私のやっているのは、ほとんど無い差を殊更強調して、別け隔てする事だ。差別に夢中になるのは人間(僕だけか?)の本質かもしれない。
化粧品原料の皮膚刺激性を予測する定量的な予測式は精度が出ない。その理由をSOM(Self Organization Map)を使って学生に教えていた。
エステル化合物がかたまっている部分をよく見ると、皮膚刺激性のある赤く囲った化合物と刺激性が無い緑で囲った化合物がある。
同じメチルエステルでも、カルボン酸の長さが長くなっただけで刺激性がでてくる。
でもイソプロピルエステルだと、逆にカルボン酸が小さくなったら刺激性がでてくる。
この差を合理的に説明できる違いを見つけ出し、別け隔てなくてはならない。
そりゃー、ディープ・ラーニングすれば、ニューラルネットワークは、何か細かい差を見つけて差別してくれるだろう。中はブラックボックスだろうけど。
でも、もともと、分子の側に責任があるとも限らない。
海外では、肌の色や、性別で差別してはいけない事になったら、太っている、タバコを吸うとかで差別をするようになった。肌の色や、性別は変えられないが、太っていることは、本人の努力次第、タバコは意志の強さ次第だから、本人の責任だという。
分子本人の責任ではなく、そもそも、自然界にあまり存在しないので、人類が接触するチャンスがなかった為、皮膚が異物だと差別しているなら、どんな分子の記述子持ってきても合うはずがない。
差別がダメダメと言っていると、差別の根拠は誰も口にしなくなるので、無言の伝統みたいになっていくんだろうな。努力の方向性が示されないのって逆に辛く無いのかな?
「伝統とは自分は守れないけど、子供には守らせたいもの」って誰が言ったんだっけ?
まー、pirikaドットコムは従業員を募集していないから、就活生を差別することもないのは良い点だ。
せいぜい、分子や材料・素材・薬を差別して楽しむつもりだ。