最近pirikaの古いページに関する問い合わせが増えている。今回はGs値の話だ。
これは以前、韓国のKAISTで講演と授業(2014年)を行った時の話の一部だ。単にGs値を予測するだけではなく、POSEIDONを使ってシーケンスを予測してハンセンの溶解度パラメータを使って現像液を考える話だ。
100eVあたりの主鎖切断数のデータはポリマーハンドブックなどを調べれば出てくる。それを予測する式はBigDataがあって、ポリマーを片っぱしからMO計算すれば出てくるようにも思える。
しかし、詳しくみてみると、MOの計算結果だけでは足りなくて、ポリマーの結晶融解温度などにも大きく依存してしまう。
つまり、融解温度が高いようなポリマーは切断しても再結合してしまうのかもしれない。
つまり、真空中の一分子の話ではなく、分子集合体の話だ。
そこでHSPiPに搭載しているYPBによるポリマー物性推算機能も必要だ。
さらにポリマーシーケンスの解析結果も必要になる。
この前も急にPOSEIDONに関する問い合わせが来たが、それは反応工学に着目したシミュレーションの話だ。ポリマーシーケンスに着目したPOSEIDONはこちらで解説している。
高分子系のMIをやりたいなら、こうした情報も入れ込んでやるもんだってKAISTで話してから8年してやっと日本でも興味を持ってくれる研究者が現れた。
まーここまでの話、そんなに異論はないかもしれないが、EBR-9のような新しいモノマーの反応性比はどうやって求めたら良いのか?に答えられる人も圧倒的に少ない。
MO計算で遷移状態を求めて反応速度定数を決めて。。。。。
それで出てくるのは気相反応の速度定数で、こんなポリマーは気相では重合できない。
MO計算は、昔はずいぶん頑張って計算したが、結局Q-e値を推算するという方法に落ち着いた。
pirikaはこうしたポリマーに関する要素技術を順番に全部開発して持っているので、高分子系のMIに対して強いのである。
Gsだけ教えてくれと言われてもなー。ちょっと無理筋かな。
今の時代、ZOOMで講義なら海外の会社相手でもなんの問題もない。
社員の給料も上げられない日本の企業が技術に投資はできないだろうし、外資向けを考えた方がいいに決まっている。