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悲しき酒(片々草抜粋)

 

 

 

 

 

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02-Jan-2013

反  省            (12)
  
 大晦日には、師もまた走る、という。人の真価はいざとなってみなければ判らないものである。例えば地震があったとき、意外な人が意外なほどうろたえ騒いで驚かされることが一再ならずある。

 ”人を観ば肺肝を見よ” ”拱手するがゆえに両腕なしと思うなかれ” ”太鼓は中が空っぽだからでかい音を出す”と言ったのは漱石だったか。人は見かけによらないものである。
 *
 昼あんどんだって夜になれば明るくなろう、人それぞれに、それぞれの持ち味があるものである。簡単に断を下してしまうことを懼れよう。人を批判する事は易い、しかし批判しているお前だって、結局は矛盾撞着のかたまり、欠点だらけの人間ではないか。

         岡目八目            
  
 囲碁に ”岡目八目”という言葉がある。碁を打っている当人より、傍らでそれを見ている人の方が大局がよく見えるということである。

 スポーツの選手にコーチというものがつく、名選手に教えるほどの力があるのならコーチが自分でやったらよかろうにと思うのだが、さにあらず。
 あるスポーツの名選手が ”スポーツの選手として伸びるのに一番大切なことは何だと思いますか?” という問いに ”人の注意を容れられる素直さ”と答えていた。
* 
 われわれは、大抵自分のことは自分が一番よく知っていると思っている。ところが、われわれが自分の顔を直接自分の目で一生見ることが出来ないように,判っているはずの自分というものが、一番判っていないのではあるまいか。

 我々が自分を見れるのは、何かの媒体(鏡や写真)を通じるより方法がないように、われわれが自分を知るのは、他人を通じ、あるいは他人との比較においてしかないのではないか。
                 *
 武田信玄に山本勘助あり、徳川家康に大久保彦左衛門があったように」、人間が大器になるためには、誰にもご意見番というものが必要であり、その意見を素直に虚心に反芻して、そして「自らの名において断を下す」ーーー雅量がなければならない。

                              
        あいさつ             
  
 ”おや、どちらへ” ”ええ、一寸そこまで” ”よく降りますねえ” ”ほんとにねえ”。・・・
 日常交わされる挨拶。云う方も別にどこまで行くのか確かめる気はない。答える方も ”ええ一寸そこまで”では答えになるまい。 ”よく降りますねえ”。ーーー落語ではないが ”俺のせいじゃねえや”ということもなく、 ”ほんとにネエ”とさらりと受けてコトはすんでいく。

 挨拶というもの、これは ”お互いに存在を認め合う”という人間の知恵だということに最近気がついた。
 あなたがそこに居ることを黙殺しないで認め、自分も認めてもらう信号のようなものである。だから言葉の内容は別にどうということもなく、片方が声をかける。相手はこれを受けて言葉を返す、そこにさりげない人間関係が成立する。

 「あいさつ」は人間関係の入り口である。公衆電話ボックスから出てきたとき、外で待っていた人に「お待ちどうさま」と声をかけるくらいの、心のゆとりをもちたいと思う。

        痛  さ             
  
 先日上司に呼ばれ友人と二人仕事の事でこてんぱんに叱られた。帰りに二人で慰めあった言葉。。 
 ”俺たちも、やっと偉い人に直々に叱られる立場になったんだなあ” ”あの人が俺たちのために時間を割いて叱ってくれた、叱ってくれるうちはまだ脈があるんで、叱られもしなくなったらおしまいだもんなあ”・・・。

 ずっと以前、大きなオデキが出来て医者にかゝった。膿を出すためにギューギューと押される。脂汗がでる、顔面蒼白、思わず ”痛いっ!”とうなったら、その医者平然として曰く「痛いのは、まだ生きてる証拠だ、痛くなくなったらおしまいだよ。」

         貼 り 紙           
 
 やゝ?尾籠な話で恐縮だが、
 「丸くでて 四角ににおう こたつの屁」
 という川柳にこりゃ傑作だと思っていたら、さる飲み屋でI・M君、 ”ここの便所はきたなくていかん。注意の貼り紙をしよう。・・・筆と紙を取り寄せて曰く
 「朝顔の 外にこぼすな 米の水」。
 隣に居たS・N君、それじゃ俺は大の方を書こう。・・・おもむろに筆を走らせて曰く
 「頼むカミなくば ウンは手でつかめ」。
(69・S・44・6)