チームワーク
元オリンピック(東京・メキシコ)サッカーチーム監督、長沼健氏にチームワークについて聞いた話。・・・いってみれば、あなたのS/Sもチームで仕事をしている訳。ひとりでしまっておくのは勿体ないし、何かのお役に立つと思うので、断片的ではあるが、心に残ったことを書き留めておく。
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弱いチームは、サッカーをやっているのはボールの回りの人だけで、ボールから離れている選手は眠っている。何となく動いていても神経が寝ている。よく見ると寝ているだけでなく熟睡してるのがいる。
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ゴールキーパーは,味方が攻めている時間は暇である。しかし強いチームは、その間もキーパーは遊んでいない。いいチームは試合を見なくてもキーパーの動きみているだけで、戦況(球の動き)がわかるほどである。
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野球の三原監督は、監督として嬉しい時は「ピンチになってベンチを振り返って、控えの選手と目が合った時だ」。「控えの選手が、ベンチの中で一緒に試合をしているときこそ、チームの戦力が盛り上がっている時である」といっている。
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レベルの低いチームほど言い訳が多い。本来、俺はやれるんだが00が悪かった。(暑かった・寒かった・風がどうとかだったetc・・・環境の変化に弱い)。言い訳がユニフォーム着ているような選手が多い。
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サッカーでは、誰でもいいボールが欲しい。ところが人間というものはおかしなもので、いいボールをくれた人にはいいボールを返したくなる。サッカーの神様ペレは、一人で生涯一三〇〇点を叩き込んだ。ということは少なくとも一三〇〇人のサポートによるということ。ペレが俺のためにしてくれた、ちゃらんぽらんな球は返せない・・・みんながそう思う。お互いがチームの目的を遂げるために、心底尽くしあう。それがチームワークというものだろう。
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ペレが蹴ってよこしてくれたボールには ”水引がかゝって、のしがついて・志・ペレ”と書いてある(ように見える)。受ける相手のために,心から贈(送るではない)っている。一方、苦しいところにはいつみてもペレがちゃんとそこにいる。ペレは試合が終わった後、暫くインタビューに答えられないほど,精力を使い果たしている。
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巨人の川上が、監督を退いて野球解説者になって、タイガースのキャンプに招かれた。そのときトイレのスリッパをみて「まだ併殺プレーの話どころではない」と感想を洩らした。
・・・チームワークとは、次の人に対する配慮である。次の動作をする人のために自分が何をしてやれるか。6ー4ー3の併殺プレー・・・ショートが取ってセカンドへ、セカンドが受けてフアーストへーーー。それぞれが次の人のプレーをしやすい場所とコースとタイミングをはからって、行動してやることではないか。
トイレに行って自分の用がすめば後のことは知らず、集団生活の中で、スリッパが次の人の使う方向に出舟で揃えられないようではーーーという訳。
チームワークとは、その字の通り「力を合わせて働く」ということである。
(78・S・53・11)