今朝新聞を読んでいたら、「一円でも値上げを許さない日本人の行動原理が、日本の生産性低下に拍車をかけている」とあった。
まー「Japan as No.1」の時代に大学生で、製造業の会社に35年間勤め定年退職した身としては、日本のプレゼンスの凋落ぶりは悔しい。
が、こんなことしていたら、凋落しない方がおかしいという実感があって、定年延長は辞退した。
原料費、運送費、製造費などがアップする。値上げはできない。それなら、より少ない人間で製造できるように工程合理化、より安く作れるプロセス開発だけが仕事になり、新しい付加価値を加え、より高く売るという発想は駆逐される。
後ろ向きの仕事ばかりなので、給料も上がらない。
ますます、より安い商品へと向かう。
今は、HSPiPというソフトの開発が主な仕事だ。
こちらは、そんな機能はいらないから安く売ってくれと言われるようなソフトではないので、気の済むまで高機能化できる。
子供の時代になったら、彼らはどうやって食っていくのだろうか?
一つの解決策は、ものの値段を一つにしないことだろう。
レストランの食事も、同じものを出すとしても、12:00−13:00の間は混み合うので高くする。高速道路、運賃などで普通にやっているように、値段をダイナミックに変える。
もう一つには、同一労働、同一賃金なんていう馬鹿げたシステムが許されるなら、類似商品、同一価格もありにすることだ。
昔は、通産省の集団護送方式とかでうまくいっていた。
きちんとした組織が、性能の悪いものを安く大量に売る(きちんとしたものを、しっかり投資して高く売ることを妨げる)ところにダンピング課税をして、ユーザーの買値を同じにして仕舞えば、出来の悪い安いものを買うことはなくなる。
ドイツなどでは、電気製品などに、平均利用可能年数を表示しなければならないそうだ。初期投資が多少高くても、長く使い続けられる方が結局は安くなる。
化学の領域はなかなか、そうした対策が取りにくいのかもしれない。
しかし、素材として、10年耐久の部品にはそれなりの素材を使ってもらう。
現状は、10年耐久になっても高くは売れないから、耐久性は3-5年で良いから、より安い素材を。となっている。
子供の世代は、やはり日本にいてはダメそうなので、外に出ることを勧め
る。