どんなに良い発表を行っても、自称しているだけなら信用されない。

ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)とその公式ソフトウエアー(HSPiP)はとても高い評価を得ている。そのような論文や特許が増えることは開発者冥利に尽きる。
高い評価を得れば、それにあやかろうと、HSPを自称する輩も現れる。有名税のようなものでしょうがないのかもしれない。それを行ったのが日本人の大学教授だったのは意外であったが。

関西大学の山本秀樹教授とミルボン社が出した、日本動物実験代替法学会の機関紙(AATEX:Alternatives to Animal Testing and EXperimentation)に掲載された論文。

Len Ito et al., , AATEX 25(1), 13-18, 2020
Highly Accurate Predictor of Eye Irritation That Utilizes Rabbit Eye Potential Parameters Calculated Based on Hansen Solubility Parameters

タイトルを訳すと、”ハンセン溶解度パラメータから算出したウサギの眼刺激性パラメータを利用した高精度な眼刺激性予測ツール”になる。(DEEP L翻訳)

この、ハンセンの溶解度パラメータは、自称だろうか?、それとも、ちゃんとしたHSPであろうか?

論文には、HSPiPを使ったと一言も書いていないので、自称なのだろう。

一度、自分達の作った恣意的ソフトウエアー関西大学版HSP法(JKU-HSP法)から出てきた値を「ハンセンの溶解度パラメータ」と自称してしまうと、その後、書いたものは、どちらを指すのかがわからない。そこで、信用・信頼を失う。この論文も、適当な値をでっち上げた内容と疑われても仕方ない。

HSPを使って動物実験代替法のシステムを作れないのかといえば、そんな事はない。
公式ソフトウエアー、HSPiPを使って簡単に実装した例を私がブログにも書いている。

ミルボン社はHSPiPを購入していないので、私の書いたブログの再現性を確認できないだろうが、HSPiPを購入している世界中のユーザーは、私の書いたことを再現できる。

さらに先へ行くための競争がスタートしている。

これが、「自称-ハンセンの溶解度パラメータ」を計算する関西大学版HSP法(JKU-HSP法)と公式ソフトウエアーHSPiPの違いだ。