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2011.12.10
以下の要約は電子ブック日本語版をマックで機械的に約10分の1に要約したものです。
あわれな科学者が、例えば興味のあるポリマーのHSPを決定する為には、48種類の溶媒を使って”巧妙に数値を噛み砕く”ような非常に多くの労力を必要とする。私がこの序論を書いている理由は、長年チャールズを知っていて、彼の激務の恩恵を受けたにもかかわらず、個人的にHSPを使うという挑戦を,決して本気でやらなかったからである。 M. ハンセン溶解度パラメーター:ユーザーの為のハンドブック、CRC Press, Boca Raton FL, 2007)そのハンドブック中で,彼はSphereプログラムで,いくつかのHSPを計算する方法の詳細を明らかにした。そこで、あなたが、そのアイデアが誤りであることを示すとき、私は次の3つの方法で個人的な保証とする。このe-Bookとソフトウエアーで使っている理論、例題、式、計算そしてデータセットは,長年HSPコミュニティーが行った,広範な理論的な研究,そして実験の研究を基にしている。Hansen-Solubility.comは、このe-book、ソフトウエアー、データベースを使った結果生じた、いかなる損害に対して責任を負わない。 第2版で大きく変わった部分(つまり、Y−MB、自動的にHSPを計算する部分とIGCのモデラーの部分)に加え、ユーザーがHSPをより簡単に、しかも、最大限に利用できるように、細かい変更が多くなされた。知恵と激励を与え続けてくれた事、彼の驚くべき研究の歴史を支えるデータや論文の蓄積、(しかも必要な時にそれを見つけ出す能力)洞察力を生み出すカミソリのようなシャープな心、そうしたものが、自分の理解力の不足を助けてくれた事に心から感謝する。
溶媒和されたナトリウムイオンと塩化物イオンは結晶中の塩化ナトリウムより熱力学的に(エネルギーとエントロピー的に)安定化しているので、塩化ナトリウムは水に溶かすことができる。 しかし、もし反応動力学を正しく使わないなら、水と近接近していながら、ほとんどの塩が溶解していないという事は十分あり得る。すべての文章に「熱力学的に」を挿入する事は冗漫になるが、「HSPは、熱力学的にAがBを溶解することを示す」と書ける事は、反応動力学と熱力学の違いを理解するのに役立つ。..それで、AがBに溶解するかどうか知りたければ、あなたがしなければならない「全て」は2つの損失と1つの増加を計算することである。しかし、多くの異なる科学の解釈による水素結合力の予測値は、それを単に分極力と捉えたのでは説明がつかない。もし単純な数値で分子相互作用を記述するのならば、少なくとも分散力と極性力の2種類の力が、あらゆる分子について必要になる。 そこで、3つのパラメーターで、溶媒と溶質の相互作用を記述することができるのは、もっともな事に思える。しかし,膨大なデータベースの化合物に対して、矛盾無く4パラメータを作る事や,4次元空間をどう視覚化するかの現実的な困難さから,流行っているとは言えない状況である。分散、極性、水素結合の力を1兆個の分子の個別の相互作用から計算する事は、とてつもなく大変な事だが、HSP値に簡単にコード化される。..もし,分散力,極性力,水素結合力として δD, δP そして δH と表記するなら,真のエネルギーの差分は次式で表すことができる。それは、混合熱の差分は,分散の力に対するものより、分極、水素結合はより小さくあるべきだと言う合意だ。もし、この値が小さいならば、「その2つの成分はお互い溶け合うだろう」と熱力学的に言える可能性が高い。今後,δD, δP, δHの1組を参照する時には簡単のため [17, 9, 3]という表記を使うが,これは“δD=17, δP=9 and δH=3”を意味する。そして、HSP的にあるポリマーが溶解するとした混合溶媒が、実際に実験してみると、単に膨潤しかしない事ももちろんある。もし、ポリマーのHSP値が分子量の低いものを使って決定されたとすると、それを溶解する溶媒は、エントロピー的には高分子量体の溶解には適さない可能性が高い。
書籍の中で静的に使われると、3次元のグラフは理解しにくいので、P v H, H v D, P v Dという3つのグラフを一組にして使う事をよくする。この点は、あるポリマーのHSP、D=18.5, P=9.9, H=7.9 の位置を示している。 プログラムがやっていることは、各々の溶媒がそのポリマーを溶かすか溶かさないかを見て、すべての良溶媒(HSPiPではSphereの”内側”にあると定義されている)を内側に含み、すべての貧溶媒が外側に来るような、球を計算する。もし混合溶媒のHSPが球の内側に入っていれば、そのポリマーを溶かすだろうし、球の中心に近ければ近いほど”良い”溶媒だ。もし真に洗練されたやり方をしたいなら、(後の章でこれを行うHSPiPの溶媒最適化プログラムの使い方を紹介する)Sphereの中心からのHSP距離を1つの目のパラメーターとすれば良いだろう(距離が長ければ悪い、Sphereの半径の外側だったらどうしようもなく悪い)。もしRED値が0.2の溶媒と0.4の溶媒があったら、(a)どちらも完全ではないが、(b)最初の(0.2の方)がより良い溶媒であることが解る。この赤い点はdiethyl ether [14.5, 2.9, 5.1] で溶解しないが、trichloroethylene [18, 3.1, 5.3]は溶媒である。溶媒(混合溶媒)のHSP、そしてポリマーのHSPと”球”の半径だけを武器にして、純科学的な領域と産業界の応用の世界で信頼性のある予測をすることができる。視覚的な助けとして、”境界の円”とその中心位置に加え、(δD+δP+δH) を使って計算された中心と半径が表示される。 マウスをTeasプロットの上で動かすと% δD, %δP, %δHの値か、溶媒のそばで動かした場合には実際のδD, δP, δHの値と溶媒の名称が表示される。
すると,距離が4の溶媒のREDは4/8=0.5となり,かなり良溶媒である事を意味する。 後ほど、HSPiPのポリマー・フォームを理解した時に、(普通は球を決めるのに使った溶媒とは異なる溶媒リストの中から)どの溶媒が良溶媒か貧溶媒かを解決する計略を見つけるだろう。 あなたのポリマー(HSPと半径の両方)をポリマー・フォームに加える事によって、クリック一つで溶媒のリストをRED順に並べる事ができる。最初の悪い球は,計算ボタンを何度押しても(だいたい何時も)同じ値を返すが,あきれるほどひどいフィッティングで,多くの良い溶媒が球の外に,悪い溶媒が球の中に入って来る。 これはよくある事だが,例えば,Sphereプログラムで間違って認識された”良い”溶媒(Scoreを1にした溶媒で球の外に来た溶媒)をもう一度試してみるとよい。事実、HSPの球が良くないと判った時に、物質が純粋でない事をしばしば証明し、研究者に不純物を注意深く探すように警告してきた。これは単に、曖昧性を除いた最良の最適値を探す時に、球の中心を取り巻く十分な数の良溶媒/貧溶媒がない場合に起こる。 実際の球を動かないように押さえつけるただ一つの方法は、どこのデータが欠けているか(3Dプロットや3つの2Dプロットを見れば明らかであろう)を解決する事だ。 3次元空間の各々の点が、最も良く適合している(もしくは最も悪くない)かどうかをみるテストをすることができるとしよう。 本当に良いデータセットの場合、明確で深い井戸を(どんな最適値探索のアルゴリズムを使おうと)見つけるであろう。 計算ボタンを押すたびに最適解探索のアルゴリズムは、HSP空間中の全く異なる点から探索を開始し、規定以下のデータの時には、毎回異なった”ベスト”な結果で終わる。」それは,”良いのに外れる/悪いのに入る”エラーに,現実的にどれだけ外れるのかの荷重を組み込んで,HSP空間全体を体系的に探索する。
何年も前にHSPの原理を使って開発した処方が、今日世界中で使われている”環境により優しい”溶媒の基本形であるという事実を、彼はいくばくかの誇りを持って見ている。最高の情報を得るために、汎用でない領域の溶媒を使い、実験室のドラフトチャンバーで、保護具を着用した後に、この試験を行うことができる。もし本当に信頼のおける答えが欲しくて、インキが正真正銘何も分かっていないとしても、~40種類ぐらいの溶媒の試験結果は、知りたい事を皆こたえてくれるだろう。インクの物性について合理的な知識を持っているなら、例えばもしインクが明らかに親水性が高いかアルコールであったなら、明らかに疎水性の高い炭化水素系の溶媒は外せるかもしれない。 一生は短いのだから)40種類も試したくないが、16種類ならなんとかやってみようという気になれるなら、それと確認用にもう2-3種類おまけを試験をすればよい。この溶媒群はD,P,Hの空間上に広く広がっていが、溶媒が集中する領域や溶媒がほとんどない空隙もある。そして、H−DプロットとP−Dプロットで、何も無い領域に注目すると、大きなD値を持つ溶媒が疑いなく足りないことがわかる。 もし、このポリマーの特性を明らかにすることが本当に重要なら、そう、もう3つ溶媒を選んで試験をすれば良い。これはアメリカでは”VOC(揮発性有機化合物)”なので溶解度的には”良い溶媒”であるが、使う前に皆蒸発してしまうので”悪い溶媒”だと見なされてもいる。しかし、例えばテトラブロモエタンのように、実際には決して使いたくなくても、ポリマーの”球”を決定するという技術的な有用性から使っている溶媒もある事は覚えておいて欲しい。
ポリマーのHSPは [18.5, 9.9, 7.8] であることが分かっているとしたら,ベスト・マッチの溶媒はHSPのテーブルから見つけ出す事ができる。目的とするHSP値(この場合は [18.6, 10.1, 7.8])を入力して、一つか、数種類の溶媒を選んで分率%を入力し計算ボタンを押すと、各成分の単なる加重和である混合液のHSPを計算する。 可能なすべての2成分の溶媒を網羅的に探索し、一番良くあう(距離の一番短い)ものを見つける。両分子は小さな分子体積 (MVol) で,小さいという事は早く拡散する(動力学)そして大きなエントロピー変化(熱力学)があり,これは溶解には良い方向だ。” メイン画面に行き,溶媒のフルセットを読み込んで,”ダブルクリック”をすると,煙に巻かれたように思うかもしれないが1,3-Dioxolane はTetrahydofurfuryl alcoholとそんなに離れていないことがわかる。 Optimizer、拡張最適化の裏技を活用すると、Dipropylene Glycol (DPG)と芳香族炭化水素の組み合わせが、Tetrahydofurfuryl alcohol の代替として悪くない事を見つけ出す事ができる。しかし、もしその重要性が高いのであれば、合理的な方法でDPGをさらに小さな何かに置き換える探索を続けることができる。 芳香族炭化水素を避けたいと望んでいる人は、ちょうどいい4-5種類の混合溶媒を見つける事が可能だ。 こうした芳香族とプロピレングリコール、そして分極(P)が大きい溶媒の混合物が”安全な溶媒”として産業で広く使われている事とは偶然の一致ではない。 そして我々の一人(アボット)は、受け入れられると考えられる溶媒が、変わり続けるにつれ、より早く、より安全で、より安いの妥協点をより深く洗練された方法で得る為に、鍵となる技術的な道具としてHSPを使い続けている。例えば、溶媒1と溶媒2があって、その体積分率がxとyであったときに、各々の混合の δ は次のようになる。δ の差が小さい溶媒では2つのアルゴリズムの差は誤差範囲内だが、δ の差がとても大きくなった時は、2つの結果はとても異なったものになる。
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