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02-Jan-2013

祝   辞

 S君・Kさん。長い間の夢が適っていよいよゴールインされる由、結婚披露宴にご招待頂き有難うございました。何はさておき早速駆けつけてご祝辞を申し上げることにしていましたが、どうしても仕事のやりくりと、汽車の時間のやりくりがつかず不本意ながら出席できなくなってしまいました。悪しからずご容赦下さい。
 つきましては、せめてものはなむけに、披露宴のために準備していました祝辞を送らせて頂きます。末永い生活の折々に思い出して頂ければ幸せです。
 テニスと仕事で芽生えた愛情を末永く大切に育んで下さい。
*                *
 本日はおめでとうございます。司会者からのご指名により「祝辞」をとのこと、高いところから大変僭越ではございますが、折角の機会でございますので、新しい門出をされます新郎・新婦・・・特に新郎側の代表として、新婦に三つのことをお願いして、ご祝辞に代えたいと存じます。

 先ず第一に申し上げたいことは「男は半分しか結婚しない」ということであります。
 ”まさか”とお思いになるでしょうが、実は男の後の半分は既に仕事と結婚しているのであります。ですから、家庭生活に入ってもご主人を独り占めにしてしまわないで、あとの半分のために出来るだけ拘束しないで、精神的にも、時間的にも自由に振舞わしてやって頂きたい。女房とは、なけれ忽ち困るものだが、有ることを感じさせず,常にその人を包んでいる空気みたいな存在で、そっと寄り添ってやって欲しいということであります。

 二番目に申し上げたいことは「人間と言うものの平均点は大体六十点くらいだ」ということであります。恋愛時代はアバタもエクボに見える時代でありますが、実際の生活というものはそんなに甘いものではありません。恋愛時代に、美しい唇と夢にまでみたその唇でサツマイモをぱくつくのが実生活です。結婚生活とは、時にえくぼがあばたに見えるものであります。

 人間の点数を人生を通して平均すると大体六十点なら及第。七十点などということは有り得ないと申します。平均で六十点ということは、八十点の時があれば四十点のときもあり、九十点の時があれば、三十点も我慢しなければならない。・・・「人間、お互いがそうしたものだ」いう諦めがつけば良いのですが、お互いに八十点・九十点ばかりを要求し合って、つい許しあうことを忘れるものであります。

 ・・・長門祐之という俳優をご存知だと思いますが、芸能界では珍しく南田洋子さんとのおしどり夫婦で有名な人です。この長門さんがあるインタビューでその秘訣を尋ねられ、奥さんの前で即座に「寛容と忍耐と諦めです」と胸を張って答えていましたが,まさに名言だと思います。許すこと、我慢すること、それで駄目なら諦めること、ができなければ、長い間平和な夫婦の生活を送ることはできません。
 よく武者小路さんの色紙に「君は君 我はわれなり されど仲良き」とジャガイモとカボチャの絵をかいたものがありますが、平均点は六十点、お互いかぼちゃとじゃが芋だと思えば気が楽になるじゃありませんか。

 さて、三つ目は「ご主人を常におだてて、いい気分にしてやって欲しい」」ということであります。
 「男は外に出ると七人の敵がいる」と申しますが、外から家庭に帰ってきた亭主は、何らかのキズを負っているものであります。そこで辿り着いた家庭の中にまた敵がいたのでは参ってしまいます。常に亭主をおだてて”あなたのお陰だ。あなたはたいした人だ”といい続けていると、亭主は単純ですから暗示にかかって、そのうちホントに自分が自分で大したものに思えてくる。そうすると自信が出てきて心がはずみ、顔色までよくなってくる。翌日はまた口笛ふきながら辛い会社へ向かって出勤するようになるものであります。

 長ながと勝手なことを話して参りましたが、結婚披露宴について新郎新婦からとったアンケートによりますと、披露宴が終わったあ、スピーチの内容を覚えている歩留まりは数パーセントしかなかっとそうですが、新郎新婦の百パーセントが早くスピーチが終わればいいなあと願っていたという統計があります。

 新郎新婦の切なる願いを容れまして、ここらでお開きといたします。
 本日は、誠におめでとうございました。

(82・S・57・10)