抗がん剤とヌクレオシドの関係

抗がん剤のハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を計算した。通常の溶媒と一緒にハンセン空間にプロットすると、抗がん剤のそばには溶媒は多くない。

それでは、さらにヌクレオシドと一緒にプロットしてみよう。

半透明の大きな球はヌクレオシドのハンセン溶解度パラメータ(HSP)の位置に半径5として描かれている。各色は次のようになっている。

DNAはA-T、G-Cが水素結合を作って2重螺旋構造を作る。

nucleosideSmilesColor
GuanineO=C2/N=C(\Nc1ncnc12)NGreen
AdenineNC1=NC=NC2=C1N=CN2Cyan
cytosineNC1=NC(NC=C1)=OYellow
thymineCc1c[nH]c(=O)[nH]c1=OMagenta

抗がん剤は、こうしたヌクレオシドのSphereの境のあたりに配置されるのが面白い。

このDNAは染色されやすく、細胞を染色すると見えてくるので染色体とも呼ばれる。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Onion_root_mitosis.jpg

よく使われる染色液は酢酸カーミンだろう。
これは、カルミン酸(Carminic Acid)を酢酸に溶かしたものだ。
本来は、鉄イオンやアルミイオンとキレート化させるが、とりあえず骨格だけHSPを計算してみよう。

dyesmiles
carminic acidO=C(O)c2c(c3C(=O)c1c(O)c(c(O)c(O)c1C(=O)c3cc2O)[C@H]4O[C@@H]([C@@H](O)[C@H](O)[C@H]4O)CO)C
No SugarCc2c(C(=O)O)c(O)cc3c(=O)c1c(O)c(O)cc(O)c1c(=O)c23

それができたら、ヌクレオシドとのHSP距離を計算してみよう。染色剤と一番近いヌクレオシドはどれだろうか?

こうした溶解性の検討にHSPiPは欠かせないソフトウエアーだ。