2024.9.04
pirika.comで化学 > 化学全般 > 化学工学 > 復刻版:ASOGによる気液平衡推算法
1.3 実在溶液
実際にはこのエタノール/水、50%mol溶液は80℃あたりで沸騰してしまう。7℃も低い沸点になる。ラウールの法則は成立しない。
どうしたら、実在溶液を理想溶液と同じように簡単に取り扱えるか? いろいろ先人たちが考え、ギルバート・ルイスによって考案された活量(Activity:ai)という概念がある。活量とは実在溶液における「実効モル濃度」で、次式で定義されます。
ai≡γi*xi (1-4)
このγiを活量係数と呼ぶ。
ラウールの法則のモル濃度xi を実効モル濃度aiに置き換えると、P=P1*a1+P2*a2と式の形からはラウールの式と同じになる。
つまり、実在溶液を式の形上、理想溶液と扱うのに、補正係数として活量係数を導入したことになる。
多くの場合、次式のように活量係数を明示的に残した形が使われる。
P=P1*γ1*x1+P2*γ2*x2 (1-5)
次節:1.4 活量係数の算出
Copyright pirika.com since 1999-
Mail: yamahiroXpirika.com (Xを@に置き換えてください)
メールの件名は[pirika]で始めてください。