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AI時代の物性推算法の構築技術


分子技術に投稿した。
プログラムとしては2019年に作ったものなので今では古い。
気液平衡を推算するASOG法という方法がある。計算するためには蒸気圧式と構成する原子団の局所活量係数が必要になる。ところが、この蒸気圧を計算するためのAntoine定数や、活量係数を計算するASOGパラメータは決定するのが難しく、1年に原子団10ペア程度しか増えていないというのが現状である。同じような気液平衡を計算するUNIFAC法は、コンソーシアム方式になった為、パラメータは一般に公開されない。
ASOG法に関しては、日大、栃木教授がいまだに精力的に研究を続けられている。
(ちなみに、私は博士号を栃木先生のところで頂いた。)

新たなパラメータが先生から発表されている。しかし、ASOG法を用いて気液平衡を計算するソフトウエアーは無い。

2019年はASOG法の50周年の年であったので、AIを使ってASOGパラメータを決めるAiSOGプロジェクトを私一人で始めた。

特に目新しくはないが、自己対戦法を使ってASOGパラメータを決定した。気液平衡の実測データ、活量係数のデータ、共沸のデータを集めた。1979年に書籍に記載されているASOGパラメータを使って集めたデータの気液平衡を計算する。気相、液相の比率の誤差、温度の誤差の総和が得られる。例えばASOGパラメータが求まっていないと誤差は大きい。そこで、ASOGパラメータが自己対戦法で総誤差が最小になるようにパラメータを進化させていく。

AiSOGに関しては2019年からpirika.comで公開している。でも、5年以上経っても何のリアクションも無い。今回「AI時代の物性推算法」を書いて欲しいというので、投稿した。でも、多分、こんな投稿にも何のリアクションも無いだろうと思う。

そのうち、AIが欠損パラメータを埋めるデータを勝手にネットを検索して見つけていく時代が来るだろうと2019年に予測した。このところの生成AIの能力を見ると、そう遠くないだろうと思う。

それでは、ASOG法を使って実際に計算できるようにするにはどうしたらいいのだろうか?
大学や学会のサーバーで計算できるようにするのが一番かもしれない。
しかし、置くだけではダメで、どう継続的にメインテナンスしていくかが大事なのだろう。

とりあえず、復刻版のASOGはHPに置いた

隠遁した私の身では多くのことはできない。ところが、Joback先生が興味を持ってくださって、彼がASOG法をHPに載せる事になった。ASOGはアメリカで生き残っていくのだろう。