校 歌 (6)
何のあてもなく散歩しながら,何となく口ずさんだ歌 ”はて、これは何の歌だったっけ?”節も歌詞もはっきり出てくるのに何の歌だか思い出せない。ーーーああ、そうだ、中学校時代の校歌じゃないか、と思い当たるまでにやゝ時間がかかった。
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そういえば、当時覚えた文語文の助動詞なんて、もう二十数年も使わないのに「る・らる・す・さす・しむ・ず・ざり・・・」と今でもすらすらと出てくる。
何が、何故?ということは分からないが、時どきそんなひょんなことがあって、びっくりさせられる。
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とにかく青春時代に心の底に焼きついたものは、時の流れで拭っても拭い去ることは出来ないということ。
「若い人よ、青春を大事に・・・」。
ケ ン カ
「何か人と交渉するとき、相手が下手に出てきたら、もひとつ下手に出ろ。その代わり、相手が高飛車に出てきたら、負けてはいけない、その上からおっかぶせて出ろ」。ーー学生時代の先輩の言葉。
いずれにしても、出方は相手に下心があってのこと。その下心を先ず打ち破れ、ということだろう。なるほどそうかもしれん。
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”金持ちケンカせず”という。ケンカというのは、お互い同じ次元だから本気になって出来るんで、次元が相当に離れていればケンカにもなるまい。
チンピラやヨッパライと本気になってケンカしている者は、その人が所詮その程度の次元の人間でしかないということか。
「負けるが勝ち」「金持ち喧嘩せず」という心境・・・案外これは高級なものかもしれんな。
朝
日曜日の朝・・・先ず窓を一杯に開ける。深い霧が右から左に静かに流れていく。見えるものすべてがぼんやりと、何か神々しいものゝように思える。どこからかラジオ体操の旋律が流れてくる。
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今まで歩いたことのない道を足の向くまま歩いてみる。静かにまだ寝ている家の庭にコスモスが揺れている。勝手口に七輪を出して火をおこしている家もある。白い小さな犬を連れてくる人に会う。多分この人も犬の歩く方向に歩いているのだろう。
私には、これらの人達がみんな善い人ばかりに思えた。
テ ス ト
小二の女の子。
「今日ネ、学校で国語のテストがあったの。私の隣の○○君たらね、“小鳥”っていう字に“チイ・トリ”ってカナつけてるの・・・」”。
母親「それで、あなた教えてやったんでしょう”」
「ウウン、テストだから教えちゃいけないと思ったのでヒントだけ言ってやったの」
「何て言ったの」
「○○君ね、あなたね、“小人”って書いて“チイ・ヒト”って読む・・・」って。そしたら「ああ、そうか」って判ったらしいわよ”。
ーーーも の はーーー
きらいなもの
まゆの根にしわよせた女
可哀そうなもの
ミニスカートをはいた大根足の女
近寄りがたいもの
腕組みした女
がっかりするもの
くたびれた靴をはいている女
なりたくないもの
終電車に乗っている女
気の毒なもの
電車の中で眠りこけている女
愛らしいもの
とれたボタンをつけてくれる女子社員
じゃまなもの
電車の座席で足を組んでいる男
ふがいないもの
女房に養われている男
なりたいもの
あびるほど飲んで泰然としている男
あわれなもの
しゃべりすぎる男
貧相なもの
すりきれたネクタイを締めている男
見つけられないもの
落っことした眼鏡
いとしいもの
ほんのり酔った女
手に負えないもの
クダを巻く女
情けないもの
杖を忘れた座頭市
わからないもの
朝、開店前のパチンコ店に並んでいる男
うんざりするもの
結婚式の「秀才・才媛」というスピーチ
考えたいもの
二日酔いの前の晩の飲み方
わずらわしいもの
しらふで聞く酔っ払のいグチ
悲しいもの
満員電車のサラリーマンの顔
欲しいもの
無欲!(キザかな)
(68・S・43・1