2022.9.3改訂(2009.8.13)
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セルロール誘導体の溶解性:
Eastman社のグリーンソルベント、セルロース誘導体の溶解性のデータからhsdやsofファイルの作り方を学び、自分独自の溶媒セットから必要な溶解性を持つ混合溶媒を設計する方法を学ぶ。
高分子の溶媒探索法:
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)を使ったポリマーの溶媒探索法:ある高分子があったときに、それを溶解する溶媒を探索したいという要望は多いと思います。ハンセンのSP値を使った、溶媒、混合溶媒の探索方法を紹介します。ポリマー同士の溶解性や相溶化剤の設計にも溶解度パラメータの考え方は重要です。一つ一つは貧溶媒でも、混合溶媒になると良溶媒になる場合があります。この現象を理解しようとするなら、HSPを使わなくてはダメでしょう。
ポリマーの酸化防止剤のハンセン溶解度パラメータ(HSP):
酸化防止剤のポリマーへの溶解性をハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を使って理解する。酸化防止剤のHSPはY-MBという物性推算機能を使って推算し、HPLCの結果と比べることで、その信頼性を検証した。ポリマーに良く溶けていれば少量で長持ちするはずであるので最適化を行うことができる。
ポリマーの防カビ剤のハンセン溶解度パラメータ(HSP):
ポリ乳酸を用いたポリマーは生分解性が高く土の中に埋めれば半年から1年で分解される。しかし、一般のポリマーも結構カビが生えやすいものだ。例えば浴室の洗面器も使い始めて3年ぐらいでカビが生えてきた経験はないだろうか? これは正確にはわからないけど、高分子材料には防黴剤が配合されている。それが、溶出してしまったのではないだろうか。そのカビにカビ・キラーをかけると、一瞬綺麗になるが、また、今度はすぐにカビが生えてくる。これは防カビ剤が表面にいないからだろう。それでは防カビ剤を長持ちさせたかったら何が出来るだろう? 高分子と防カビ剤の溶解度パラメータがよく合っていれば溶出しにくいといえる。
ポリマーの可塑剤:
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)と可塑剤:高分子、例えばポリ塩化ビニルであれ、ポリ乳酸であれ可塑剤を入れなくては、硬くてボロボロして使いものにならない。HSPは古くからポリマー関係に使われてきたこともあって、可塑剤関連のオフィシャルなHSP値は充実している。従ってGCやHPLCの実測値と比較すると、かなり精度良くリテンションを推算できることがわかる。さらに具体的にニトリルーブタジエン・ゴム(NBR)の可塑剤を、HSPと分子体積の両面から評価してみた。大きな分子のものを使うにしても、あまりNBRとHSP距離が短いと、やはりブリードアウトしてしまいそうである。
離型剤の洗浄溶媒:
高分子を射出成形したときにポリマー表面に残る離型剤だけを溶解し、ポリマーを溶解しない溶媒を探したい。といった状況の時にハンセンの溶解度パラメータをどう使うのかを解説する。ポリマーブレンド、相溶化剤の開発にもつながる基本的な考え方。HSPiPのデータベースから希望のHSPをもつ溶媒を探す方法の解説
パッキンの耐溶剤性:
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)とパッキンの膨潤性:特にパッキンに使われるようなポリマーであれば、どんな溶媒に使えて、どんな溶剤には使えないかの情報は豊富に存在するだろう。しかし、あるものでは貧溶媒なのに、貧溶媒同士が組み合わさると良溶媒になってしまうケースに付いては、他の溶解度理論ではお手上げになってしまう。そのような場合でもHSPは良好なガイドラインを示すことができるため、広く応用されている。
リチウム電池の負極用バインダー樹脂:
ポリフッ化ビニリデンの膨潤性。ポリフッ化ビニリデン(ポリビニリデンフルオライド)はリチウム電池の負極剤のバインダー樹脂として用いられている。この樹脂がリチウム電池で使われる溶媒で膨潤し,電池性能が低下するという問題がある。この現象をハンセン溶解度パラメータ(HSP)を使って解析してみる。またどのようなモノマーを共重合した場合に膨潤が抑えられるか、Pirikaのラジカル重合シミュレータを使って解析する。V.3.1.Xに搭載のDouble Spheresの機能を使うと、膨潤させる溶媒に対する新たな知見が得られ、改良の方向が見えてくる。
ニトリル・ブタジエンゴム(NBR)の膨潤性:
ニトリルブタジエンゴム(NBR)は主な用途として、オイルや燃料油等に接触する部品として ホース、ガスケット、オイルシール、その他に 製紙ロール、履き物、樹脂改質剤、接着剤などとして使われる。耐油性が極めて優秀であり、加工性が良く、機械的強度も高い。耐油性も高い事から、自動車産業にも無くてはならないゴムである。このNBRゴムの耐溶剤性のデータを入手したのでHSPを決めなおし、混合溶媒に対する耐久性を検討した。またこのゴムに対する可塑剤を溶解度パラメータと分子の大きさから再評価した。
分離膜用のキャスト溶媒探索法:
パーベーパーレーション膜、ウルトラ・フィルトレーション膜のキャスト溶媒をハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を用いて検討する。水の通り道をグラフトポリマーで設計するなどというときは、ポリマーはミクロには相分離構造をとっていたほうがいいかもしれない。そのような場合の溶媒の設計方法を解説する。

ポリマー溶液の固有粘度の推算:
Mark-Houwink parametersの値を収集した。このパラメータとHSPの関係を検討した。ポリマー溶液の粘度は、接着剤に使う場合、インクジェットのインクに使う場合、ポリマー膜のキャスト溶媒、化学工学上のプロセスデータなどに非常に重要な物性値である。これが構造のみから予測できると応用は広がる。
接着とハンセン溶解度パラメータ(HSP):
日本では接着現象はHildebrandのSP値で説明されることが多いが、これは定量的な水素結合項を持たず現象の理解には力不足である。ここでは、クロロプレンゴム、エポキシ系の接着剤の溶媒に対する溶解性、膨潤率をSP値やHSPを利用して解析する例を紹介する。接着剤のミクロ相分離構造が溶解性にどう寄与するかをSOMを用いて考察する。
ポリビニルピロリドンとハンセン溶解度パラメータ(HSP):
ビニルピロリドン(N-Vinyl-2-pyrrolidone) は親水性のモノマーとして知られており、その重合体も親水性になり水によく溶ける。そこで、水に不溶性の物質を乳化させるときなどに、分散安定剤として用いられたり、インクジェット用のインクに混ぜ、ノズルが乾きにくくしたりする用途に用いられる。ポリマーの細胞毒性は非常に低く、切手の糊や化粧品や錠剤(医薬品や食品)の結合剤などにも使われている。この共重合体のSP値を検討した。
硫黄含有導電性ポリマーとハンセン溶解度パラメータ(HSP):
硫黄を含む導電性のポリマーのHSPを決定した。そのメイン骨格のHSPはC60、フラーレンのHSPに非常に近く、バインダーとしての高い性能が期待できる。Double Spheresの機能を使った解析では、ポリマー中に非極性な部分と、ケトン程度の極性の領域が現れる。その出処が興味深い。
電子書籍の要約版(マックによる機械要約)
Chapter 2 The Sphere (The Preferred Method of Visualizing)
e-Book: 第2章 球
HSPは分子間に働く力を、分散力、極性力、水素結合力に分けて考える。この各々のエネルギーをx、y、z軸に投影する。あるポリマーを溶解する溶媒のHSPを3次元にプロットすると溶解するものとしないものの境は球を形成する。この球の内側に来る溶媒はポリマーを溶解する。
Chapter 3 Your first HSP Sphere (Determining the HSP Sphere)
e-Book: 第3章 最初の1歩
例えば塗装における工程のように,ポリマーを溶解したいとしよう。コストや健康&安全、環境影響上の厳しい制約があり,良い混合溶媒を見つけるのはとても難しい。20個のガラス瓶を用意し最初の1歩を踏み出そう。
Chapter 6 Coming together (Polymer Compatibility)
e-Book: 第6章 ご一緒に
全く混じらない2種類のポリマーを両方溶かす溶媒はどうしたら探索できるだろうか?両方のポリマーのHSPを使えば簡単にできる。
Chapter 7 Sticking, Flowing and Dissolving (HSP and Adhesion, Viscosity and Dissolving)
e-Book: 第7章 接着
ポリマーのHSPがいかに接着力に貢献しているかを見る。接着剤としてのポリマー、溶媒のHSPを設計する事によってくっつきにくいものを接着できる。
Chapter 10 Cracks in the system (Environmental Stress Cracking)
e-Book: 第10章 クラックが入る。
デンマークの水族館で巨大なPMMAの水槽が火事にあった。ダメージがどのくらいか?熱履歴のかかった部分のHSPを見る事でクラックは入らないだろうと予測された。
Chapter 11 Let‟s make this perfectly clear … (Formulating clear automotive lacquers)
e-Book: 第11章 完全に透明な被覆を作ろう。
イソシアネートとポリオールから透明なポリウレタンを作ろうとすると、ポリマー化の際にHSPが極端に変わってくる。そのような系では試行錯誤でコーティング液を作るのは至難の業である。
Chapter 12 That‟s swell (HSP and Swelling)
e-Book: 第12章 それは膨潤だ。
同じポリマーなのにHSPの値が極端に異なる場合がある。PCTFEを例にとると塩素の部分とフッ素の部分で溶媒に対する親和性が大きく異なる。そこでHSPの値もばらついてしまう事がある。そうした部分的な膨潤があり得る系では扱い方にノウハウが必要だ。
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