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2011.12.10
以下の要約は電子ブック日本語版をマックで機械的に約10分の1に要約したものです。
しかし、それは相対的に少量の架橋を必要とするだけなので、たとえ、その現実のポリマーが、2-3%のアルコール、アミン、メタクリレートなどの反応性基を持っていたとしても、ポリマーのHSPは標準の修飾されていないものと見なしてよい。 実在のシリコーンの代表的なHSP値は [17.1, 2.2, 3.1, 5.7] のあたりだ。...挑戦したいのはこのシリコーンをHSP[17.4, 10.5, 9, 7.9]のエポキシと混合したい事である。...ポリマー・フォームではアクリレート [20.7, 4.1, 10.7, 11.5]とエポキシ [18.5, 9, 8, 9.8]という値を提供する。...溶解性の全くない溶媒の混合物が非常に良い混合溶媒に成りうるという、目を見張る,しかも想像だにしない予測がHSPからでてきた。... Polymer88Eを選ぶと、そのHSPは [19.3 ,6.0, 10.4, 10.5]である事が分かる。 データ表を探すと、Diethyl etherは [14.5, 2.9, 5.1] 、Propylene carbonate [20.0, 18.0, 4.1] でどちらもこのポリマーを溶解しない。 しかし、50:50 の混合溶媒は [17.3, 10.5, 4.6]となり、これはEポリマーの”球”の内部にくる。
科学では良くある事だが、一つの問題(例えばポリマーの接着)の議論から得られる洞察は全く関係のない分野(つまり、条件が少し変わっただけで、とても粘稠になるポリマー溶液のかく乱因子)の理解にとても役に立つ。...ポリエチレンのような表面エネルギーの低いポリマーの接着性は低い、しかし、ひとたびコロナ処理をすると、(a)表面エネルギーが高くなり、コーティングするときに球を作ってはじいてしまわないで、滑らかに塗れる、(b)接着性が高まる、事はよく知られている。...コロナ処理をした後のポリエチレンの接着力が劇的に向上するのは、表面のポリエチレン結晶が破壊され、インクと相互作用できるむき出しの(そして、幾分か官能基がついた)ポリマー表面が接着に寄与する、というのが実際のところだろう。”... 例えば、”ヤモリのように”良い接着剤を使ったインク層が、現実の試験条件下ではとても簡単にはがれてしまうなどという事はよくある事だ。 我々は、すぐにそれらの力がどのくらいかを示すが、表面エネルギーによる接着は~0.1J/m2程度で、実際の接着を説明するエネルギーの100-1000分の1にしかならない。...ポリマー鎖をからませる為には、(そしてからんだ状態を保持させる為には:つまり、溶媒の相溶解化剤のような一時的なトリックはこの場合は無視する)ポリマー鎖が広がる時には、それに反してお互いが近づくので熱力学的に、より安定である必要がある。 もしとても良く似たHSPをもつ二つのポリマーを混ぜる(極端な事を考えれば、HSPの全く同じもの、つまり全く同じポリマーを混ぜる)ならば、それは(動力学的に促進するように熱や溶媒を使うにしろ)容易に絡み合うだろう。...HSPの距離が短いという事は、もし、溶媒や熱処理など動力学的な混合の助けがあった場合には、接着剤としての潜在能力が高い事の指標となる。... ポリマーのHSP半径が小さという事は、分子量が大きい、結晶化度が高い、近寄りにくいなど色々な理由がある場合にはさらにHSPがぴったり合わなくてはならない事を意味する。...b は平均的な結合距離、bs (紛らわしいことに、しばしば、bと表される) は統計上の、もしくは、“Kuhn”距離、zはサイズがCのユニット・セルにあるモノマーの数、jはモノマーの間の結合の数(例えば、PS, PMMA, PEで2,PCで12)、 M0 はモノマーの分子量である。...Ne<1 (つまり、臨界絡み合い限界以下)の時には結合力は小さく、Ne>1では線形の依存性を持つことを示す良い実験データがある。...このポリマーはPS部分は絡み合い長さ以上であり、PVP部分はそれ以下である時に破断エネルギーは~5J/m2を示し、全ての剥離はPVP側であった。 ...それは [η] = KMwaという式で、aはシータ溶媒で0.5で、通常はそれよりも大きい(典型的には0.6-0.7)。 これらの値をHSPiPに含めるのは実際的ではないので、得られたK0の値と、シータ溶媒のRgを使った固有粘度の計算(Mw1/2をかけて)をクロスチェックして使うと良い。... この相互作用の為、ポリマー粘度を報告する際に使われる従来の方法である一般的な”希薄溶液”の式、ηp/ ηsは次式で与えられる。...我々の知る限りそのようなものは存在しない)代わりに、あなた自身のシステムで何が起きているかをより良く理解できるよう、分子量の効果、溶媒の相性(RED値)の効果、濃度の効果などを一般的に見ることができるようなモデラーを提供しようとしている。...そして、3番目の項もV1を含んでいるので、直感と実際的な経験から小さな溶媒は大抵は良く溶解する方向である事が、すぐにわかる。 ... 特に、10,000:100=ポリマー:溶媒という典型的な例では、溶媒は0.605というChi値に変換される重要な値に変曲点を与える。 ...そこで、ポリエチレン(おそらく、わずかに官能基が生成している)からの距離がそんなに大きくない通常溶媒が、低い温度で、ポリマーフィルムの表面数nmと強く相互作用する機会を持つ。...距離がより小さくなれば、古典的なHSPの溶解実験でポリマーがその溶媒に実質的に不溶で有ることを示していたとしても、ポリマーに溶解する溶媒の量がより多くなる。...最後に、水の場合、炭化水素に溶かそうとする時には分子体積は余り違いが無いが、より小さな溶媒はポリマーの溶媒としてはより優れているという一般的な規則に立ち戻る必要がある。... ただ溶媒の分子体積を100から90に変える事で(HSP距離は同じに保ったとして)臨界溶解度の状況は良い溶解性に変わる。
そして、とても黒くて粘度が高いので、例えば、アスファルトに加えたポリマーが、溶液になっているのか、分散しているだけなのかすら解らない。 そして、もちろん、溶解しているか、分散しているかがアスファルトと道路の表面の究極の物性を大きく変える。...それから、”良い”とか、HSPiPで言う所のSphereの”内側”というのがどんな意味を持つのかを定義する必要がある。... ”良い”に分類された溶媒を違うスコアーと見なした時の効果をこのソフトは見積もることができるのはありがたい事だろう。...ポリマーとしてポリエーテルスルフォンを使ったとしたら、"Spheres"ははっきり分かれ、そしてアスファルトと混ぜても固体として分散する以上の事は何も無いだろう。...アスファルトとスチレンーブタジエンのブロック共重合体(SBS)のプロットは、SBSが道路建設でアスファルトと一緒に使われる鍵となるポリマーなのでより興味深い。...SBSが2つの全く異なった重合構成物からできている事、そしてポリスチレンとポリブタジエンを比べた場合、この二つはお互いにほとんど混じり合わないこと、これがSBSが”おもしろい”ポリマーである理由だ。...アスファルトのHSPがこんななので、高い温度、低い温度の両方の温度に最適な性能が出る為の、適度に境界に近い親和性が達成された。... 例えば、ポリマーAの"Sphere"は小さくて完全にポリマーBの内側に入っていたとしたら重なりのスコアーは100%だ。 しかし、ポリマーBの"Sphere"はとても大きいのでポリマーAとの重なりは小さな%、そう例えば20%としよう。... この"double-overlap"のスコアーを使わないと、球のお互いの重なりについて間違った結論に飛躍しがちだ。...あなたの問題にしているアスファルトにHypalon 30を使うかどうかは、あなた次第だけど、これが非常に高い親和性な事は確かだ。... ほんの数点実験するだけで、どこを探せばおもしろい親和性、もしくは親和性のないポリマーが見つかるか分かる。
顔料が溶媒中で”幸せ”かどうかの概念を導入する事は、ある意味敗北を認めるようなものだろう。... もし、HSP空間を渡る溶媒を使って”幸せ/不幸せ”を判断し、そのデータを”Sphere”に持ってくるとカーボンのHSPが計算できる。... そして、早く沈降する顔料は遅く沈降する顔料より溶媒に対する相互作用が小さい事に基づいて点数付けする事ができる。...ts の値そのものより、RST値が溶媒の”良い”、”悪い”の間を決定するのに使われるべきだろう。...事実、カーボンブラックの種類はとてもたくさんあって、その表面状態は皆、異なっていて、従って溶媒やバインダーとなるポリマーとの相互作用力もとても異なっている。... しかし、このことはバインダーと溶媒の相互作用が非常に強くなり、バインダーと顔料の相互作用が圧倒されてしまう事を意味する。 もしバインダーが溶媒と顔料の間くらいのHSP値で、溶媒がバインダーの境界ぐらいのHSPだったら、バインダーの一部は顔料と強く結合する傾向にあるだろう。 多分溶媒と親和性のある部分を外側に残し、そして、それによって全体としてとても良い溶媒親和性を与え、一方、溶媒が蒸発する時にはバインダーは顔料にとても良く集中している事を確保している。... 実際の顔料の分散の為の良い手始めを思いつく為にしなければならないことは、顔料とバインダーのHSPを得る事だ。 ソフトウエアーを使う事によって、顔料からは十分遠くはなれ、しかしバインダーの"Sphere"の外輪に位置する溶媒を素早く見つけ出すことができる。...旧来の表面エネルギーの計算の向こうに、他の表面に拡張でき、深い洞察を与えるDr Williamsのテクニックが使えるかどうかを見る事は非常に興味深い。 表面エネルギーがダイポール、極性、ルイス酸/塩基 などの各成分に分解されるように、HSPがδD, δP, δHに分解され、表面の実り多い理解につながる事が判明するような興味深い研究プロジェクトのように思える。
この章ではどちらかというと簡単な問題を議論するが、原理原則は、巨大なサメの水槽を含む、多くの異なった状況にも適用可能である事は記憶にとどめておいてほしい。...そこで、半径の外側の溶媒が安全かどうかの判断を下す時に、(もし溶媒が小さくて悪い方に転がったとしても大丈夫なように)慎重すぎて失敗するするぐらいのつもりでやるといいだろう。...最初、HSPのSphere(球)は溶解度を基本に計算されたのではなく、溶媒中でポリカに亀裂が入るのにどのくらいの負荷が必要かで計算された。( 他の文献から得られたデータによって修正されたものを含む)データから再検討すると、Sphere(球)は驚くような値、[21.9, 10.2, 5.2, 13.8]になった。... 現時点で明らかであろう、すでに述べた理由で、先でのデータ解析には強制的に[21, 7.6, 4.4, 10.2]を使うことにする。 ...驚くことではないが、RED値が小さい事と、クラックが入るまでの歪が小さいことには一般的な相関がある。 しかし、分子体積の小さな溶媒はPC:ポリカーボネートから遠く離れるべき(つまり大きなRED値になるべき)ー言い直せば、あるREDが与えられたとすると、小さな溶媒はより大きなストレス・クラッキングを与える事も明らかになった。 REDとクラックが入るまでに必要なストレスのグラフ(図示なし)では、(予想通り)大きなREDは高いストレスが必要であるという一般的傾向がある。...例えば、Jaquesの論文の詳細な解析が、(我々の予想通りに)分岐のある炭化水素は分岐の無い同等のものより大きな臨界ストレスを必要とすることを示している。...フィティングされたこれら4つの球の半径はそれぞれ、PMMA 8, PC/PSF 10.5, PPO 13.5となる。 PPOのように大きな半径を持つポリマーは、分子が近づくのがとても容易で、MVolの影響が小さくなるのは(ただし、もちろん、それはかなり多くの実験データなしには証明されないが)合理的に思える。... 後に述べるESC予測では、我々はMVol依存性を、半径が13の時に最小の0、そして線形以上で半径が0で依存性の値が2.2(フィティングであり物理的意味はない)にセットした。 ...2次文献からデータを入力するのに時間を費やし、不合理なプロットを得て、それから、そのデータは間違って引用されたものだと発見することは、酔いも醒めるような経験だった。... ESCは、HSP、分子体積、枝分かれ構造などの溶媒の形、ストレス、(時には)表面ストレスに依存するので、完全なESC予測機能を備えることはできない。...まとめると:ESCを避けるためには、使う溶媒がSphereの十分外側で、分子体積が大きく、可能であれば、枝分かれしている拡散しにくい形であるか確認する。 ポリマーが大きなストレスを受けるようなら、たとえ大きな体積の溶媒を使っていたにしても、"SPhere"のより外側の溶媒を使うべきだ。 ポリマーの側としては、加工条件が許されるなら、より高い分子量のポリマー(2峰性)を少量混入させると、ストレスークラッキング性を非常に向上させることが知られている。
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