ブログ

ノーベル化学賞とハンセン溶解度パラメータ。

私はデンマークのハンセン先生と溶解度パラメータの仕事をしています。このHSPは2008年にはノーベル賞にノミネートされているので、毎年化学賞はドキドキしながら見守っています。

今年の医学生理学賞は「温度センサー」に関するものです。温度センサーは、単に熱い冷たいだけでなく、例えば唐辛子の成分の「カプサイシン」にも反応します。人間の5つの味覚には「辛い」はありません。そこで唐辛子を食べた時には、痛覚が反応します。
その辺りをハンセン溶解度パラメータを使って解析した例を2010年に書きました。

辛みとハンセン溶解度パラメータ(HSP) https://www.pirika.com/HSP/JP/Examples/Docs/Hot.html

蚊は炭酸ガスセンサーと熱センサーを持っていることが知られています。
蚊の触角、ヒゲ、口を切断して熱源や二酸化炭素に反応するかを調べたら、口を切断した蚊だけ熱源に反応しなくなったらしいです。 そして、口全体にTRPA1というタンパク質が働いていて、このタンパク質の機能を麻痺させるような化学物質をかけると、蚊は熱源に反応しなくなるらしいです。
これをハンセンの溶解度パラメータでまとめてみると、
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)と蚊
https://www.pirika.com/HSP/JP/Examples/Docs/Mosquito.html
になります。この記事も2010年に書いています。

 COVID-19用の治療薬のハンセン溶解度パラメータ(HSP)
https://pirika.com/HSP/JP/Examples/Docs/COVID19.html
では蚊の熱センサーを撹乱するDEETは、Chloroquine、Ciclesonideに近いHSP値を持つ事を書いています。

こんな訳で、今年もノーベル化学賞の発表が楽しみでなりません。

でも、ダメだったら、唐辛子料理でも楽しみます。
唐辛子を使った料理は
https://pirika.com/JP/enokoro/Kitchen/Tougarashi1.html
を参照。