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02-Jan-2013

女房・亭主・夫婦              (4)

 
 最近の子供は洗濯板を知らない。たらいは勿論、カマド・火鉢・炭・箒・はたき・・・など見たこともない子がほとんどである。生まれた時から洗濯は洗濯機で、掃除は電気掃除機で、暖房は石油ストーブで・・・。という生活の中で育ってきたのだから無理からぬ話。

 「お父さんが子供の頃はね、ご飯を炊くのにナタで薪を割ってね、 ”始めチョロチョロ、中パッパ、じわじわどきに火をひいて、赤子泣くとも蓋とるな”」・・・なんて話をしてやると、面白い物語ででもあるかのように、目を輝かせて聞き入る。

 昔、女房は、朝 亭主に寝顔を見られるのは恥ずかしいことだ、と教えられて嫁いだそうな。もっとも、昔は、主人に朝ご飯を食べさせるのには、かまどに火吹き竹を突っ込んで、ほほをふくらませて、という作業から始まったのだから、先に起きるのは当然、それこそ ”朝飯まえ”であったろう。
 それが、今は、スイッチひとつで好きな時間にひとりでにご飯が炊け,栓をひねればガスレンジは自動点火・・・。洗濯機が回っているうちに掃除は電気掃除機で・・・その上新聞広告をみながら ”あら、この皿洗い機、便利そうね”とのたまう。

 昔支那のなんとかいう偉い人が、オリンピックの競技をみて、あの選手は必死の練習をして、そうして縮めた何秒かの時間を何に使うのだろうか、と言ったという笑い話がある。
 一体世の主婦族は、めざましくーーーおそらく戦後一番発達した家庭電化の中で、昔の主婦と比較して浮いた時間を何に使っているのだろうか。

 ”小人閑居して不善をなす”という。電化によって合理化された家庭生活に安住し、亭主の守備範囲まで侵食して,亭主を飼育しようなどということはないだろうか。
 越境入学・教師への贈賄・自分の子供だけは・・・と目の色を変え他人の足を引っ張り合い、そして有閑教育ママの被害を一身に受けて有無を言わされぬ。 ”可哀想ナハコノ子デゴザイ”何かサーカスのジンタを思い出させるではないか。

「良く啼くメンドリは卵を産まない」という。ある雑誌にこんな話が載っていた。「亭主が,恋女房である賢夫人にベタ惚れで首ったけ。夕方はX時までに帰ると約束した。彼氏は、時間前になるとソワソワして落ち着かなくなる。そんな男だから会社でもあまり重んじられない。限りある能力を内に使い果たしてしまうのだから、外に使う部分は勢い減ってしまうのは当然」・・・。
 と、まあ、ここまではよくある話だが、その奥さん、亭主が勤め先ではかばかしく行かないのを案じて、「どうしたら亭主の能力を発揮させることが出来るでしょうか」、と上役の家へ相談に行ったというのである。ことここに至って亭主の株は決定的に下落,まずはそれまでとなったという。本当にあったお話。嗚呼・・・。

「男は女に惚れてはいけない。惚れさせろ」と、今は亡き父に教えられた。これは決して女に対する冒涜ではない。そのことの中にこそ女の真の幸福があるということではないか。

 男の権威も落ちるところまで落ちて、最近のアパートでは、男性用の便器までも抹殺されて、女性用を借用するようになってしまった。と嘆いた人があった。

「主人にお小遣いをあげる」という奥さんを数人知っている。
 世の亭主族よ、そんなことでいいのだろうか。女房・子供は、亭主が亭主の甲斐性において養うべきものではないのか。
 家ではメザシを食っても、男たるもの外ではヤセ我慢でも堂々と振舞うべきであり、また振舞わせるべきではないのか?。

「おこりゃふくれる、叩きゃ泣く、殺しゃ夜中に化けて出る。とかくオンナというものは・・・」しかし、だからと言って、亭主たるものサジを投げてはいけない。自分の女房ではないか、家庭を治められない者に、人を治められるわけがない。

「うちの主人は皿洗いを手伝ってくれるんザマスのよ。お布団も敷いてくれるんザマスのよ」と喜んではいけない。外で本当に家庭のために働いている亭主は、家に帰れば、そんな余裕などないのが当たり前なのであって、日曜日は「どうぞお休みください」と昼寝の枕くらい出してやるべきものだと思うが、如何なものか。

 ”物言わぬは腹ふくるるわざ”・・・という、、書きたい事を書いたらすっとした。さて昼寝でもするか。
 「おい、枕を出してくれ」・・・。
(68・S・43・10)