日 記 ・ 片 々
月 日
”物理上の上下関係は、心理的上下関係を作る”という。なるほど、昔の武将も軍人も、自分を高く見せるために馬に乗った。
小さな子供と話をするときは、自分の目の高さを子供と同じところまで下げて話せ、ということには理由がある。
月 日
ガードマンの服装は,帽子からベルト、靴にいたるまで、一見お巡りさんと見違えるほどよく似せて作ってある。
しかし、その道でメシを食っているタクシーの運転手に言わせると、お巡りとガードマンでは、どんなに遠くからでも、夜ライトの明かりででも,ひと目で区別がつくという。
どんなに服装を似せても、それを着ている本体の”姿勢”が違うのだそうだ。自信を持って「着ている」ものと、それに似せようと、「着せられている」ものの差である。
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月 日
「仕事は ”命令”(指示)で始まり、”報告”で終わる」と言う。上司にとって”報告”のない仕事は終わっていない。
命令(指示)をうけた者が、自分は言われたことをし了えていても、それが終わったことが分からなければ、上司にとっては、その仕事は終わっていないのと同じである。
月 日
明治の初め、文明開化の波と共にいろんな珍しいものが日本に入ってきた。初めてみるそれらのものに、呼び名をつけた人たちのセンスに感心する。
たとえば、目に見えないエレキに、雷電の ”電”に、力・勢いを表す”気”という字をつけて「電気」と名づけたのも傑作だが、その電気に関するものだけでも、電流・電柱・電球・電話・電報・電灯・・・何とも簡便で分かり易い。電気で走る車が ”電車”でその電車の走る二本の路が”線路”とはよく言ったものではないか。
月 日
電車に乗ったら、いきなり「私は00車掌区のXXです。△△まで担当いたします。よろしくお願いします」。とアナウンスが入った。国鉄の民営化で、責任の所在を明らかにするためのサービス第一号だという。
われわれ民間からすれば、誰が車掌であってもどうでもいいことだけれども、会社が変わって、新しく”こうしよう”という指示が徹底して、ともかくそれが末端で実行されるということはいいことだ。
トップがブレーキを踏んで、止まるのに三ヶ月。アクセルを踏んで走り出すのに三ヶ月・・・という会社もある。
月 日
「過去と他人は変えられない」という。他人の言動によって毎日いろいろストレスが溜まっていく・・・。しかし、いくらイライラしても、他人である相手の言動を変えるわけにはいかない。
自分の受け方・考え方を整理して変えることによって解消するよりテがないということか。
月 日
犬は、その昔足が三本しかなかった。歩きにくそうな犬を憐れと思われた神様が、一本足して足を四本にして下さった
。それ以来犬は、その足に小便がかからないように、片足を上げてオシッコをするようになった。
月 日
子供に”ナイフは危ないから使ってはいけない”と教えるのではなく "危ないからナイフはこう使え”と教えるべきではないか。
「この土手登るべからず」ではなく、土手が傷むのであれば「この土手は、ここから登れ」と指導すべきではないか。
何によらず、禁止することが多すぎる。
(87・S・62・6)