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2009.8.13(2020.1.20改訂)

HSPiP Team Senior Developer, 非常勤講師 山本博志

ハンセン溶解度パラメータ(HSP)

混合のギブス自由エネルギー

ある液体から,分子を1つ取り出し,空隙を作る。そこに異なる分子を戻すことを考えます。

混合のギブス自由エネルギー(ΔG)は次のように書く事ができます。

ΔG=ΔH-ΔTS

ΔGが0かマイナスの時に混合が起きます。

ΔHはエンタルピー変化
ΔSはエントロピー変化

分子を取り出すのに必要なエネルギーを蒸発潜熱(Hv)と呼びます。
分子を戻す時には,溶媒和の熱が必要になりますが,蒸発潜熱と比べると大きく無いので無視する事が多いです。 温度Tは0以上で,エントロピー変化(ΔS)も乱雑な方向へ進むので,ΔTSは正の値になります。(前につく符号がマイナスなので-ΔTSは常に0以下になります。)

したがって,エンタルピー変化(ΔH)が,なるべく小さいもの同士が,ΔGが0かマイナスになり,混合が進みます。

Hildebrandの溶解度パラメータ(SP値)

ヒルデブランは,1964年,このエンタルピー変化(ΔH)を次式で表しました。

ΔH=φ1φ2V(δ1-δ2)2 

φ:体積分率
δ:SP値
この時に初めてSolubility Parameter(SP値)の概念が生まれました。

SP値が近いもの同士は,ΔHが小さくなり混合しやすくなります。

便宜的には,様々な液体のSP値は次式で計算され,便覧などに記載されています。

δ={(ΔH-RT)/V}0.5

ΔH:蒸発潜熱、R:ガス定数、V:分子体積

単位は,古いものは,(cal/cm3)1/2 を使う事が多かったですが,現在は,(J/cm3)1/2 になっています。(約2倍になります)

Hansenの溶解度パラメータ(HSP)

HSP: Hansen Solubility Parameters

Hansenは蒸発のエネルギーを3次元に分割しました(1967年)。 SP値を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断します。

このベクトルは[分散項、極性項、水素結合項]で表わされます。

(さらに水素結合項をドナー、アクセプターに分割すると4次元になります。)

HildebrandのSP値はHansenのSP値と次のような関係にあります。

Hildebrand SP2 = tot HSP2 = dD2 + dP2 + dH2

HSPベクトルの長さはHildebrandのSP値と同じになります。
そこで,HSPはHildebrandのSP値を完全に含み,かつ,ベクトルの向きまで考慮に入れて溶解性を検討する事ができます。

HSP公式ソフトウエアー,HSPiP

HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)

HSPを効率的に扱えるように、(ハンセン先生と)アボット先生と山本(私)がHSPiPというWindows用のソフトウエアー、データベース、電子書籍の統合パッケージを開発しました。

これを使うと溶解性に関する様々な疑問に答えてくれます。さらに、Y-MBという分子を自動的に分割し、様々な物性を推算する機能が山本(私)により付け加えられました。

HSPiPの購入方法

購入をお考えならよくお読みください。

HSPiPの解析例

自分のやりたい事に近いものが無いか調べてみてください。

HSP Club

HSPに関する情報をSNSで発信することにしました。

HSP利用分野

Agfa-LabsのF. Ruttens氏が2012年に調べてくださったものです。
現在は、1000を優に超えています。

HSPの実測

HSPを実測するには、HSPが既知の溶媒20種類程度で溶解試験を行う必要があります。High-Throughputで溶解試験を行なってくれる機関の情報です。

オランダ、アムステルダムのVan Loon Chemical Innovations (VLCI)

VLCIのHSPに関する資料

ベルギー、Mortsel(アントワープ)のAgfa-Labs

Agfa-labsのHSPに関する資料

東レリサーチセンター

High-Throughputではないかもしれませんが、東レリサーチセンターでも実測を受け付けてくださっているようです。
東レリサーチセンターのHSPに関する資料

日本でHigh-Throughput実測を立ち上げたい、VLCI, Agfa-Labsの装置を見学をしたいなどのご要望がありましたら、山本までご連絡をください。

HSP関連書籍

1967年に出版された,ハンセン先生の博士論文が,hansen-solubility.comからダウンロードできます。

image Book
Doctoral Dissertation: The Three Dimensional Solubility Parameter and Solvent Diffusion Coefficient, Their Importance in Surface Coating Formulation,Danish Technical Press, Copenhagen, 1967.
Hansen Solubility Parameters: A User’s Handbook CRC Press, Inc., Boca Raton FL, 1999. 208 pages. ISBN: 0-8493-1525-5. Second edition (shown) 2007. 544 pages. ISBN: 9780849372483
eBook: Steven Abbott, Charles M. Hansen and Hiroshi Yamamoto, Hansen Solubility Parameters in Practice – Complete with software, data, and examples, 1st ed. 2008, 2nd ed. 2009, 3rd ed. 2010, 4th ed. 2013, 5th ed. 2015. ISBN: 9780955122026.

HSP開発チーム

HSPiP開発チーム

Dr. Hansen (left), Prof. Abbott (center), Dr. Yamamoto(right)

開発を行っているのは、この3人だけです。
毎年1回イギリスのAbbott先生のお宅に集まって開発者会議を行っています。

HSP 50周年記念事業

HSPは今年(2017)、50周年になり、イギリスのYorkで50周年記念講演会が開かれます。山本は基調講演を2つ受け持ち、次世代HSP2 の話をします。HSP2 のというのは、Hansen-Hiroshi-Steven Solubility Parameters for Predisction (HHSSPP)で HSP2 です。

予稿集の日本語版を公開しているので興味のある方はどうぞご覧下さい。

新しいパラメータも増え、使い方も大きく変わります。現在、βテスターに使って頂いて問題点の洗い出しの最中です。将来、HSPiPに搭載される予定ですのでお楽しみに。

特許に見るHSP

日本の特許で溶解度パラメータに関するものをまとめてみました。 古いものなので、また再開しようと思います。

ユーチューブ

溶解に関するもので見つけたら、ご連絡ください。

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