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悲しき酒(片々草抜粋)

 

 

 

 

 

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02-Jan-2013

 職   人

 「仕事が、仕事している、仕事」ーーー何か判じ文みたいだが、ある職人さんの言である。仕事に全身全霊を埋没している姿を、実に端的に言い表しているではないか。

 「出前をするような、そんな、はんちくな蕎麦は作っていない。蕎麦は延びてもいゝから、売れゝばいゝというものじゃない」と、一切出前の注文に応じない蕎麦やのおやじ。

 「にぎりのトロを厚くしてくれ・・・」という客に、「一個のにぎりとして、シャリに合わせて丁度いゝように切ってるんだから、そんなに厚いトロを食べたいんなら、シャリとは別にトロだけ食ってくれ」というすしやの親父。

 石は固いものだと思うが、本物の石屋は,この石を豆腐よりも大事に扱うという。「カドが欠けたら,石はもう石ではなく石コロだ、だから転がすにもワラを敷いてムシロを敷いて,肩でかついで、娘を扱うみたいにするもんだ」という。

 「職人には、身構えが必要だ」というのは指物師の名人、小川才次郎さん・・・「凡ての仕事は、身構えが根本だってんだヨ。柔道や剣道だけじゃねえや。身構えができてなくて、よい仕事が出来るわけがねえ。道具の扱い、仕事のしかた、穴を掘るにも定石があらア。昔からの伝統ってやつの形を、しっかり覚えてから、そいから自己流もよかろうが、基礎ができるまで、仕事の型を崩すこたあ絶対ならねえって、こう言うのよ。若い奴らは何だかケブッてえような顔をして聞いているがね」・・・という話が「職人衆 昔話(斉藤隆介)」という本に出ている。

 さて日石S/Sの皆さん。これらの職人の人達と、仕事の種類は違っても、仕事に打ち込むという事は、何によらず自分の仕事に対して、誰が何と言おうとも・・・という自分の哲学・信念を築きあげることだと思うが、如何なものか。

 (78・S・53・2)