マイクロ波と3つのMI

2021.9.18

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MAGICIAN(MAterials Genome/Informatics and Chemo-Informatics Associate Networks)
MAGICIANとは、材料ゲノム(Materials Genome)、材料情報学(Materials Informatics)、情報化学(Chemo-Informatics)を結びつけて(Associate)ネットワーク(Networks)を構築していかれる人財です。

マイクロ波と3つのMI

3つのMIとはMaterials Informatics(材料情報学), Materials Integrations (材料の複合化), Materials Infrastructure(材料製造基盤)のことを指します。材料情報学的には、マイクロ波によって加熱される有機分子構造、無機物の原子構造はどのような特徴によって発現され、どうコントロールされるか考えます。それを活性炭などに担持させる場合には材料の複合化、工業的に作るには製造基盤などを情報学的に取り扱うことで、材料開発サイクルを最短化することを狙います。

「第15回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム」発表とMAGICIAN養成講座の連動ページです。

pirikaにおけるこれまでの取り組み

マイクロ波(MW)による加熱に関しては、これまでにもpirikaのwebページで紹介してきました。

こうしたテーマがあったときに、MAGICIAN的にはどのようにアプローチするのかを解説しましょう。

[その0、指定ページへ]

YMB(山本自作の識別子発生ソフト)を使って識別子を作成する部分やYSB(山本自作の解析ソフト)予測式を作成するプログラムはパブリック・ドメインには置いてありません。
差し当たって、学生か、手を動かし、バグやわかりにくいところをフィードバックしてくださる人柱の方々限定です。指定したリンクを別ページで開いてお使いください。
(人柱は何人募集?って、それは9人に決まっているでしょう。常識的に考えて。)
 
人柱は終了しました。 企業の人は、有償ソフト、HSPiPに搭載されているYMBを使ってください。

その1、データ収集

従来のサイエンスでは、「マイクロ波(MW)による加熱」に対して様々な理論式などを構築して理解を深めていきます。例えば誘電損失とマイクロ波の吸収には高い相関があるとか書籍には記載されています。
では、乳酸の誘電損失は誰かが測定してくれているのか?という問題が残ります。

データ駆動型(データ・ドリブン)の研究をとる場合には、同じように比較できるデータを収集します。

MWで加速された反応が数多く発表されています。
そうした基質の誘電損失、誘電率、ダイポールモーメント、tanδなどの値(温度依存込みで)が事前にわかっているなら、ビッグデータが手に入るので話は楽です。しかし、それはほとんど無い物ねだりになります。

私は、もう、かれこれ20年前にどのようにやってきたのか、無機物なども含めて紹介しましょう。

その2、識別子(Descriptor)の作成

これは、大きく分けて、有機物が対象か無機物が対象かで方法が大きく異なります。

有機物の場合、YMBのような熱力学物性値やRDKitのようなトポロジー的な情報を使うか、分子軌道計算結果を使うことが多いようです。

無機物の場合は、アメリカのマテリアルズ・ゲノム・イニシアティブの検討などを見ても、分子軌道計算、MD計算がほとんどのようです。

Pirikaはどの組織にも属さない個人のページですので、高品質な分子軌道計算ができるようなマシンは持ち合わせていません。逆に言えば、pirikaでやっているようなやり方でしたら、どんな弱小Gr.でも始めることができるでしょう。

その3、データ解析

最近のMIでは、データ解析は、Pythonなどを使ったPLS解析、ニューラルネットワーク法解析などが多いようです。

pirikaでは主にJavaScript(時々JAVA, C#)を使った解析を行います。
解析は、その2の識別子、記述子(Descriptor)の数やデータ数次第な所があります。
元々、ビッグ・データが期待できない事が多いので、ディープ・ラーニングなどは採用しません。

その4、応用

有機物に関しては、YMBやRDKitなどで解析できる分子構造であれば、MWでどのくらい昇温するかを予測することが可能になりました。

無機物に関しても、元素単体はほぼ全て、酸化物や塩化物は一部計算できるようになりました。

このような事ができるとどのような事に使えるのでしょうか?

その5、情報発信

これは、JSMEで分子を描き、RDKitの識別子を使って、1分間MWを照射した時の到達温度予測式(その3で作成)を返すWebアプリです。
自分で予測式を作成してしまえば、5分もあれば、このようなWebアプリを作る事ができます。
場合によってはpirikaでプログラミングの基礎を学ぶ必要があるかもしれません。

その6、さらに先へ

データ駆動型の研究というと、どの識別子を使うか、結果オーライでやっているようにも見えます。

最後に、MI的な方法で、温度や周波数依存性を考えてみましょう。

その7、フィードバックをお待ちしています。

あまりフィードバックがあったことはないのですが、もしあったら、それにお答えするページを作ろうと思います。(2024.8.23の時点でフィードバックはゼロです。)

理事長は、大学でのリカレント教育で、社会人にこうした講義を聞かせるのは必要だとか言っていました。pirikaで学ぶなら好きな時間に学べるので、わざわざ大学でやる必要もないと思いますが。ご意見をください。

ブログにコメントください。

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