こんにちは
pirika.comの山本です。
今日は界面活性剤のハンセン溶解度パラメータのお話しです。
このところ、界面活性剤をY-MBで計算しようとしたら失敗したという問い合わせが多いので、解説しておきます。
次のパワポ
確かに、YMBではイオン性の化合物のSP値は計算しません。
SP値の根本原理は、分子間力を切断するエネルギー、蒸発潜熱を空隙で割った値のルートをとったものです。
電荷を持ったり蒸発しない化合物は蒸発潜熱が得られないので計算しません。
これはY-MBの制限で、HSPの制限ではありません。
HSPiPへ
HSPiPでDIYボタンを選択し、Surfactantタブを選びます。
いくつかの界面活性剤については私たちが決めたHSP値がリスト化されています。
親水場と疎水場をプルダウンメニューで選択すれば分子として平均HSPを計算します。
パワポ
この平均HSPは体積平均で計算されます。
パワポ
このように、意味があるとは思えませんが値としては得ることができます。
パワポ
このHSPをハンセンの3次元空間にプロットしてみます。
青色の球が疎水場、赤い球が親水場を表します。球をクリックするとどの界面活性剤のどの部分か表示されます。
疎水場はサイズの違いはありますがHSPは比較的似ています。
親水場はサイズ、HSPともに大きく異なっています。
分子の平均で見てしまうと、紫のように違いが圧縮されてしまいます。
当たり前のことですが、界面活性剤は、大きく異なるHSPを一つの分子中に持っているから意味があります。
平均で見ると、エステルぐらいのHSPで分子が大きいだけになってしまいます。
なぜ、界面活性剤のHSPを計算しようとしているか、よく考えてみましょう