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悲しき酒(片々草抜粋)

 

 

 

 

 

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02-Jan-2013

試   験 

 次の漢字にフリガナをつけよ。

 孔子(アナゴ)。憤る(ニエクリカエル)。筋肉(スジニク)。徒然草(ホウレンソウ)。喘息(タメイキ)。浪花節(カツオブシ)。一言居士(ヒトコトイイシ)。

 これは作り話ではなく、実際にあった解答だという。何とユーモアを介する感字の回投ではないか。

          料  理

 ”CMの 試食はみんな うむ うまい”
 という川柳があったが、最近TV番組でコックや板前でない素人の男がエプロンかけて何か料理を作る番組が目立つ。

 自分が料理と名のつくものは野菜イタメも出来ない料理オンチだから云う訳じゃないが、恥ずかしながら、昭和ひとケタである。子供の頃から「男子厨房に入るべからず」で育てられたせいか、どうもあのアップリケのついたエプロンをつけて得々と包丁を持ち、オサトウ小サジに少々・・・なんて云っているのをみると、男がふぬけに見えてしょうがない。

 まあ、それはそれとして好きなことだから勝手にやればいいが、あの番組に付き合わされる相棒が何とも気の毒ではないか。
 甘い・辛いの批判は勿論云えないし、逆にどこかで「必ず」うまい・おいしい・と言わなければならない。それも、ただ ”うまい””おいしい”だけではなく、どのくらいモグモグやったところで云うのかのタイミング。その表情にも工夫をこらし、目の玉を白黒させ、やや首を傾げたりして宙の一点を見つめた風で、如何にも他のうまさとは違う特別のうまさであるように表現しろ、というのは何とも酷というものではないか。
(83・S・58・4)