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悲しき酒(片々草抜粋)

 

 

 

 

 

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02-Jan-2013

耐   性          (38)
  
 誰にも欲求不満はあるものだが、欲求不満の過充足はいけない。特に子供には、むしろある程度の欲求不満を常に与えて、これを自ら抑える耐性を日頃から培わせておく必要がある。
 昔から、 ”おんば日傘” ”蝶よ花よ” ”おんぶに抱っこ”というが、総じて ”総領の甚六”というように、欲求をすべて満足させた状態で子供を育てて、いゝ結果が出るはずがない。 それでは、世の中が判らなくなってしまう。

 ”腹八分” ”可愛い子には旅をさせよ”。ーーー子供には不自由すること、我慢すること、耐えるということ、自分の判断で自分を律するということの稽古を常日頃させておく必要がある。 
 いつものご飯の時間になって、”食事の用意が出来ていない、”と怒るのは、常日頃充分に食べている奴で、ふだんから、食べたり食べなかったりとまではいかなくても、腹を空かせることに馴れている者は、そこのところの我慢が出来るのである。

 亭主が日曜日に昼寝をしていたら、子供が ”奥に寝ているのは誰だ”とお母さんに聞いたーーという話ほどではなくとも、毎晩遅い亭主が何かの拍子で早く帰ったりすると、 ”あら今日は、お早いですね”と感心されたり、時に,定時に真っ直ぐ帰ろうものなら  ”どこか具合でも悪いのですか?ーーー”と額に手を当てられたりする。
 いつもマイホームのオタク旦那じゃ、時に連絡なしに遅く帰ったくらいの事が家庭のトラブルの種になったりするのではなかろうか。

 どちらが、どうと言うのではない。ただ、どいう変化にも対応できるような ”耐性”を、一家のあるじたるもの、常日頃から子供にも女房にも養わせておく必要ががあるのではなかろうか、ということである。

         約   束              

 朝、いつもの通りに郵便受けまで新聞を取りに行く、毎朝いつの間に入れていくのか、雨が降っても雪が降ってもちゃんと朝刊が入っている。
 これが何かの都合で入っていなかったりすると、大げさに言えば何か裏切られたような淋しさを感じる。たかが新聞のこと、月に一度や二度くらいそんなことがあったって何も具体的に損害を受けるわけではないのだがーーー。

 約束ということ.。ーーー考えてみれば、この世のすべてのことがこの約束によって動いているのではないか。バス停で待っていれば時刻表どおりにバスがくるのも約束なら、X月0日、X時から00で会議を開きます、という通知に、ちゃんと出席者が集まってくるのも約束である。

 講演中に刺客に刺されて不慮の死を遂げられた浅沼稲次郎さんの奥さんが、自宅でこの報せを聞かれた時 ”主人と言うものは、朝出て行けば、夜は帰ってくるものだと思い込んでいましが、帰ってこなくなってしまうこともあるんですねえ。と言って泣き崩れられた”という新聞の記事が妙に頭に残っているが、これは特別な例としても、すべてが約束で動いている世の中で、ひとつの約束がはずれると言うことが、いかに連鎖反応的に多くの人に影響を与えることか。

 自分に与えられたーーー或いは自分で求めた世界で生きながら、自分に課せられた、あるいは自分が生活することによって与えられている「約束」を守ることは、最低限の義務である。

          酒              

 「いやあ、会社に入って一番最初に驚いたことは、職場旅行に初めてついて行った夜、何とこの人たちは飲むんだろう。ーーー昼間の、会社での、あの真面目な顔はどこへ行ってしまったたんだろう、ということでしたねえ」。

 「そして、もっと驚いたのは、そんなに飲んで夜っぴて騒いで寝た翌日、朝食のお膳に、また徳利が並び。これを又当然のような顔をして飲むのを見たときでしたねえ」。
 
 ーーー「ところで、おい幹事!。酒が出てないじゃないか」ーーー職場旅行の朝食で、十年選手のY・A君の述懐。
(72・S・47・9)