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2011.12.10

HSPiP e-Book日本語版 11-15章の要約

以下の要約は電子ブック日本語版をマックで機械的に約10分の1に要約したものです。

Chapter 11 Let’s make this perfectly clear (Formulating clear automotive lacquers)

第11章 完全に透明な被覆を作ろう。

もしくは、混合溶媒で良かったとしても、異なった成分が違う速度で蒸発するという事は、良い方向か悪い方かはともかく、溶解度パラメーターがかわって行くという事実を意味する。溶媒のoptimizerを使って最初にやらなければならない事は、(その後の架橋反応を阻害するので)水酸基を持たないでδHが十分に大きい”友好的な”溶媒を見つける事だ。 コントロールキーを押しながら、アルコールを含む溶媒をクリックする事によって(もしくは、アルコールを含まない”友好的な溶媒”のリストを作る事によって)PMAとGBL(ガンマブチロラクトン)の69:31で適切にフィットした混合溶媒を見つけるのは相対的に簡単な事だ。GBL(γ-ブチロラクトン)は PMA(プロピレングリコール-モノメチルエーテル-アセテート)より揮発性が低く、そして高い δD を持っているので、幸先の良いスタートを切れたが、δP が高い。 DBE (ジベーシックエステル) は沸点が低く、GBLとの 57:43 混合溶媒のHSPはポリマーと非常に近い[17.2, 11.5, 7.8]である。その点でのPMA:GBL (緑の点):DBE (マゼンタの点)の比はだいたい 4:49:47 でHSPは [17.1, 10.6, 8.9] (混合物のHSPはシミュレーション中計算される)でポリマーからの相当する距離は2となる。この計算には、一つの溶媒が存在が、もう一つと比較して蒸発速度を早める時、活量係数の効果を含める事を選択している事に注意してほしい。 これをする為に、活量係数は一つの溶媒から他の溶媒(もしくは一つの溶媒から、他の残りの混合物のHSP値)へのHSP距離から計算される。この方法は次の論文の方法、RER=0.822MWt 1⁄2VP よりも広い範囲で良い結果を与える。第3版では、あなたの条件でシミュレーションしたときに、n-酢酸ブチルが蒸発するのにかかる時間を明白に示すことにより、あなたは絶対的な時間の計算をすることができる。) しかし、重要な点は、このコーティングが思ったほど光沢が無いとか、混合溶媒が少し高価すぎるとか、残留溶媒が多すぎるとか、処方を合理的に微調整する必要がある時に、”何もないよりはまし”というモデルで、合理的なプロセスを踏まえ決断に到達したということだ。 この馬鹿げた命名を許してほしい) UCSTはChiパラメータの1/RT 効果から来て、これはポリマーはこれより低い温度では、より溶解性が低いことを意味している。 ポリマーは(特に分子量の大きなものは)より高い温度では溶解性が低くなり、時としては溶液から析出するという事実がある。コーティングに対する空気の流れを増やすと蒸発速度を早めるが、その事はコーティングをより冷やす事にもなり、それは蒸発を遅らすことになる。 もし、十分な熱量が(つまり、下地から)来るなら、もしくは、空気の流れがそこまで早くなければ、その時は溶液は湿球温度よりも高い温度かもしれない。

Chapter 12 That’s swell (HSP and Swelling)

第12章 それは膨潤だ。

しかし、これらは手軽な指針としてだけ存在しているので、この章が強調するように、特殊な問題に対しては他の値を適用したほうがいい事は覚えておきなさい。もし、2%以上膨潤する溶媒のデータを使って”球”を計算すると(良い溶媒はほんの少ししかないのでなかなか適合しにくい)C-Clポリマーの特徴的な [17.2, 3.9, 1.5]を得る。しかし、もし5%以上膨潤する溶媒をプロットすると、先ほどとは全然違う、C−Fポリマーに特徴的な[15.6, 4.9, 7.5]を得る。より一層膨潤する領域では、溶媒はよりたくさんあるC-F領域に結びついている。 しかし、ポリマー全体を膨潤/溶解しようとしたら、アルコールはとても貧溶媒なので、”球”はδH と δPがより低い領域へ移るだろう。 同様に、もしポリマーが結晶と非晶領域を持っていたとすると、膨潤が低いレベルでの溶解データは非晶領域を反映するだろう。Lawrence Berkeley National LaboratoryのDr Deirdre Olynickと彼女のチームが、これらの問題をより深く探求する彼らの論文のデータを我々が再利用することを許してくれたことを深く感謝する。このチームはカリックスアレーン(盃の形をした芳香族)をレジストに使う時にHSPの”球”を利用することを最初に確立した。これは面白い事なので指摘しておきたいが、彼らは(論文には完全に記述されている)フィットしないデータを発見的に取り除く機能を持った、凝った”球”のアルゴリズムを使った。 それから彼らは高いコントラストの画像を作るには球の中心に近い溶媒が良い事、一方、膨潤の影響を避けるには球の境界の溶媒が良い事を示した。 重要な事には,プロセスをより一層改良するための合理的な方針における,他の溶媒や混合溶媒は簡単に工夫する事ができる。

Chapter 13 Paint failure – the science of blistering

Chapter 14 Skin deep (HSP and Skin Absorption)

第14章 お肌の奥深く

化学品が熱力学的に皮膚に浸透できるかできないかの科学的に高い信頼性を持つ事は動物実験の必要性を減らす。 その化合物が皮膚に浸透できないと確信するなら、化粧品として有用ではありそうもないが、同様に皮膚に浸透して一般的な安全上の問題を引き起こす事もありそうもない。拡散係数は分子の体積や形にも依存するという事は承知の上で、適切な溶媒の範囲を選ぶ事によって、理にかなったHSPとの相関があるかどうかを見極める事ができる。HSPと距離の値は [17.6, 13.5, 10.2, 4.3] で、これは妥当な値だ。この相関は破過時間、言い換えると拡散係数に基づいているので、分子の体積が効果的な役割を演じる事は明らかである。それらを除外すれば、透過性の不足が分子の大きさの効果だったという理にかなった根拠に関して、上記のものとあまり異ならない値を与える。それゆえ,元Unilever社のMartin Barrattには,彼の皮膚に対する刺激性のデータ。 それにもかかわらず、合理的なフィティングで得られた値は[17.3, 8.4, 7.7, 5] となり、皮膚の透過性試験から得た [17.6, 13.5, 10.2, 4.3]という値から遠くない。もっと多くの、そしてもっと首尾一貫した皮膚への浸透性と皮膚への刺激性、両方のデータがあったのなら、より良いフィティングとよりよい一致が見られただろうとは自信を持って言える。有名なPottsとGuyの皮膚透過係数とLogKow (オクタノール/水分配係数)+分子量の相関が導きだす結論は上のものとは全く正反対だ。それらが皮膚を膨潤させる事は、皮膚は本当に高いδP と δHの値を持っているという良い証拠である。PottsとGuyの相関はオクタン/水(これはより強い疎水性/親水性の尺度である)の分配係数ではない。

このような大規模なフィティングのためのデータセットに対しては、危険をはらんでいるが、これらのデータを見る最も賢明な方法はJmaxは単にSolubility * Diffusion Coefficient/Skin_Thicknessだと言うことのように思える。ここで、Cは融点に基づく項(液体では0になる)、Eは”組み合わせのエントロピー”項でこれらのデータ全てで許容誤差範囲なので無視出来る、Aは活量係数項、そして、Hは、水とアルコール溶媒を考えるときの疎水性効果の項を示している。それは論文でよく引用される -0.02278という値とは異なっていることに注意してほしい)Aの値は化合物と皮膚のHSP距離から推算する事ができる。 そこで、我々は分子体積に基づく、拡散係数の単純なベキ乗則依存性も使って(最外層の)皮膚への溶解性と簡単に推算できる。しかし、非医薬品の一般的な皮膚透過を研究するコミュニティーや比較的単純で小さい分子だが高濃度で使う化粧品に関わるコミュニティーに、多くの影響を与えているのは明らかだ。結晶(融点)の項はとても重要であるので、大きな医薬品用の分子にHSPが大きな違いを与えられないのは驚くべきことではない。 しかし、乗り物(つまり、50:50=エタノール:テルペン)が皮膚と医薬品の両方とよく合うのを確認することで、2-5という全ての重要な要因が働き始める。しかし、HSPは皮膚透過促進剤のささやかな効果に需要な洞察を提供し、エタノール/テルペン混合物、そして、化粧品や香料などで見られる液体基材のような皮膚の製剤に一般的にみられる成分の混合物の効果を介して、首尾一貫した、数値的な思考のための言語を提供すると主張している。

Chapter 15 HSP and Diffusion

Chapter 16 It’s your call (Rational Selection of Chemical Protective Gloves)

第15章 あなたが決めてください

話をもっと明確にするなら、化学療法で使われる、非常に高い細胞毒性のある薬を安全に扱うことを事のできる手袋を病院のスタッフに推薦するとしたらどれを勧めますか? 採用する事のできる一つのアプローチは該当するすべての手袋に対してすべての細胞毒性のある薬の浸透性を試験するように強く主張することだ。 しかし突破してしまう時間が360分だと予測されたら、安全に対する時間の余裕、つまり自信を持って手袋を着用できる時間が十分に大きければ(逆に言えば手袋を着用して薬を取り扱っている時間が十分に短ければ)それが実は300分か600分かは気にしないだろう。繰り返すが、もし分子が特別に直線状でないなら、与えられた分子の体積の拡散速度の半分の値を控えめな推算値として使う。大きなRED値は、疑い用も無く長い透過時間を意味するが、与えられたRED値から実際の透過時間はどうやれば得られるのだろうか? もし、Cyclophosphamideをニトリル・ゴムの手袋20分 [17.5, 7.30, 6.50]半径5.1と比較するとRED値は1.5になる。 もし溶媒の透過時間が1時間と比べるなら、手袋のHSP値は [16.60, 9.10, 4.40],半径10.0と異なったものになり、RED値は大きく下がり、0.88になる。そこで、拡散係数と濃度の代表的な曲線を使う事によって、ある濃度でのDmax/D0 を推算したり、とても濃度の低い領域での透過時間を拡張して推算したりする事ができる。 本質的な透過時間が45分と推算し、(上の表から)1.5ぐらいのファクターをかけたとしても70分で、この事は実際には我々の判断を大きくは変えない。そして、手袋を2つ重ね着するのは(ひとつが偶発的に穴があくなどの場合もあるので)良い習慣で、また、透過時間は厚みの平方で長くなるので、2つの手袋をすれば200分以上の透過時間を得られる。( ブチルの手袋は、CyclophosphamideのREDは2.8で20分、2.0で4時間なので、とりあえずの予測値は240分以上になる。 そこで、形と大きさのファクター1.5を加えて、360分以上(6時間以上)の使用時間となる。 ポリエチレンはそのような種類の薬とのHSPの距離は離れているので、手袋とした時には拡散という観点で見ればとても優れたバリアー性を持つ事は明らかだ。 Cyclophosphamideとニトリルの手袋の計算では、非常に精度の高い計算とは言えないが、ニトリルの手袋を長い時間使う事は薦められないと言い切れるほどには正確である。 同様に、ブチル手袋お計算も非常に正確とは言い切れないが、午前中使い続けるくらいには安全だとか、深刻な流出物を掃除する間は安全だとか言えるぐらいの十分な余裕はある。もし専門家が”細胞毒性の可能性のある薬品を、100%安全に取り扱えると保証できる手袋は無い”というなら、医療の専門家による、癌の患者の生命を救う可能性は実際上決して提供されないだろう。 もし、専門家が”どの手袋も高精度には計算できないから、自分で判断してくれ”というなら、医療の専門家に必要の無い危険を求めるか、実験結果が出るまで過大に長く待たせるかしなければならなくなる。カプサイシンの .mol ファイルを読み込んでY−MBで推算してみると、(もしユーザーが自分でやってみたいなら、そのファイルはExamplesフォルダーにある)推算値はシクロフォスファミドや他の細胞傷害性の化学品に似ている事が分かった。そこで、もし次回、彼が唐辛子オイルを作る時にはニトリル製の手袋をするか、つけ心地が悪いのを我慢するなら、ポリエチ製の手袋を内側に、外側にラテックスかニトリルの手袋をする事を薦めることができる。


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