女 教 師 (93)
「女教師だけを責めないで」・・・小学校の女教師三名が作ったTV番組を見た。世評芳しからざる女教師側からも一言言わせて(事情を判って・・・)という企画で、視聴者もスタジオに招いて、その反応を確かめようという企画。
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女教師は「感情的である」・「えこひいきが強い」・「視野が狭い」等々。自ら自分たち仲間のことを自己反省していたが、視聴者代表らから一番問題にされたのは「休むことが多い」、特に「産前・産後の休み」についてであった。
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そこで、この番組の製作者(女教師三人)は、子供を抱えて小学校の先生をしている同僚の一日を、ドキュメント風に追ったフィルムを見せる。
朝ーーー乳児を背負い、幼児の手を引いてアパートを出る。まず、近くの実家に乳児を預け、幼児は保育園へ。ーーー自転車で学校にかけつけて授業。ーーー授業をおえて帰宅途中保育園の子供を引き取り、一緒にスーパーマーケットで夕食の買い物。実家によって乳児を背負わせてもらいアパートへ帰る、洗濯物の取り入れ・夕食・授乳、それからテストの採点。・・・。
(この間、亭主の帰りはいつも遅いと言っていたが、子供を積み木で遊ばせているところが、チラリと現れただけでその役割は不明。)
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さて視聴者の意見。
(女)「私のところは、一年に四回も女教師が変わった。女性としての権利
も判るけど、その権利のために、実際に被害を受けるのは子供達で、
しかもその取り返しはきかない」。
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(女)「”あなた方も女なんだから、子供を生む・育てる・ということの大
変さは理解してもいゝではないか”という訴えだが、職業としてみ
ればそれは甘えではないか、職業人としての責任感に問題がある」。
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(女)「産前の休みの前から、ツワリだ、病院だと言ってはちょくちょく休
みながら、産前・産後の休みはバッチリ取って、その上でやめてい
った先生に当たった。その間子供の教育は宙ぶらりん・・・」。
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(男)「授業参観に行ったことがあるが、、女教師は、生徒にナメられきっ
ていて、授業のテイをなしていなかった。タダ与えられた時間をつ
ぶせばいゝものではなかろう。毅然とした教育者としての態度がな
い」。
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(男)「自分はサラリーマンだが、今日はつくづく反省させられた。自分も
帰りがいつも遅いので、子供のことは女房にまかせっきりだった。
考えてみると学校でも先生が女性だということになると、自分自身
で”視野が狭い””感情的”とおっしゃる女性に、家庭・・・学校
を通じて子供の教育を任せていることになるんですね」。
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(男)「自分は自家営業だが、ずばり自分がTVのモデルの亭主なら、どん
なに家計が苦しくても女房に学校を辞めさせる。フィルムを見てい
ると、あれで教育が出来るとは思えないし、あれでは、家庭も学校
もどちらも中途半端。人の子供を育てる学校の先生と言うけれども、
それでは自分の子供を育てる義務はどう考えているのだろう。それ
こそが自分に課せられた大事業ではないのか。
教師と言う仕事が好きだ、情熱があるというのなら、自分の子供が
独り歩き出来るようになってから、また教師に戻れば良い・・・」。
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(男)「フィルムを見、話を聞いて、そんな勤めぶりが許される職業がある
んだという事を初めて知った。民間の一般企業ではとても考えられ
ないことだ」。
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(女教師)「私達だって、素敵な若い男性の教師に来て貰いたい。しかし現
状では女教師の割合がどんどん増加する一方。現実は現実として、
女教師を救う社会福祉の問題として・・・」。
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一時間近い番組を再現することは難しいし、発言の内容も正確ではないが、この番組、一般的に言って女性の出席者が、「良妻で賢母で女史で家に居ず」風の人が多く、発言が直情的で、決め付け型が多かったのに対し、男性の発言が控えめで、確かに一般人が女教師を見る目にも問題があるな・・・という肯定的な発言が多かったように思われた。
いずれにしても次代を担う子供の教育の問題。大きな問題だが、さて、あなたのご感想は・・・?。