい。
逆に説明が難しいから、「それは常識として受け入れてくれ!」と教えてきたようなところもあるよね。「グダグダ言わずに頭の中に叩き込め」って。
「敵に王様を殺させるな」と命令を受けたAI-ロボットは、自分で王様を殺しましたとさ。
星新一のショートショートにあった。
国語の中には、民族としての常識も含まれている。
塾の先生は、理科の偏差値が65を超えた時、それはもういいから、苦手な偏差値35の英語を頑張れって言った。
そっちは、まだまだ伸びしろがあるって。
本当かな?
例えば、
ある模試で化学の試験がありったとする。
ある得点範囲に何人入ったかをグラフにしてみよう。
1回目の模試とと2回目の模試で平均点は同じ50点になる。
自分の得点が50点(偏差値50)だった時に、もうちょい頑張った方がいいか、英語の勉強に移った方が良いのか、どっちだろう?
曲線の一番高いところが平均より右側の時は、問題が簡単だった時に現れる。多くの学生が良い点数を取る。逆の時は問題が難しい時に現れる。
さらに、そんな山が2つできる場合にも平均値は50になる。
自然現象だと、左右対称になる事が多いのだけど、人間の利害なんかが絡んでくると途端にバランスは崩れる。
どちらが伸びしろがあるだろうか?
いろいろな要因が絡まって試験の後に決まる事で、事前にはわからないのだから、伸びしろなんて関係ない。
1年目は英語のいらない大学を受けたがダメだった。そして翌年、共通1次試験が始まり、英語どころか国語、社会2科目と、膨大な伸びしろになった。
科目がいくつかあった時に、全部の点数を上げることのできる優秀な学生は置いておこう。 そうでない場合には、勉強にかけた時間あたりの成果を考えながらバランスを取っていくしかない。 |
バランスが大事!
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データ・サイエンス的に言えば次の様になる。
例えばスマホを開発しているとしよう。
スマホの頭脳に相当するCPUの性能、電池のもち、液晶の性能、カメラの性能、メモリー量、スマホの重さが大事だとする。
全て最高のものをかき集めてくれば良いのなら話は簡単だけど、そうは行かない。
性能の良いCPUは電気をいっぱい消費する。
電池の持ちを良くしようとすると重くなる。
カメラの性能を良くしようとすると、メモリー量をいっぱい使う。
など、バランスを取らなくてはならなくなる。
同じ時間勉強したって同じように成績が上がらないように、かけた費用に対して効果が同じ様に上がるわけではないので、そこでもバランスが必要になる。
その時、日本の企業はどこも、平均よりちょっと上を選ぶ事が多かった。
そう偏差値57.1あたり。
どの部品も。
その結果、どこの製品を手にとっても差のない均質な製品しか出てこなくなり、おもしろみが無くなった。
スマホだけでなく全ての電気製品で。
スマホのこの部品は、このメーカーのもの一択で決まり。
なら
自動翻訳機と英語の能力のように、差別化の要因にならなくなるだけ。
バランスの取り方の問題。
どこをどう尖って、どこを削って、おもしろみを出すか?
人間でも製品でも同じだろう。
データサイエンスを使って合理的にバランスを取るとどうなるだろうか?
データサイエンスって、ようは、数学(統計)の問題だから、誰が使っても答えは同じになってしまう。
しかもどの本やサイトでも、あやめの分類とかコンビニの新規出店とか同じ例題を同じように解くだけのものが多い。
高校生には理解できない高等数学だと言われるかもしれないが、スマホの原理が理解できなくたってスマホは使える。ボタンをポチすれば後は(AI)統計ソフトがやってくれる。
それなら、自分だけの切り口で
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