広 告
電車の中の吊り広告。
”金曜日はフライデー”とある。何だ当たり前じゃないか、と思っていたら、 ”フライデーという週刊誌が金曜日に出る”。今日はその日ですよ!”という意味だった。”現代を激写する”というのは、字になってないけど、逆に音感と字感?に訴え、その写真週刊誌の感じを表していて、意外に若者ウケするのではないか。
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ついでに、”フォーカス”という写真週刊誌、買って読んだことはないが、情報によれば、従来の週刊誌の型を破って特ダネを写真で大きく扱い、文はその説明だけだという。専ら視覚に”焦点”を合わせ、値段も電車の中の読み(見?)捨てに手ごろで、煙草代より安いというのがうけて大当たり、そこで同じ柳の下のドジョウを求めたのが頭文字も同じ、このフライデー誌。
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さて、この競争、同じ型のものが出たら前の分の発行部数が減るかと思いきや、かえってその種の週刊誌が話題性を生み、興味を引いて前のフライデー誌も飛躍的に部数が伸びて、ともどもメデタシ・メデタシだという。
勿論、充分な市場調査の上ではあろうが、世の中わからないものである。
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ついでに、もひとつ広告の話。
電車の線路沿いの壁に大きな横長の看板が二つ並んでいる。どちらが先でどちらが後か、意識してかしないでか、面白いことにいずれも運送会社の広告。
その(1)、「引越しは、日本通運へ」
その(2)、「引越しも、クロネコヤマトへ」
この看板、{引越しは」と「引越しも」と一字違うだけだが、広告の内容的には「引越しも」の方が勝ちだと思うが、如何なものか。
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もひとつ、ついでにーーー。夏、海水浴場にひしめく浜茶屋。
一軒の店が「日本一のサービス」という看板を上げた。すると隣の店が負けじと「世界一のサービス」という看板を掲げた。なんとその隣の店が掲げた看板・・・「この浜一のサービス」。
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次は広告の話ではないが、同じく商売に関する話なのでご参考までーーー。
昔、越後から二人の青年が青雲の志を抱いて江戸へ向かっていた。
峠の茶店でのどが渇いて一服、水を所望したら、”一杯三文”という。一人の青年は ”越後では タダの水が、お江戸ではお金を取られる、おそろしいところだ”と逃げ帰ってしまった。
ところが、もう一人の青年は”越後ではタダの水でさえ、お江戸では商売のタネになる、面白いところだ”と勇躍江戸に乗り込んだという。
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もう一つ、現代の話。
二人の靴のセールスマン(A)・(B)が、アフリカへ市場調査のため視察に出された。そして、それぞれ、本社へ調査結果の電報を打った。
(A)「ミコミナシ トウチデハ ダレモクツヲ ハカナイ」
(B)「ミコミアリ トウチデハ マダダレモ クツヲハイテイナイ」。