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2022.7.28
水は1気圧100℃で沸騰するというのは、科学的事実であって、著作物ではありません。
誰がその値を使っても問題ありません。
溶解度パラメータは、大元のHildebrandのものが発表された後、さまざまな溶解度パラメータが発表されています。
HildebrandのSP値は次式で計算されます。
SP=sqrt(Hv-RT/Mol Volume)
Hvは蒸発潜熱、Rはガス定数
なので科学的事実に相当するのかもしれません。
データ集などにその値が記載されています。
Hansen先生は1967年にHildebrandのSP値を分散項(δD)、分極項(δP)、水素結合項(δH)に分割しました。
これは3次元の溶解度パラメータとも呼ばれます。
そのトータルのSPを分割する方法に関しては様々な方法があります。
もし、科学機器での測定値が出るようになれば、科学的事実になるのでしょうが、現在は策定者の分割ポリシーによって色々なSP値があります。
3次元溶解度パラメータには、Hansen以外にもvan Krevelen, Hoyの溶解度パラメータなどがあります。
項目としては分散項(δD)、分極項(δP)、水素結合項(δH)となりますが、分割の思想が異なるので、別の溶解度パラメータとして区別されています。
特に、van Krevelen先生は"Properties of Polymers"の著者で、ポリマー系、モノマー系に強い先生です。
ポリマー系では他にはFedors法、Small法の溶解度パラメータがあります。
ポリマー系の先生の推算方法は蒸発潜熱ではなく、凝集エネルギー密度(Cohesive Energy Density)から計算する事が多いです。これはポリマーは蒸発しないので当然の事です。
同じ3次元の溶解度パラメータで、Hansen法、van Krevelen法、Hoy法でどこが違うのでしょうか?
それは極性化合物の取り扱いが異なります。
極性化合物以外では、δP,δHがゼロになります。
そこで次の式が成り立ちます。
δtotSP2 = δD2
そこで、どの式も同じδDになります。
問題は、極性化合物のδD以外の蒸発のエネルギーをどのようにδP,δHに分割するかです。
ハンセン先生は誘電率やダイポールモーメントからδPを決めていますが、当然大きな問題点があります。それは分子に対称性があるとダイポールモーメントが無くなったり、水素結合と言うのも当然ダイポールモーメントを持つので、それをどう分割するかは、研究者によって考え方が異なります
実は、totSPは実験値として決まると言いましたが、それも間違いで、低分子のカルボン酸はダイマーで蒸発するのでとても小さな蒸発潜熱になります。
そこで低分子のカルボン酸のtotSPはハンセン先生が定めたものになります。
そうした分割に関する秘話をハンセン先生から直接色々お聞かせいただいたことはY-MBを作るのに非常に大事なことでした。
van Krevelen法などは分子の対称性などを利用して値を変えて行くので、分割ポリシーはハンセン法とは全く異なります。
このように、ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)と言うのは、ハンセン先生(最近では、Abbott先生、山本博志の3名で)が、我々の分割ポリシーによって分割した値であると言う事です。
関西大学の山本秀樹教授は、
生体関連材料におけるHansen Solubility Parameter(HSP)の推算と応用
資料の中で、JKU-HSP法を用いてアミノ酸のHSPを推算した、と記載しています。
関西大学の山本秀樹教授は、アミノ酸のHSPを推算する、JKU-HSP法では、どのような分割ポリシーを使ったのでしょうか?
自分らに都合の良いように決めただけなら、何故、関西大学版-3次元溶解度パラメータと呼ばないのでしょうか?
ハンセンの溶解度パラメータという名声にタダ乗りするためでしょうか?
何故、ハンセンの溶解度パラメータを推算したと言えるのか、根拠を示すべきだと考えます。
関西大学の山本秀樹教授らのやっていることは、自分らが恣意的に定めた計算式から出した答えを「ハンセンの溶解度パラメータ」と呼ぶことによって、「ハンセンの溶解度パラメータ」の値を任意に複数作り出し、HSPのコミュニティーを混乱に陥れているということです。
彼らがJKU-HSP法で推算した値を「ハンセンの溶解度パラメータ」と呼んで良いか、HSPiPのユーザーは一緒に考えて欲しいと思います。
それが許されるのであれば、HSPiPユーザーの出した論文や特許を回避する事ができてしまいます。
そして、自分たちの言う「自称ーハンセンの溶解度パラメータ」は他のHSPiPユーザーからは検証不可能で、「やりたい放題」になります。
関西大学、山本秀樹教授がハンセン溶解度パラメータの推算法を自称している件について。
自称-ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を使えば、やりたい放題か?
どんなに良い発表を行っても、自称しているだけなら信用されない。
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