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02-Jan-2013

新入社員に (Ⅱ)         (67)
  
 四月は、会社に新入社員を迎える月である。何はともあれ、希望して日石ブループに入社された諸君に「おめでとう」と申し上げ、今月は、土筆生もやゝ改まった面持ちで、”新入社員に”というテーマを掲げてみた。

 映画界では新人のことを ”ニューフェース”というそうだが、我々の社会では、新入社員のことを「フレッシュマン」と呼ぶ。私はこの「フレッシュ」という言葉が好きである.因みに辞書を引いてみたまえ、”・・・新鮮な・爽快な・壮んな・元気な・みずみずしい・・・”といった言葉がずらりと並んでいる。これらの言葉の、どのひとつを取り出してみても、いうなれば君達のために用意された言葉だと言えないだろうか。まずはその呼び名にふさわしい、 ”フレッシュ”な息吹きに期待したい。

 諸君は、入社に当たって、それぞれの職場の先輩・上司から、新入社員として心すべき有益な言葉を頂いたことゝ思うが、土筆生からはちょっと方向を変えて、君達自身のこれからの人生のために”ゴールデンタイム”ということについて書いてみたい。

 TVやラジオにゴールデンタイムという時間帯がある。視聴率が一週間のうち一日の中で一番高い時間帯で、単位あたりの値段が特別に高い時間のことであるが、土筆生のいうゴールデンタイムとは、例えばこういうことである。
  *
 やゝ単純すぎるが、生まれてから死ぬまでの自分の一生を、目の前の紙に横線で表し、年齢を刻んで、その中に十八歳(二十二歳)から五十五歳までの部分に印をつけて区切ってみる。
 君は、一生の中で一番元気のいい年代を日石の中で過ごすという事になる。

 そして、その表の十八歳(二十二歳)から五十五歳までの、毎日・毎日の二十四時間を縦線で表してみる。その一日一日の二十四時間を三つに分けて、八時間は眠っている時間、朝八時から夕方五時までの九時間を君は会社で過ごす。あとの七時間が自分の時間だが、そのうちの半分くらいは、通勤や生活のために必要な(食事・入浴・・・etc)時間として割かねばなるまい。

 毎日毎日の生活は泣き笑いで否応なしに消えていくが,その表を客観的に眺めてみると、一生のうちの一番ピチピチした元気のいい年代の、しかもその毎日毎日の中で一番多いしかも朝から夕方までという一番いい時間帯を、君たちは会社の中で過ごすことになる。
 まさに、この会社の中で過ごす時間帯は君たちにとって人生のゴールデンタイムではないか。

 この人生のゴールデンタイムを過ごす毎日の会社生活が、 ”お早うございます”と明るい挨拶から始められる人と、重い足取りで会社の門をくぐる人と、いずれにしても、自分の貴重な人生の一日一日を消していく毎日であるということに思いをいたして貰いたい。。

 そして、それらの日々が、君たちにとってどうあるかは、どうしようもない外的条件によるものもあろうが、いずれにしてもその結果は自分が受けるもの、土筆生の経験からいうと、要はそのことに対する心の枠組みによる部分が大きいということである。
 悪循環と好循環のそれぞれの始まりの第一歩はほんの小さな差であるに過ぎない。それが、土砂崩れのように転げ落ちていくのか、上向きの好循環になるのかのキッカケは、夫々の心の中にあると思うのだが、如何なものか。

 ”人の一生は,棺を覆うて定まる”というけれども、最後の瞬間に自分の一生の来し方を振り返ってみて、自分のゴールデンタイムの部分が明るいピンクに彩られて人の人生はバラ色であり、その部分が灰色の人は、即、灰色の人生を送った人といえるだろう。

 自ら選び、そして選ばれ、希望に胸膨らませて入社した会社である。自分の一度しかない人生を豊かにするために、会社での一日一日を大切にし、実社会の毎日の生活を先生にして、全人格的な向上のために自己啓発を怠らないでもらいたい。何よりも自分自身のためにーーー。

 最後に一言。
 ・・・愛情のない夫婦生活が墓場であるならば、愛社精神のない社員にとって、会社は墓場であるに違いない。

(75・S・50・4)