実 験 (3)
充分餌を与えて食べたいだけ食べさせ、もう満腹して食べないような状態になったニワトリの籠の中に、空腹なニワトリを二・三羽入れる。するとそのニワトリ達が残っている餌を猛烈な勢いでつつき始める。すると今まで満腹してそっぽを向いていたニワトリ達があわてて又餌を食べ始める。
ところが満腹したニワトリが三羽で、そこに空腹なニワトリ一羽をいれると、これが餌をいくらつついても、満腹の三羽はそっぽを向いている。という実験結果がある。
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「隣りのジョーも持っている」という言葉がある。アメリカの訪問セールスマンの合言葉で、「お隣のジョーさんのお宅でも・・・」というこの殺し文句に世のオク方は弱いのだそうである。
先のニワトリの実験を思い出させる話ではないか。
カ バ ー
ショートへ打球が飛ぶ、ショートがこれを捕ってファーストへ投げる。このとき捕手はランナーと一緒にファーストの後ろまで走っていく、若し暴投になってファーストが後逸したとき一秒でも早くその球を処理するためにである。
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投手が一塁ランナーをけん制する。ファーストが投手へ返球する。この時三塁手が守備位置から一球ごとに投手の後ろサードベースへ戻るのにお気づきの方も多かろう。
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一球ごとに行われる、夫々の役割に応じたカバー。俺は三塁手・俺の役割は捕手ということではない。とにかくチームには九人しかいないのである。時々に応じた情勢判断で、それぞれが他の役割をカバーすれば十八人の戦力で戦えることになる。そのために個々の選手は骨身を惜しまず、必ずしも役に立つとは限らないカバーを丹念に行うのである。
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チームプレーだから当り前と言ってしまえばそれまで。考えてみれば、会社の仕事だってチームプレーではないか。職場の総てのことが以心伝心・・・それぞれ口に出さずとも、だまってカバーしあうような職場こそ、本当に人間関係がうまくいって生産性を上げている職場といえるのではなかろうか。
流 行
森と(んかつ) いずみ(にんにく)
かこ(んにゃく) まれ(てんどん)
静か(にんにく) けむ(るんぺん)・・・
ブルーシャトウが大変な勢いで流行したとき、子供たちの間でこんな替え歌がはやっていた。
そういえば、流行と言うものは、子供から流行りだすものらしい ”今日はあかちゃん”も ”上を向いて歩こう”も ”ギョッツ”も ”タンタカターン”も・・・・。
すると流行と言うものはまず子供に受ける要素を必要とするということか。
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そういえば、世界的に流行しているミニスカートも,もとはといえば少女のスタイルを大人が頂戴してしまったものではなかったか。
(68・S・43・9)