ラジカル重合のシミュレーター、Poseidon

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ラジカル重合のシミュレーター、Poseidon

あまりに古いJAVAのプログラムで、JavaScriptに書き直すのは面倒だったので、今回の改訂では消去しようかと思った。
ところが、このプログラム、いまだに動くことがわかった。

ラジカル重合シミュレータ、POSEIDON CE
ブログ:20年前のポリマー重合シミュレータ、Poseidon再稼働?

GUIとか計算結果の表示とかをJavaScriptで全部書くのは、もう力尽きている。そこでグラフの部分はExcelに任せて、Poseidon-Excel( POlymer SEquence IDentified ON Excel)も作ってみた。


重合したポリマーのイメージをみるだけなら、Poseidon miniを使ってほしい。(2011.3.17)

以降、2011年頃の古い記述。

Monomerボタンを押すと登録されているモノマーが現れます。マウスで選択しダブルクリックをすると下のテーブルに登録されるので使う量をグラム単位で入れて下さい。溶媒や開始剤も同様に登録して下さい。そして反応温度と反応時間を入れてStartボタンを押して下さい。ラジオボタンを切り替えるといろいろな情報を見る事ができます。

運良く古いJAVAのプログラムが動くと次の画面が現れる。(2011.11.22、MacのSafariブラウザーで動かした。)

Set Monomerのボタンを押してモノマーを選択する。

リストからモノマーを選んでダブルクリックすると下のテーブルにモノマーがコピーされる。

グラム数を入力しOKボタンを押す。

緑のパネルに使うモノマーが表示される。同様に溶媒を選択する。

開始剤を同様に選択する。連鎖移動剤を入れる場合も同様に操作する。

反応温度と時間をセットしてstratボタンを押す。最初は重合度を示しているがラジオボタンで表示を切り替えることができる。

ポリマーのイメージが表示される。ここではA(スチレン)とB(アクリロニトリル)で2つの反応性比、つまりスチレンラジカルがスチレンもしくはアクリロニトリルと反応する速度比、k11/k12とアクリルニトリルラジカルがアクリロニトリルもしくはスチレンと反応する速度比、k22/k21をQe値から求め、モノマー濃度から付加確率を計算しサイコロを振ってどちらのモノマーが反応するか決める。5%重合したらポリマーに組み込まれたモノマー分を差し引いて新しいモノマー濃度で付加確率を計算しサイコロを振ってどちらのモノマーが反応するか決める。それを24時間繰り返す。

ポリマーに導入されたモノマーの割合から、モノマーの消費量を計算する

開始剤の消費量は、開始剤の10時間半減期温度から単位時間あたりのラジカル発生量を計算し、どれだけ消費したかを計算する。

ポリマーの重合度は連鎖移動剤(溶媒)の量とモノマー/溶媒の量(M/S)の値から計算する。ゲル化効果(かご効果)は考慮していない。

GPCシミュレーションはポリマーの重合度とポリマー中のモノマーの組成から計算する。

こうしたシミュレーションにはラジカルがモノマーへアタックする反応速度定数が必要になります。このシミュレータではAlfrey-Price の Q-e値を用いていますが、分子軌道計算を行うことで直接算出することも可能です。詳しくは遷移状態DBのページを御覧ください。

ポリマーの物性を推算するにもどのモノマーが[どんな順序でどのくらい導入-リンク修正必要]()されたかの情報は不可欠です。

非常に古いJAVAアプレットです。動いたらラッキーぐらいのつもりでお使いください。動作保証はいたしませんが、開発したMacでは今でも動くようです。

2011.1.24 フィードバック:「XPで快適に動いています。完全混合のシミュレーションだけでなく、連続重合まで取り扱えるといいですね。」Tさん

2013.5.21

このシミュレータで扱う反応速度論についてラジカル重合の化学で解説を行った。興味のある方は御覧ください。

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