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02-Jan-2013

涙             (96)
 
 やや旧聞に属するが・・・。
 「昭和三十三年,栄光ノ巨人軍ニ入団以来今日マデ十七年間、巨人軍ナラビニ長嶋茂雄ノタメニ絶大ナルゴ支援ヲ頂キ・・・。ワガ巨人軍ハ永遠ニ不滅デス」。と挨拶し、外野を一周しながら握り締めたハンカチで目を覆った・・・あの長嶋の涙は爽やかだったな。

 先日、久し振りに本格的な芝居を観た。幕前にパンフレットで粗筋は読んでいたし、話の展開も至って単純なものなのだが、観ているうちに涙が湧いてきた。
 作者と出演者が、”ここらで涙を誘おうと思っているな”ということは百も承知していながら、そこにくると何とも単純に涙が湧いてくるーーー。TVのドラマを見ていても滅多にそんなことはないのだが、やはり目の前で人間が作中人物になりきって演じているからなのだろうか。

 ところがTVでも例外があって、オリンピックなんかで、国歌と一緒に日の丸の国旗が上がり出すと少しずつおかしくなってきて、ポールの頂上に達する頃にはもういけない。何かこう心の中に底流みたいなものがあって、あの場面に遭遇するとその底流がゆさぶられるのだろうか。

 先日、先輩のK・I氏の車に同乗させて貰ったら ”どうも、最近涙もろうなっていかん” と問わず語りに話された。 ”ワシャのう甲子園で勝ったチームが並んでセンターポールに上がっていく校旗を見上げていくじゃろう。そいで校歌が流れるじゃろう。あれがこたえられんのじゃ”という話になった。そしたら、同乗していたもう一人が、 ”いや、実は私もなんですよ。勝ったチームが応援席の前で歓呼の祝福を受け、その日のヒーローや監督がインタビュー攻めになっている・・・その影で負けたチームの選手がひっそりと青春の汗と涙を吸った甲子園の土を素手でかき集め、引き上げる球場に向かって一列に並び最敬礼をして黙々と球場を去っていくでしょう。あすこのところでジーンときてしまうのですよ”。ということになり意を強くした次第。

 涙といえば、浪花節的にいえば ”落つる涙を瞼で押さえ・・・”というのがオトコの涙ということになろうが、佐藤愛子さんに言わせると「男の涙というものは、一条・・・しかもそれは風で乾かされるべきものだ」・・・そうだ。ご参考までに。

        バレーボール          

 ”そんなことをやっても駄目だよ” ”そりゃやってもうまくいかないに決まっているよ”・・・よく会議や話し合いの席で聞くせりふである。

 そこで問題・・・。
 バレーボールのルールは、ネット越しに、三回までのボレーで相手のコートにボールを返すことになっている。このルールを外して ”ボレーは何回で返しても良い”というルールを決めたらどうだろう。
 ”そりゃあ、遊びにならないよ””味方同士だけでボレーを楽しんで、ネットの向こうにボールを返しはしないよ”というのが大方の予測だろう。

 ところが実際に、そうしてやらせた実験の結果では、自分のコートで回したのは五回までが最高で、一番多かったのは、いきなり一回で相手のコートに返した回数だそうである。

 我々は人間の心理を自分の推量ではかって、自分の思うように人も動くものと決めてかゝることが多いが、人はそう頭で考えているようにばかり動くものではない。ましてやそれが集団になればなおさらである。
やってみなければ判らないこともある。

         韓  国           

 数人寄って、ヨットで韓国旅行を決行したJ・M 君の帰国談。
 
「外国は、日本人旅行者であふれている、とは聞いていたけど、韓国もご多聞にもれずダネ。xx駅なんかまるで日本の駅みたいに日本人がゾロゾロ降りて来るんだもんね。皆カメラを下げてね。そいでそのカメラで何を間違えたのか俺のことをパチパチ撮りやがんの。それはまあまあとしても、道を歩いていたら、韓国人が俺に道を尋ねやがんの・・・。どうなってるんだろうね。

(77・S・52・9)