pirikaの重合シミュレータ、Poseidonを紹介する。
私は高分子の実験屋だったので、かなり昔から重合のシミュレータを作成していた。
ラジカル重合は 開始反応、成長反応、停止反応、連鎖移動反応で整理できる。
細かい反応は、教科書に書かれているので私が説明するまでもない。
成長反応、連鎖移動反応、共重合反応、そして反応性比を得るQ-e理論がある。
これらの式を使って30年以上前にシミュレータを作成した。
そのシミュレータのうち、POSEIDON CEはJAVAで作っていたため、今でも動く。
モノマー、溶媒、開始剤、必要に応じて連鎖移動剤をセットする。
そして温度と時間をセットしシミュレーションをスタートする。
どんなシーケンスのポリマーができるか、重合度、モノマーの消費量、開始剤の消費量、GPCシミュレーションの結果がえられる。
このシミュレーションはコンピュータの能力が低かったころのものだが、今でも重要な情報を与えてくれる。
こうしたポリマー中のモノマーの並び順はDNAのシーケンスのようにポリマーの性質を決定づける大事な情報だ。
何故、こうした技術に誰も手を出さないのだろうか? 不思議だ。
まー、実際にこんなことをやろうとすると、結構大変だからだろうか。