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2022.7.29
関西大学版JKU-HSP法の恣意的な数値を「ハンセンの溶解度パラメータ」と呼ぶのを許すと、好き勝手やりたい放題になる。
先のページでも述べたように、関西大学の山本秀樹教授は、
生体関連材料におけるHansen Solubility Parameter(HSP)の推算と応用
資料の中で、JKU-HSP法を用いてアミノ酸のHSPを推算した、と記載しています。
公式ソフトウエアー、HSPiPで計算するのとは異なる、独自の値を「ハンセンの溶解度パラメータ」と自称しています。
何故、大学の学芸会みたいな発表にめくじらを立てるのか?と言われますが、HSPiPユーザーは一緒にことの是非を考えてください。
関西大学で行った事をまとめます。
「JKU-HSP法を使ってアミノ酸のHSPを推算した。」そして「毛髪に近い成分の加水分解ケラチンのHSPを成分表に従って推算した」
HSPiPのスクリーン・ショットを使っているし、Sphere法を使って毛髪のHSPを決定しているので、彼らはHSPiPを使っています。
それなら、何故、アミノ酸のHSPをわざわざJKU-HSP法で計算しなくてはならないのでしょうか?
大学内部での発表だったらうるさいこと言う人はいないでしょうが、関西大学版-HSP法(JKU-HSP法)は適当な数値を並べているだけで、その出した値はハンセンの溶解度パラメータと呼べないことは先に書きました。
何故、関西大学は何の信用もないJKU-HSP法で計算しなくてはならないのでしょうか?
1つの仮説として、彼らは結論として、「毛髪のHSPと加水分解ケラチンのHSPが近いと言いたい」から、その結論に近い値になるように、JKU-HSP法の原子団パラメータを決定したのでは無いかと考えられます。独自の推算法なので、どんな値でも返すように調整できます。
しかし、毛髪のHSPはHSPiPのSphere法を使って出した、ある意味正しいHSP値です。
その正しい毛髪のHSPと加水分解ケラチンの計算値が合わないと結論が導けません。
そこで、JKU-HSP法の原子団パラメータを適当に調整したのでしょうか?
それだけなら、所詮、学部生のやったことと、笑い飛ばしていれば良いことです。
問題は、株式会社ミルボンと関⻄大学 山本秀樹教授との協働です。
2021.5.25 News Release
「株式会社ミルボンは、関⻄大学 山本秀樹教授との協働により、HSP法を用いて毛髪ダメージに対して高効果な補修成分を予測するシステムを構築した。」とあります
ミルボン社はハンセンの溶解度パラメータの公式ソフトウエアーHSPiPを購入していません。
と言うことは、ここで言うHSP法と言うのは、関⻄大学 山本秀樹教授の開発した、JKU-HSP法のことでしょうか?
予測システムと呼ぶ以上、新しい化合物の構造があったらHSPを計算しなくてはなりません。しかしミルボン社はHSPiPを購入していないので、HSPiPを使った計算はできません。
使えるのは、山本秀樹教授の開発した、JKU-HSP法でしょうか?。
先のアミノ酸の「自称-ハンセンの溶解度パラメータ」を使って補修成分の効果予測システムを構築したと主張しているのでしょうか?
何故、関西大学、山本秀樹教授の作成した、「3次元溶解度パラメータ法」を使ったシステムを構築したと言わないのでしょうか?
このような事になってくると、関西大学、山本秀樹教授が「ハンセンの溶解パラメータ」と言った場合、自分たちの恣意的なパラメータを指すのか、HSPiPの値を指すのかはわからなくなります。
中には、自分たちに都合の良い「ハンセンの溶解度パラメータ」を山本秀樹教授につくってもらって独占しようと考える企業も出てくるかもしれません。
これは、HSPiPのユーザーにとってはとんでもない事です。
彼らだけは、使い分けて、なんでもありになってしまいます。
好きなものを特許請求の範囲に含めてしまう事ができます。
ハンセン先生、Abbott先生と山本博志は、ハンセン溶解度パラメータ法とその公式ソフトウエアー、HSPiPの開発に責任を持っています。
そして、全世界から高く評価されています。
論文や特許ではHSPiP ver. X.Xを使ったと書けば、全世界の研究者が検証可能な結果と認知されます。
そうした、高い評価を受けているハンセン溶解度パラメータ法を「自称」する、ミルボン社と関西大学、山本秀樹教授は、我々のブランドにタダ乗りしようとしていると言われても仕方ないと考えます。
自分らが作成した、恣意的な値を返すソフトウエアーで、返す答えを「ハンセンの溶解度パラメータ」と呼ぶことで、信頼性を誤認させようとしているのでしょうか?
それを許して良いのなら、全世界の研究者が自分だけの「ハンセン溶解度パラメータ」を開発してしまえば良いのです。自分の目的のためには100%正しい答えを出すシステムが作成できます。他の研究者には検証できませんが。
動物実験で目に対する刺激性を予測するシステムを作るなら、刺激性のある化合物の「ハンセンの溶解度パラメータ」の値を適当に変えれば100%の精度で予測できます。新しい化合物が外れたら、適当にパラメータを調整すれば良いだけです。
自称-HSPを使えば、「HSP法を用いたXXX・システム」はいくらでも作れてしまいます。
何故、ミルボン社と関西大学、山本秀樹教授以外の研究者がそんなことをしないのかというと、それをやったら、サイエンスではなくなるからです。
「恣意的なパラメータで結果を表現する」「信頼されないから、信頼あるブランド名を自称する」ような研究者は他にはいないという事です。
2008年にHSPiPを販売始めて、このようなことは全世界で初めてのことです。
我々が、HSPiPを使って解析を行なった時に、「この2つの例外がなければパーフェクトなのにな」と残念がることはよくあります。
しかし、それならば、恣意的に値を作ってしまおうとは考えません。
「それが例外になったのには、我々が気がついていない、大事なサイエンスがあるはずで、その気づきを与えてくれた。」と考えます。
そう考えられないような研究者は、信用、信頼を失うだけだと考えています。
反論も含め、ご意見をお待ちしています。
関西大学、山本秀樹教授がハンセン溶解度パラメータの推算法を自称している件について。
自称-ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を使えば、やりたい放題か?
どんなに良い発表を行っても、自称しているだけなら信用されない。
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